高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【359】
妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の
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【 随筆 】麻生太郎の発言への怒り
高山の作品から
随筆「濡れる女子事務員14」
2018/04/03
Aちゃんのシリーズも、出来たらこれを入れて二話か三話で終わらせたいです。
出来たらこれを入れて二話ですね。
ここで、重要なのは、Aちゃんが活躍してる事よりも人から人への考え方が伝わる事と、一人の人間によって流れが変わる事ですね。
それと本物の坑夫が、どれだけのハードな仕事もこなすかと、それを支える人達です。
Aちゃんの物語で有りながら、トンネル物語なんですよね。
トンネル屋を舐めるなよと言うのと、こういう下請け目線のリアルな話しってないですからね。
それも続け過ぎたし、Aちゃんの成長は素晴らしいけど、そろそろ終わりにと思います。
Aちゃんが主に居た現場は、この数ヶ月、一人百万円を越える成果をあげてますが、少し前から坑内の温度が異常になりました。
トンネルは、貫通しない限りは冬は暖かくて、夏は涼しいんですよ。
しかし、あれ暑いなあと思ってたら、最初は三十度程でした。
それでも暑いですね。おかしいなあと思ってて気付くと、四十度を越えて六十度に近くまで上がりました。
あっという間でしたね。温度が上がるのが。
それだけ掘削も進んでるからかも知れないけど、これは、おかしいです。
過去にこういう風に上がった事が、一度だけ有りますよ。
前の話しに出たHとやってた時もいきなり温度が上がって、なんだ!?でした。
調べると地熱です。
そういう山なんですよ。
過去に上がった時は一週間程で下がりましたが、そりゃ大変でしたね。
坑夫は、外の仕事と違って暑さや寒さに左右されないですし、六十度に近いとなると、もう何をするのにも汗だくですよ。
普段も作業着をしぼったら汗が出ますが、今回は水を被ったように皆がなりましたよ。
今は随分下がったけど、三十度の後半です。相当高いです。
元請けが調べたら、高山君この区間は地熱で暑くなるってなってる、です。
それでも、予定の所を過ぎても三十度の後半ですから、JVの所長が役所に調べに行ったり学者に会いに行ったりしてます。
トンネルを掘る前にはボーリング調査をしますが、これが当たった試しが無いって程予想を裏切ります。
良いと思われてた山が全然違ったり、悪いと思われてた山が良かったりですね。
数メートルおきに上からボーリングしてるけど、それで山は予想できないって事です。
だから、中に入ってる坑夫が目で見て感じて、その度にダイナマイトの量や掘削のやり方を変えるんですよ。
それでも、六十度に近くなると坑夫もコンクリート班も、何度も出てきては涼んだり水分を大量に採ったりします。
中に持って行ってる麦茶じゃ足らないし、すっかり暖かくなってるのを飲みたくないからね。
僕も中で仕事してて、こりゃ駄目だなでしたが、坑夫はお金が取れてますからめげませんでしたね。
こういう風にお金が取れてる時の坑夫は強いけど、かなりの期間暑いのが続いてもめげないのは感心します。
コンクリート班も請け負いになってるし、坑夫がそうならめげませんでした。
コンクリート班の方が、一番暑い時は大変だったと思いますよ。
コンクリートは熱を持つし、身体を動かす作業なのでね。
僕は、Aちゃんと手伝いに入ってた時に、外に出たら水道の所にバケツを用意させて上半身裸になって水を被りましたよ。
坑夫もコンクリート班も、余りに暑いから真似をし始めました。
作業着のズボンとかもびしょびしょになるけど、またトンネルに入ると乾くんですよ。
この時ばかりは、Aちゃんが可哀想でしたね。
女の子ですから、脱いで水を被る訳にはいきませんからね。
それでも、僕がホースを繋いで何度か水を掛けましたけどね。
Aちゃん最初は、嫌がってたけど、乾くのに気付いてから
は、わりと僕にホースで水を掛けられるのに抵抗無くなりました。
僕とかAちゃんは、一時的に入るだけなので、まだ良かったけど、坑夫やコンクリート班は段々と食べられなくなりました。
水分は採るけど、食べ物は受け付けなくなりましたね。
それで、とにかく色々な物を用意しました。
水分塩分補給は当たり前ですが、食べ物はお菓子からウィダーインゼリーとかですね。
栄養材とかも用意しましたね。
元請けも対策を色々考えて、風管をもう一つ小さいのを入れたりしましたし、後向き雑工を増やしたりしてくれました。
その分の予算は増やしてくれるらしいです。
風管は中に風を送るんですが、大きいのが元々着いてますし吸い込み用のも有ります。
何故かと言うと、トンネル内は凄い粉塵なんですよ。
この風管が数十分止まるだけで、中は粉塵で暗くなりますからね。
それを風で飛ばして、吸い込んで出すんです。
どの程度出せてるかは、それほど出せてないけど、坑内の空気を常に乱すってのは重要です。
そうしないと淀んで見えなくなりますからね。
トンネル内は、様々な機械が動いてるし排ガスも有ります。
僕は、昔から防塵マスクを首に掛けてるけど、余り本格的にはしません。
それは、班長とかが多かったからいちいち外して、声を皆に掛けるのが面倒だからです。
今でも時々はしますが、飾りのようですよ。
Aちゃんには、しっかりするようにと言ってますけどね。
粉塵を吸うといずれは、じん肺と言う病気になりますからね。
まあ、暑さは一時期よりは引きましたが、予想ではとっくの昔に普通に戻ってないといけないのに三十度の後半ですからね。
坑夫やコンクリート班から、少しずつ休みが出るようになりましたね。
今まで出なかったのが、不思議な位です。仕方ないですよ。
皆痩せましたからね。それだけハードだったんですよね。
たまたまAちゃんと中で作業してたら、元請けの若い連中が測量してて一人がその場で吐いたのも見ました。
彼らも当然慣れてないから、そういうのが出ますよ。
そういう中でAちゃんと僕は営業にも行ってますからAちゃんは、スーツに着替えるのに汗はかいてるしで大変のようです。
化粧もしないといけないしで一度は、高山さん、女がどんなに大変か分からないでしょうと嘆いてましたよ。
僕も作業着を代えますが、女性程の大変さは有りません。
Aちゃんのお父さんとは最近非常に仲が良くて、電話がかかります。
Aちゃんの家の離れを事務所に改造してるのもあって色々話しますが、既にそういう仕事の領域越えた仲ですよ。
帰って来て珍しくバテてる娘の首などを、氷で冷やしてあげてるらしいです。
それと、本格的な散水車がなかなか借りれなかったのですが、Aちゃんのお父さんが漁業で使ってるのを融通してくれると言って来ました。
レンタル料は、普通の半分も行かないです。
お父さんの顔が効いたんでしょうね。
大きい散水車をやっと入れられて、それで定期的に中に水を撒いてます。
一時的でも温度が下がるから、効果は有りますよ。
本格的な散水車がなかなか借りれなかったのは、一つはトンネルだからってのもあったようです。
トンネル屋の機械や車両の扱いは荒いから嫌がられたんですね。
Aちゃんのお父さんのお陰で借りられましたし、ぶつけても気にするなと言われてます。
それと、食欲の落ちた坑夫達に差し入れが続いてます。
魚や貝や海老、蟹だけで無くて果物等も届くようになりました。
Aちゃんのお父さんに果物は買ってるでしょうと言うと、知り合いの八百屋が協力してくれてるらしいです。
小さい地区ですが、Aちゃんのお父さんは、その辺りのボスですね。
家にも何度か泊まりに言ってますが、荒いようで実は繊細で本を沢山読む人です。
最近は、とにかく良く電話が有るし僕もAちゃんのお父さんとは、仕事を抜きで付き合えるから楽しいです。
家に行って、Aちゃんと僕とお父さんとで飲んでたら僕も酔ってたけど、お父さん酔ってたんでしょうね。
突然大きな声で、高山君とにかく死ぬなよと言い出しました。
事故でも何でもとにかく死ぬなよと繰り返して言い出して、奥さんの写真が飾ってる仏壇に線香をあげてくれと言いました。
奥さんが、若くて病気で亡くなってるのを娘二人を育てたから、そういう言動になったんでしょうね。
僕も考えたらAちゃんのお母さんに線香をあげて無かったのを思い出して、仏壇のある部屋に行って線香をあげました。
亡くなった奥さんは、Aちゃんよりも美人かもって人ですね。
Aちゃんが、どちらかと言えば可愛いタイプなら、亡くなった母親は美人タイプですね。
それをお父さんに言うと嬉しそうにして、昔のアルバムを引っ張り出して僕に見せました。
お父さんも若くて精悍ですが、奥さんの美人さに驚きましたよ。
良くまあ、嫁に貰えましたねと率直に言うと、そこからいかに当時はライバルが多かったかを話し始めました。
Aちゃんも知らない話しもあったようで、驚きながら聞いてましたよ。
当時の若い連中は、亡くなった奥さんを皆が狙ってたらしいです。
この中で最も実は、嫌われてのはAちゃんのお父さんらしいてす。
お父さんの激しい性格を嫌ってたらしいてす。
それが、とにかくお父さんは惚れたら一直線で、毎日のように会うようにしたらしいです。
今では、ストーカーと言われても仕方ないと笑ってました。
ある時、船が荒波の中で出て何艘も遭難したらしいです。
お父さんは、まだ、若くて人の船に手伝いで乗ってたらしいです。
幸いお父さんの船は助かったけど、完全に駄目なのが二艘出たらしいです。
その中に、お父さんの同級生で親友が居たらしいです。
その船は見つかったけど、破損が酷くて乗組員も居なかったらしいです。
しばらくして何人かは水死体が上がったらしいですが、その同級生の水死体は結局上がらなかったらしいです。
それで、お父さんは惚れたお母さんの所に行くより、港を何時もうろうろするようになったらしいです。
相当ショックだったと、今でも言ってました。
夜でも夢遊病者のように、うろうろ港をしてたらしいです。
仕事も手に付かなくて一日中そんな状態が続いたらしいです。
ある時、夜にうろうろしてたら奥さんになるAちゃんのお母さんが来て、大声で怒られたらしいです。
何時までそうやって甘えてるのか、とね。
皆が辛いのにあんただけが、辛いような顔をして、凄い剣幕で怒られたらしいです。
そう言われても直ぐに立ち直れないお父さんを、お母さんがデートに誘い始めたらしいです。
デートと言っても映画を観に行こうとか、何かを食べに行こうとかだったらしです。
そういうのが、二ヶ月以上続いて二人は結ばれたらしいです。
お父さんは、お母さんと結ばれると働き始めたらしいです。
そして、直ぐに結婚したようですね。
お母さんは、あんなにしっかり者で荒っぽい人が落ち込んでるが、可哀想になったとの事です。
しかし、元々少しは好きだったのではと思いますよ。
そうじゃないと、人の事をそこまで心配出来ないですからね。
お父さんは、お母さんの若い頃や、AちゃんやAちゃんのお姉さんの子供の頃の写真を見せながら、高山君、生きててなんぼだからな。
死んじゃダメだよと繰り返してましたね。
そこには、親友の死と、最愛の人の死を経験して来たからこそ言える物を感じましたね。
そこから、セックスの話しになってお父さんは、結構遊び人だったのに奥さんに対しては、最初はとにかく良いセックスをしないといけないって言いましたね。
本気で好きだからでしょうが、娘が居る前で良く言うなあです。
しかし、娘も笑いながらフムフムと聞いてましたよ。
お父さんは、最初は意識し過ぎたのをお母さんからそれも怒られたらしいです。
テクニック云々じゃなくて愛情じゃないの、とね。
お母さんは、Aちゃんに似てるかもですね。
わりと本質をずばっと言うのがね。
その日は、Aちゃんの家に泊まって朝、港をお父さんと歩きながら話してると、若い漁師らしき人が相談が有ると言うとお父さんは引っ張って行きました。
僕は、海を見ながら煙草を吸って待ってました。
戻ってくると、若い漁師の恋愛相談に乗ってたらしくて、それも若い漁師が狙ってるのはAちゃんなんですよね。
思わず良くまあ、自分自身の娘を狙う男の相談に乗れるなと笑うと、仕方ないよと笑い飛ばしてました。
だけど、娘は今は、無理だしお前じゃ無理だとはっきり言ったと言って、また笑ってましたね。
港を歩くと、老若男女がお父さんに挨拶してくるのも、いかにも港町のボスだなと言う感じでしたね。
お父さんは、娘が世話になってるのをこの際は無しにして、俺に何かしら出来る事が有るなら言ってくれと言います。
まあ、良くやってくれてますよ。しかし、Aちゃんが生き生き仕事が出来てるから、それが一番嬉しいんでしょうね。
トンネルの方はまだまだ、温度が下がらずに苦戦しながもこういう事が有るからこそ、元請けやお父さんのような第三者まで巻き込んで一致団してます。
それは、掘削班もコンクリート班も負けない姿勢を見せてるから、人が更に助けようとしますね。
これで、諦めの姿勢を見たらここまで助けようとしないと思います。
肝心なのは、そういうファインてイングスピリッツです。
Aちゃんにもそれが、相当有りますし坑夫やコンクリート班にも有ります。
そういう中で、何とか良い方向に行きつつ有るのは幸せですね。
お父さんとの出会いもAちゃんが、居なかったらなかったでしょうね。
Aちゃんが、色々な繋がりを持ってきて強固にしたなと思いますよ。
今後のAちゃんは更にお母さんのように激しく、時には僕を叱咤するかも知れないけど、コンビですからね。
叱咤されないように頑張らないととお父さんに言うと、又笑いながらアイツも相当気が強いからなと僕に下手なウインクをしてきましたね。
次をこのシリーズのラストにしたいと思いますね。
おわり
次回は随筆「パンティ好き」
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