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その日、全世界で

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一羽のすずめの小説『その日、全世界で』をまとめて読めます。
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#天国

その日、全世界で(第6章)

第6章 再会  いろんな思いを巡らしていると、由香から電話がかかってきた。そして咄嗟に出てしまった。日曜の正午も過ぎた時間だし、教会の礼拝はとっくに終わっている。  「みゆ?よかったー。出てくれて。今、ココも一緒なの。今日も仕事ある?」  今日は朝早くから主人が息子たちと釣りに出かけたので、私は暇だった。だから、一人でボーっとしながらチョコパイを食べてミルクティーを飲んで、色々と考えていたのだ。  「何もないよ。今チョコパイ食べていたところ」  「昼食はもう食べた?」  「

その日、全世界で(第5章)

第5章 義母からの電話    いつも通りの長電話になりそうなので、私は夫に先に食べるねとジェスチャーで伝え、先に食べることにした。夫も話が長くなると見込んだようで、寝室に行って話をし始めた。私は夫と残りのチキンカレーを食べようと、鍋を開けた。  (ほぼない。これは、一人分もないな。亮介と勇太、大盛で食べたな。仕方ないか。じゃ、康介には食パンにカレーを載せて、その上からミニトマトとスライスチーズを載せて、チーズカレートーストにしてもらって、私は納豆ネギ卵と市販のみそ汁にしよう)