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僕と、天丼「てんや」


最近食べたてんやの天丼。とても良い。

昼久しぶりにてんや食べたのですが、、初めててんやに入ったのは今からもう15年以上前の大学生の頃。今はなき秋葉原のガード下にあった店舗でした。
大学の漫研の仲間とコミケついでに秋葉原で買い物したときに入った時だったと思います。

当時はまだ「天丼は高級品」という考えが僕の中にあり、田舎者にはワンコインで食べられる天丼が衝撃的でした。(実際今でも天丼は高級品だし、てんや以外でリーズナブルに食べられるところはそんなに多くない。天丼の敷居を下げてくれたのは「てんや」さんのおかげだと思う。)

「東京は特別な場所」

青春18きっぷと、その日遊べるだけのギリギリの金を持ち、若い田舎者は都会の喧騒の中で食べる1杯500円の天丼でそれを感じていました。てんやには語りたいことがたくさんある…


今はなき秋葉原のガード下のてんや(こちらの場所です→https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131001/13085947/dtlmap/)だけど、僕はあの空間が大好きで、ひっきりなしに鉄橋を走る電車の音を聴きながら甘辛いタレの染みたご飯をかきこむことで「あぁまた東京に来れた」と特別な感情に浸ることができました。

若いころは性欲…というか同人誌買いたい欲で動いてたから500円あったら飯か同人誌か天秤にかけるんだけど、てんやの天丼には食べ物には珍しく同人誌1冊に勝る魅力があった。

やがてガード下からてんやが撤退し、現在の秋葉原の店舗(こちら、末広町の近くです→https://www.tenya.co.jp/shop/tokyo/chiyoda/akihabara.html)に移転しました。
移転した店舗でも1度天丼を食べましたが、「もうあの電車の音を聞きながら天丼を食べることができない」という寂しさを感じ、それ以来秋葉原であえて進んで天丼を食べることはなくなりました。 秋葉原という街を知り尽くしていたわけではありませんが、秋葉原が知らない街に変わってしまったような思いでした。

天丼に限らずですが、今となってはワンコインで美味しい丼物を提供してくださるお店やチェーン店も増えました。(値上げの波があり、そうも言ってられないのはまた別問題として)
でも、若い時に味わった味、そして音や喧騒といった空気、そういったものはいつまでも思い出として残り続けます。
今でも天丼を食べる度に当時のたった1杯の天丼の思い出をずるずると引きずっている僕のような人間もいるのです。

甘いタレを口いっぱいに掻き込んで目を瞑ればガード下の電車の音が聞こえて蘇る、若くて一番楽しかった、あの頃が。

ありがとう、てんや。
おわり。

https://twitter.com/ichirouf/status/1005656660398886913

昔twitterに書いてモーメントにまとめていたのですが、モーメントの機能がいよいよURL直打ちしないとアクセスできなくなったので改めてnoteにまとめ直しました。


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