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ヴィクトリアマイル 全頭前走診断

今年は少な目の15頭。
上位2頭以外は大混戦。どの馬にもチャンスがあり、前走重賞凡走組の巻き返しに期待したいところ。

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①ライラック B-
前走阪神牝馬S 10着 6番人気
大外11番から。好発を切ったまでは良かったが、外々を回されるロスの多い展開に嵌り、折り合いも少し欠いていた。デキは良く、走れる状態だったけに非常に勿体なかった。
脚を溜められていないなら当然最後も伸びない。舌がハミを越していてアップアップの状態。もう少しやれる馬。

②フィアスプライド B+
前走中山牝馬S 9着 1番人気
重賞勝ちがある分、ハンデは56Kとかなりの負担を強いられた。デキは悪くなかったものの、機動力が問われる内回りコースになると、この重りが相当な負荷となってくる。
レースはいつも通り後方から。ゲートの出も良く定位置までスムーズ。1コーナーはタイトな2列目なので決して悪くないが、コースなりに早めに動き出さないと確実に脚を余す。鞍上はそれを見越して早めに動いて出た。が、このハンデでは脚が持つはずもなく残り200m付近で失速。失速したとはいえ、全馬が加速できないラストとなったので、決して悲観するものではない。早く動かざるを得なかった分の結果ということ。
ココを使っての上昇も見込め、鞍上も確保できている。

③スタニングローズ B
前走大阪杯 8着 6番人気
前脚腱周囲炎で長期離脱。
前走は、久々の分もあって持ち前の美しいスタイルには仕上がっていなかったものの、最低限の準備はできていた印象。久々にでメンバー強化はさすがに思い通りにはいかない。
レースは抑えずにそのままハナへ。定位置のの2、3番手を取りたかったのか、ハナに立たざるを得なかったのか、主張したのか。1コーナーへ入る手前の攻防を極力さけたい思いもあったのと、他が行く気を見せなかったため、自然とそういう展開になったような気がする。
初めてのハナに立つ競馬で、戸惑いはなさそうだったが、その番手が勝ち馬と2着馬。終始その2頭にラビット的に扱われて、相当なストレスを抱えていたはず。そんな状態でも僅差の8着に残せたのは立派。
元々が2000mよりも1600~1800mの形で、現在は完全にマイラーとして扱ったほうが良さそう。

④コンクシェル B-
前走中山牝馬S 1着 8番人気
3月1週目にしては気温が低く、昼間の最高気温が10度を下回っていたかもしれない。前日は雨に降られてダートは重馬場。芝も重から稍重で、あきらかに時計の掛かる馬場状態だった。
3月に入ってから気温が低い日が続いた影響で冬毛が出ていて見栄えが落ち、僅かに前躯、特に右側に若干硬さがみられた。
レースは好発から押してハナへ。前走ではそれが叶わなかったが、今回は上手くハナに立てた。スローな展開で、1000m通過が1分1秒5。
3角手前から後続が詰めてくるも、このラップなら余力たっぷりで、一瞬たりとも他馬にハナを譲ることなく、押し通した。ハナに立てば本当にしぶとい競馬をする。
ただし、ハンデが53Kでスローペースだったことを考慮すると、この結果を鵜呑みにはできない。

⑤ウンブライル
前走阪神牝馬S 2着 4番人気
川田騎手が初騎乗。大きめのブリンカーを着用。パドックではいつも通りチャカチャカしていたが、集中力はできていた。
馬場は小雨の稍重。
ゲートは五分。ダッシュもまずますで中団の後方を位置どった。深いブリンカーを装着しているので、そのテスト走行的な考えもあったのだろう。
道中は被されない位置を意識。外3列目の追走で、徐々に前との差を詰めていく。
最後は内外の差もあって、マスクトディーヴァ(1番人気)を交わすことがきなかったものの、この馬の良さを引き出せた。
ただ、まだ走りを矯正する余地は残していて、距離も1600mがベストとも言い難い。

⑥マスクトディーヴァ A
前走阪神牝馬S 1着 1番人気
東京新聞杯では発馬出遅れて3馬身のビハインド。ゲートは元々上手な方。別の馬も同じタイミングで取り乱していたことから、何か気になる音が耳に入ったのかもしれない。
阪神牝馬Sでは舌をくくってきていたのはそれを気にしてか。
しかしそれも杞憂に終わり、いつも通りの発馬。
少し緩めのペースに引っかかる馬がいたものの、こちらは終始折り合って淡々と好位を追走。
最後の直線で、名手にしては珍しく右手の手綱を落としてしまい、左に寄れるシーンがあった。その分だけウンブライルに詰められはしたものの、立て直してからノーステッキでもしっかりと伸び、余裕のある勝利。G12着馬の実力をまざまざと見せつけた。

⑦ハーパー B
前走大阪杯 13着 9番人気
騎手は乗り替わって岩田望騎手へ。
有馬記念で減った馬体を戻せていなかったという意味では、少しトモに頼りなさが感じられ全体的に物足りなく映った。
レースは好発から無理なく好位の2列目。ここまでは良かった。向こう正面でローシャムパーク(2着)とキラーアビリティに擦られて、チークピースを装着していた同馬の行く気を削がれてしまった。あそこはそのまま行かせずに、最後垂れてもいいから併せて追走していかなければならなかった。
今回の好走に向けて馬体重プラスは必須。エリザベス女王杯やオークスで好走しているので、1600mは短いと思われがちだがスタイルはマイラー。気性もそれ。折り合いの不安が少ない条件のほうが走らせやすいはず。

⑧サウンドビバーチェ D
前走東京新聞杯 14着  
故障休養明けで明らかに太め残り。結果を残してきた逞しいマイラーの質感は見る影もなかった。
一叩きしての効果は期待できるものの、ベストな状態で臨んだ昨年のヴィクトリアマイルで5着。これ以上の結果を求めるのは酷。
長所は勝負根性。不利な体勢になっても走るのを止めない精神が素晴らしい。

⑨テンハッピーローズ C
前走阪神牝馬S 6着 9番人気
スケールでは見劣るものの、競馬に行けばしっかりと折り合いがつき、終いは追ってしっかりと伸びる。
前走は道中折り合って最後の直線まで脚を溜められた。追い出してから宙ぶらりんになってしまい最後は伸びを欠いてしまったが、この馬なりに力を発揮した。G3なら勝ち負けできる素材。

⑩ナミュール A
前走ドバイターフ 2着
道中はいい形で溜が作れていた。
残り800mから600mにかけて、中団から後方待機の馬が押し上げてくれた分、最後方付近に位置どっていたナミュールにとっても押し上げやすい展開になった。
直線残り400mで外に持ち出し一気に追い出すと、200m間に前を走っていた全馬を抜き去り先頭へ。しかしその内でFACTEUR CHEVALに粘られて交わせず2着でフィニッシュ。勝ちに等しい内容。距離ロスを考慮すれば、指数上はナミュールのほうが上になる。
控えれば確実に脚がたまり、追えば確実に伸びる。箱型の体形からして、小回りコースのほうがより優位に立ち回れる。名手にかかれば大きいコースだろうと小さいコースだろうと関係のない話だが。

⑪ルージュリナージュ D
前走中山牝馬S 13着 8番人気
冬毛が出て見栄えがせず、筋肉の張りも一息。歩様も硬く、全体的に2走前の東京新聞杯時のほうが良く見せていた。
ゲートでは外にもたれて他馬を妨害。テンから掛かりっぱなしで道中は番手を上げられず、直線に向いて軽く追っただけ。

⑫キタウイング E
前走谷川岳S 8着 12番人気
重賞を勝利した時の姿は見る影もなく、歩様がゴトゴトしていて走れる態勢になっていない。スタートは無難に出るもダッシュつかず後方から。道中も他馬の邪魔をせずに、外を回して追っただけ。

⑬モリアーナ D
前走阪神牝馬S 3着 3番人気
秋華賞5着、AJCC4着のあと、一気に距離を短縮して阪神牝馬Sへ。
前肢の出が良くなった分、後肢もしっかりと踏み出せるようになってきている。それでもまだ高速馬場へ対応するのは難しい状態。
スタートでダッシュがつかず最後方からの競馬。ドスローの上がりの競馬で、かつ、先行馬がパッとしないメンバー構成だったお陰で、3着に届かせることができた。逆にいえばそれだけで、時計勝負に対応できない今の状態では推しにくい。

⑭フィールシンパシー B-
前走福島牝馬S 2着 8番人気
岡田スタッドらしい風貌で、野暮ったさの中にもしっかりと体力が作られていて、マイルレンジで時計が求められる状況でも対応できている。
前走は、外枠の難しい位置から好発をきってスムーズに2番手の2列目に取り付く。
向こう正面でタガノパッションに外から被されそうになったところをしっかりと押さえられた。その後に落馬事故があって、後続は追い上げられなくなったが、時計だけで評価するなら、ロングスパートからの我慢比べにも耐えられる走りができた。
勝ったコスタボニータは内でロスなく立ち回って脚を溜め、直線でそれを爆発させただけ。自ら勝ちに動いたフィールシンパシーのほうが強い競馬をしたといっていい。

⑮ドゥアイズ B-
前走阪神牝馬S 5着 2番人気
ゲートで安目を売って後方から。一頭だけ浮いた状態が長くなって、おまけにペースはドスロー。追走をしかけようにも難しい展開で、鞍上もがんばって詰めてはいったが、スムーズに先行した馬たちほど脚を溜められていない分、交わし切れなかった。詰められてはいるので、悲観するような内容ではない。
洛陽Sのようにハイペースになってくれればこちらにもお鉢が回ってくるのだが、前走のようにスローだと同じように詰められるだけ詰めて届かず…といった負け方になる。枠順的にもポジションを取りにくい。


ストライド競馬新聞


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