高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【313】

妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の
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【随筆】杏ちゃんに拍手を

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随筆「何かを落として来たような気分

2017/09/25  
わりと、つい最近の話しです。

四十九才のリアルな心情です。

仕事で現場に行ってて、トンネル工事の作業員の様子を見たり仕事を手伝ったりしてました。


何時もの事です。

そこの所長と缶コーヒー飲みながら立ち話ししてて、タイヤショベルに乗ってる作業員の話しになりました。


見てて下手なんですよね。


それが掘る方を手伝うようになってて、あれは駄目だろうと言いました。

元々は、元請けから頼まれて地元の人間だと言うので仕方なく入れたんです。


雑工やらせてたけど、いまいちでした。


しかし、雑工でもそこは大きいトンネルで予算出てるから一日一万八千円です。


年齢は三十一位です。


トンネルの経験が浅いのが分かったのと、どうも何かにつけて楽をしようと言うのが見えたから、何度か柔らかく注意はしました。


地元の人間を使うと言うのは、地元の人への配慮と仕事を斡旋すると言う意味では円滑に仕事がしやすいから良いんですよ。

僕の呼んでる作業員も二人は近くの出身でした。

しかし、トンネル作業員はそれにばかり気を使うと良いのが使えなくなるからね。

元請けが附帯するダンプ屋とかそういうのを地元を率先して使います。


下請けの僕らはそれに余り固執しません。


やはり良い仕事するには全国から集めますからね。

その作業員は、元請けの所長が雑工で良いし金額も少し落として良いからと言うから仕方なく入れてました。

うちの所長に、いつの間に掘る方に回ってるのか聞くと、一人一時休んでて仕方なくだそうです。


それでも見てたら下手でね。

あれなら、他の雑工やってるのと代えろよと言いましたね。


事故でもやりそうだし、他の雑工やってるのでまだ上手いのが居ましたからね。


掘る方に回ると日給が大きく上がるし、請け負いですから取れる時は取れますからね。


下手なのにお金を取らせるより、上手いの入れた方がましです。


僕は、自分自身が呼んでるからとかよりも、単純に下手な奴にやらせるより上手いのにやらせようです。


それで下手な方を呼んだんですよ。


交代してしてくれと伝えました。

わりと丁寧に言ったんですけどね。

そしたら明らかに不服そうな顔をしたのと、高山さんが呼んでる人を使うのは贔屓してるみたいに言ったんですね。


僕は一瞬カチンと来たけど冷静に、そうでは無くて貴方まだ慣れてないから危ないよと説明しました。

それでも俺なんかまだやれるのに、贔屓して汚いみたいに言いました。


細かい言葉は忘れたけど、少なくとも歳上で下請けのトップの立場にある僕に、汚いって言葉を吐いたのがカチンと来ました。


それまで丁寧でしたが、一瞬にして言葉使いが変わりましたね。


てめえ、俺に喧嘩を売ってんのかです。

そしたら、もう歳でしょうとかえって来たから、顎を手のひらで思い切り殴りました。

拳だと痛いけど掌低打ちです。

顎を打たれて倒れたから、足先に鉄板の入った長靴で一度だけ蹴りました。

そして、贔屓はしないけどお前の仕事ぶり見てたら雑工も手抜きだから、もう少しきちんとしないなら辞めさせるぞです。

最後に、このくそガキがと言いましたよ。

元請けも何人か見てたけど、使えない事は分かってたんでしょうね。

その後も何も言われなかったし、その作業員はびびって仕事に戻りましたよ。

気持ち的には特に興奮も無くて、良い気分でも無くて仕事をしたと言う感じでした。


その夜打ち合わせがあって、何時もの安いメンズのスナックに行ってました。


打ち合わせは相手の都合でそこで行われ無くて、安い食べ物ある居酒屋に変わってしまい、メンズのスナックを後から来ると行って出て、居酒屋で一時間程飲みながら新しい仕事の話ししました。


相手は、今度の仕事で雇う外の仕事を受持ってくれる所の社長でしたから、立場的にこっちが上でも社長だから仕方ないかです。

お金の話しとか細かい詰めはしてたから、飲みながら仕事の簡単な段取りの話しでした


社長は感じも良くて年齢は僕より歳上ですが、いかにも小さい会社の社長でしたね。


そこでビールを何杯か飲んだから、メンズのスナックに戻って焼酎の水割りをチビチビ飲んでました。

僕は、飲まないなら全く飲まなくて良いんですが、飲んだら徹底的に酔わないと嫌なんですよね。


そこに、若い顔見知りで何度か話した事のある男が二人で来ました。


二人とも二十代前半で、一人は良く店で会っててわりと気の良い兄ちゃんって感じでしたが、こいつ口が達者だけど大した事がないなと言う印象でした。


もう一人は、初めて会ってほとんど飲んでないようで、隣に座って大人しそうな人の良さそうな男でした。


何度か話した事のある、若い男に挨拶して飲んでました。


店の男の店員を交えて、三人で話してる感じになりましたね。


話しの中で何かの拍子に、来年俺も五十だなと言うと若い顔見知りの兄ちゃんが、高山さんみたいな五十代になってこういう風に飲みたくないと言いました。


え!?です。店員もえ!?って感じでしたが、僕は半分笑いながらどうしてと聞くと、友達とかと一緒に飲んだりしたいと言いましたね。

それもかなり生意気な口調でね。


僕は、元々の生まれがこっちでは無いのと、友達とかはもうほとんど結婚してるし面倒だよと言うと、同窓会とか行かないんですかと言われました。

こうしてエッセイで書くとその雰囲気伝わりずらいでしょうが、若い顔見知り兄ちゃんは酔ってて、いきがってる感じが凄かったです。


同窓会とか行かないとか、一人で飲むの惨めだなとまで言いましたね。


店員が明らかに僕が怒るのではと言う感じで見ながら、酔ってる若いのをたしなめてました。


僕はニヤニヤしながらまあ、若いうちは分からないよと言いながらも、腹の中はお前に俺の何が分かるで怒りで一杯でした。


もう一人、その兄ちゃんの友達もたしなめてましたね。


そのあとも、五十前でそういうのやだなあとか言ってたけど、適当に相槌打って誤魔化しました。


昔の僕なら直ぐ怒鳴ってたでしょうね。

その兄ちゃんが酒に弱く、酒に呑まれるタイプとは知ってたけど、まさかって感じてした。


少しして、帰るとなって帰りました。


僕がため息つきながら煙草吸ってたら、男の店員が来てすいませんでした。


他に僕も親しい若い女の子来てたのもあって、強気な所を見せたかったようです。


僕はそれからかなり飲んで歩いて帰ってたら、さっきの事が沸々と思い出されて腹が立ってきましたよ。


現場では躊躇せず冷静に怒れるのに、ああいう場で怒れなくなってる自分自身が情けなもなって来ました。


酔ってたから素面なら十分も有れば帰れる所を、延々と歩いてるように感じてベンチに座ってスマホを何となく開けて小説サイトを開けたら、誰かのレビューが付いてました。

後から見ないと一度見ると酔って返事はしたくないから、誰かは分からなかったけど、

少しだけ荒れてた気持ちが柔らぎました。


ベンチをゆっくり立つと、ふらふらしながら帰りながら自分も随分換わってしまったなとも思いましたね。

そういう場で怒れるのが偉いとかでなくて、そういう場で何となく気持ちを抑えたり流したりする自分自身が嫌ですね。


それが、大人だと言われても嫌ですね。


現場でもそういう場でも、二十代や三十代の頃は変わらなかったです。


それが、何処かで抑えてしまって気持ちの持って行きようの無さを味わうようになったのは、四十代を過ぎてです。


家に戻って店の店員にLINEして、あれは酷かったと愚痴を入れました。


それも昔は無かったし、したあとで後悔しながら眠りました。


後で店員から、あれは高山さんが我慢してくれて大人ですよと言われたけど、我慢したと言うより誤魔化したんですよね。


そういう誤魔化しを覚えてしまった自分自身が、最近つくづく嫌でうんざりします。

何時までも肉体は若くないけど、精神やポリシーを誤魔化したくないなと思います。


こういう事は最近良く起こってます。


それが溜まってる時に、偶然コンビニとかで若者が我が物顔で座ってると車から降りて邪魔だろう!!とか怒鳴ってます。


ガス抜き代わりに使われた若者も可哀想ですね。

言った後で、ガス抜きに使ってる自分自身を分かってるから後ろめたさを感じますよ。

本来怒るべき所を誤魔化して、生きてる自分自身が嫌ですね。

この十年程で、気持ちの上で何かを落としてしまったように思うんですよね。

何時までも若くいたいは無理ですが、精神等は昔を忘れずにと思いますよ。


おわり

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次回は随筆「父と靴磨きの思い出」

「ガーターベルトの女」~映画化のために​

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