高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【358】
妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の
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【 随筆 】麻生太郎の発言への怒り
高山の作品から
随筆「濡れる女子事務員13」
2018/03/31
濡れる女子事務員シリーズです。
このあとも、もう少し続きます。
Aちゃんは、頑張ってます。
時には、失敗もするけど、とにかく一生懸命なのとある種の才能が有りますね。
数ヶ月でこうも変わるとはと思ってるし、トンネル関係の資格を既に三つ取らせました。
営業に現場に一日の半分以上は一緒に居ますが、僕から怒られながらも明るくやってますよ。
それでも、色々女性だからと言うので嫌な事にも合ってますよ。
それは、細かくは書きませんが、本人も落ち込む事も有りますが、本格的に僕の右腕になってまだ一ヶ月も経ちません。
この世界に本格的に入って数ヶ月です。
それと、若い女性ですから色々有りますよ。
今回は、Aちゃんと坑夫のHについてです。
Hは、Aちゃんが元々居て、今でも一番良く行く現場の掘削班の片方の班長です。
彼については、サイトのエッセイやブログでも何度か取り上げてます。
彼とは同い年で、本当に長い付き合いで職人ですね。
班長にやるのも今回が初めてです。
三十代初めから、僕が父の会社が潰れてから彼と確か出会ってます。
性格は、僕とは反対で落ち着いてるし、その代わり前に出ないです。
仕事の腕は昔から上手かったですが、離婚して子供居ますが、女性関係等は下手です。
人との付き合いは、下手では無いけど、何処かに不器用さが有りますね。
炊事婦に好かれる僕と、炊事婦にイマイチ受け入れられない彼って感じが、三十代の頃は強かったです。
愛嬌が足らないんですよ。
それと初めて会った頃は、何処かの市役所の職員かって感じでダサい眼鏡を掛けて、角刈りのような頭をしてましたね。
私服も酷かったけど、作業着は更に酷かったです。
例えば、辛子色のニッカボッカにピンクの土方の着るタートルネックのシャツとかね。
何度も笑いながら、お前どういうセンスでその色合わせてるのって有りますね。
僕が坑夫時代は、ブルーのニッカボッカにブルーとかワインレッドのシャツとかでした。
ニッカボッカ履かない時でも、大体ブルーとか濃い色で派手な色はほとんど使わなかったです。
つなぎとかは、白を着てましたけどね。
人間性や技術は、素晴らしいのにそれじゃ女にモテないと、一緒に服を買いに行ったこと有りますね。
早くに結婚して、奥さんに任せきりだったせいも有るんでしょうね。
離婚してますけどね。
離婚については、奥さんの一種の裏切りでHは非常に傷付きましたが、今は子供の事とかは相談してるようです。
今でもダサいけど、炊事婦には多少は受け入れられるようになりましたね。
しかし、彼とは掘削班で何度もコンビを組んでます。
唯一、僕が坑夫で友達だと言える人間かも知れないです。
何度組んでやったかとか、何度同じ現場になったかは覚えて無いけど、パターンとして班長をやりたがらない彼に代わって、僕が班長やって二番手に付いてましたね。
三十代半ば位からあちこち一緒に行って、コンビで反対の班を負かして来ましたね。
僕の坑夫時代のある種の良い噂には、彼が居たからです。
彼とのコンビなら、負けないって有りましたからね。
極端に言えば、技術のHに人を動かす僕って感じでした。
イケイケで無い彼の為にも色々な人との交渉をしたり、或いは時には喧嘩したりしてやって来ました。
高山さんの坑夫時代は、反対の班に負けなかったんでしょうと今でも聞かれるけど、彼が居たから負けなかったんですよ。
Hも僕と組むとやり易かったと言いますね。
三十代の僕は、本当に強気でしたが、カッとなると何処でも乗り込みましたよ。
一番覚えてるのが、反対の班の一人が酷い仕事をした上に、僕に対して喧嘩を売るような伝言を所長に残して帰った時です。
内容は、今では、はっきり覚えて無いけど僕はカッとなって、宿舎に戻ると鉄筋棒の短いの持ってその人の部屋に乗り込もうとしてました。
Hが言うには色々そういうのがあったけど、僕が今までで一番怒ってたらしいです。
それをHが追いかけて来て、とにかく一服しようとなだめました。
そうして、何とか抑えられたらしいです。
Hに言われたら、何とか我慢するって習性が有りましたね。
もう一つは、狭いトンネルで重い支保工を持って行かないと行けなかった現場で、僕が肋骨を怪我してて何とか運ぼうとするんですが、上手く運べないんですね。
支保工とはトンネルを支える枠です。
そこは小さいトンネルなのに重い鉄のを使ってて、肋骨を怪我してるせいで持ち上げても痛くてなかなか運べないって状況でした。
そこに、Hが来て怪我してる間は俺がやるからと何度も運んでくれました。
これは、最近話しててハッキリ思い出したんですよね。
かなり忘れてますからね。
Hと僕は、お互いが助け合ったって感じです。
離婚して直ぐは相当参ってるのを必死で慰めたりしましたし、Hの足らない所は僕が、僕の足らない所はHがって感じでした。
まあ、どちらかと言うと僕のブレーキ役で、Hの方が大人でしたよ。
それに格闘技はしないし、Aちゃんと時には、じゃれててもAちゃんが空手の蹴りを出すふりをすると、辞めてくれと言います。
しかし、仕事での度胸は有るし、怪我人が出ても素早いですよ。
機械にも強いですしね。
最近ちょっとした事から、ダイナマイトを仕掛ける為の掘削マシーンに二人で久しぶりに乗ったけど、お互い口に出さなくても息が合ってましたよ。
思わず終わって、お互い手を出して手のひらをぱちんと当て合いました。
四十代に入って僕が会社の社員になってからは、僕の所に来たり来なかったりでした。
今回は、たまたま空いてて来ましたね。
初めての班長で最初は、戸惑いを見せてましたが、今では随分違いますね。
僕は、何度も班長をといってたのに断って来ましたが、今回はやって良かったようです。
更に上に行こうと言うのが、見えてますね。
かつての彼には、それが無かったです。
一作業員で一生終えても良いって事を、言ってましたからね。
それは、それで良いんですよ。
そういう生き方を否定しませんよ。
今回、班長やって更に上をと思ったのが、Aちゃんの影響強いようです。
Aちゃんを僕が本格的に売り出して、それにAちゃんが見事に応えて指示以上の結果を出してるのを見てて、俺も今からでも遅くないかもと思ったようです。
それは、Hだけで無くて他の人間も思ってるようですね。
こういう良い効果は素晴らしいですね。
しかし、AちゃんとHは、最初はHの女の子苦手って所からなかなか距離が詰まりませんでしたよ。
離婚して子供を育ててますが、昔離婚した奥さんと何度か話したんですが、Hの女性経験は奥さんだけのようです。
それだから、女の子にどう対処して良いのか分からないって出てましたよ。
ところが最近、Aちゃんも主要なメンバーや常務とは電話番号交換したようで、現場でも皆と色々話してます。
Hとも随分打ち解けました。
Aちゃんが、上手くHを引っ張って話しを最初は引き出してる感じでしたが、今では普通に仕事の事を話したり、冗談を言ったりしてますね。
時に、前に書いたようにじゃれててるのを見ると、ホウ、Hも女の子にやっと慣れたなと思いますね。
僕は、HとAちゃんが仲良くなるのは、営業に彼女に運転して貰って行きながら主要なメンバーとは連絡先を交換しろと言ってたから、良いことだと思ってます。
Aちゃんは、社員ですから主要な坑夫とどんどん仲良くすべきだと思ってますね。
ところが、こないだHが夜勤の時にAちゃんと二人で動いてて、彼女がちょっと電話なので良いかと言うのでコンビニで車を停めて、僕は車の中で待ってました。
私用の電話だろうと思ったので、特に突っ込まずにAちゃんが急いで戻ってきたので車を出しました。
Aちゃんが、今の電話はHさんですよと言ったから、あーそうなんだ。何かしらあったのかと聞きました。
Aちゃんは、しばらく考えてましたが、実は迷惑を受けてるとかで無くて、Hさんにたまに相談されてますと言い出しました。
僕は、何の相談だと聞いたけど、迷惑を受けて無いならプライベートですから無理して言わなくても良いよと付け加えました。
たまに昼間に掛かる位なら問題ないですからね。
するとAちゃんが、高山さんの友達でもあるHさんの事なのに気にならないんですか?と言うので、いちいちお互い大人なんだから気にならないと答えました。
しかし、Aちゃんの仕事に影響出るとかHの仕事に影響出るとかなら聞くよ、と答えましたね。
僕の立ち位置は、仕事に影響しなければ良いなんですが、Aちゃんに言わせたら薄情だと言います。
そんなに言うなら俺は、言わないからHとどんな話しをしてるんだと聞きました。
Aちゃんは、そういう風に言われると言いにくいですがと前置きして、言わないで下さいねと念を押して教えてくれました。
Hが、何を相談してたかを聞いて思わず笑いましたが、なるほどと思いました。
Hが何を相談してるかは、女性関係です。
他の現場に、四十代前半の離婚した女性が炊事婦として来てます。
この人は、今回が初めてですが、その叔母さんが同じ現場に居て誘われて来てます。
何度も会ってるけど、清楚な感じのきちんとした人で離婚してるけど、子供居ないらしくて若々しいです。
四十二とか三ですが、三十代に見えますよ。
最初は、僕に対して怖いってあったようですが、今では会うと愛想がとても良いし、僕が宿舎に行くとなんだかんだ出してくれます。
その他の現場の炊事婦さんが、時々こっちの宿舎に食材を持ってきたり、或いはこっちの宿舎にAちゃんのお父さんが差し入れしてくれた魚を取りに来たりします。
わりと近くに住んでるのと、車を乗るからそういう事は有りますね。
特にこのところAちゃんのお父さんが色々差し入れくれるから、なるべく他の現場にもお裾分けしてるようで繁々と来てるようです。
そこで、夜勤だったHが会ったらしくて、相手がたまたま話しかけて来てそこそこ盛り上がったようです。
お互い離婚してるし、年齢も良い感じですからね。
最初は、その女性の叔母さんは、僕とは何度も仕事してるから僕にその女性を軽く勧めてましたが、僕が全く興味を示さないから諦めましたね。
それに、Aちゃんに聞いてみるとその女性は、僕のようなの男としては苦手らしいです。
ずかずか入って来て炊事婦さんとか坑夫と笑い話しするのが、遠慮のない人に見えるらしいですね。
それを聞いて笑いましたけどね。
だって立場的に、そういう立場ですからね。
Hにとっては、その女性が僕のようなのが苦手ってのはチャンスですよ。
Hとは、仕事ではとても合うし、宿舎生活してても気が合います。
お互い年齢が一緒なのと、干渉しあわない所は、きちんとしませんからね。
しかし、女性の趣味とかは、まるで違いますし女性に対するのもまるで違いますからね。
Aちゃんが言うには、Hは一度会ってその女性に少し惚れたようです。
そして、何度か偶然会ううちに惚れたようです。
そこで、Aちゃんにどうやって口説こうかの相談です。
昔なら僕にしたでしょうが、僕が忙しいのと馬鹿にされると思ってるようですね。
確かに僕に言ったら多少馬鹿にするかもですが、Hが本気なら何とかしてやろうと思うんですけどね。
Hは、離婚後直ぐはあちこち口説こうと頑張ったけど、駄目でこの十年以上は女性関係の話って全く無かったですから、Hが惚れるとはって驚きも有りましたよ。
Aちゃんに相談してるのは、言いやすいだけで無くてやはり同じ女性だからでしょう。
Aちゃんが言うには、いずれ高山さんにも相談したいと本人は言ってるのと、私に相談するのは、もしかしたら高山さんに漏れても良いと思ってるからかもとの事です。
Aちゃんでワンクッション置いて僕に伝わる方が良いと考えてるのでは、とAちゃんは思ってるようです。
なるほどなと思いましたね。
Aちゃんは、信用出来るけど大抵の事は僕に話すって分かってますし、ワンクッション置いた方が話しやすいってのは分かりますね。
Hの場合は、若い頃から惚れたら遊びではないですから、その辺り慎重なのかもですね。
Aちゃんにそう言うと、確かにHさんは高山さんと比べて女性に対して真面目ですよと言うから俺も今は、真面目だよと笑いました。
しかし、Hが惚れててもまだケータイの番号交換さえしてないようです。
Hの事だからそうだろうなと思いましたね。
奥手ですからね。
Aちゃんに、アイツが恋愛してセックスしても入れ方忘れてないかそれが、一番心配だなと笑うと下品ですねと怒られたけど、Hは、そういうレベルなんですよ。
Aちゃんは、相談には乗ってるけど、私ではなかなか良い知恵が浮かばないし、Hさんなら真面目だし二人はお似合いだから何とかなりませんか、と僕に言い出しました。
僕は、そりゃ何とかしてやらないとなと言って、電話番号なら作業員名簿に載ってるけどそれは、使えないしどうするかなと思って、あー!その女性の叔母さんに俺が相談してくっけるように動いてよと言うよ、と答えました。
その女性の叔母さんは五十代の後半で、長い付き合いですから話しやすいです。
Hの事も良く知ってますし、これで行こうと言うと早速叔母さんのケータイに電話してAちゃんが、関わってるのだけふせて事の顛末を正直に話しました。
女性の叔母さんは笑いながらも、H君なら真面目だから何とかしてやりたいねと言いましたね。
そこで、思ったのが四月になったらうちの連中で焼き肉大会をするけど、そこに皆をなるべく呼ぶけど、その女性が仕事でも何とか出席させられないかなと言いました。
全部の現場を呼ぶのは無理なのですが、何とかその女性がその場に来てくれたら、Aちゃんと俺でくっけるように頑張るからと伝えました。
叔母さんは、それは良いね。
高山君だけだとくっつく物も壊しそうだけど、Aちゃんが協力してくれるなら何とかなるかもねとの事でした。
その女性は今は、誰も男は居ないし性格は良いから焼き肉大会に行くように言うよとの事でしたね。
Aちゃんは、僕の素早い対応に流石権力者でかつての女たらしと笑ってましたが、それが良いですねと言いました。
それと、焦らなくてゆっくり少しずつやって行きましょうとも言いました。
Hさんは、女性に対して真面目だし、せっかくですからねとの事です。
僕は、Aちゃんにいちいち俺と比べたような言い方するけど、俺も今は真面目だよと言い返しました。
Aちゃんは、Hさんは私に相談しながらもそういう事ではいつか高山さんに動いて欲しかったと思いますよ、と言うと笑いました。
結局二人は、未だにコンビなんですよとそこには、なかなか他人が入れないものが有るんですよとも言いましたね。
確かに今は、立場は違うけど、非常に苦しい現場でもHとならやれるって有りましたからね。
今の僕が有るのも、Hとの出会いは大きかったです。
今の反対の班長のCや、耳の悪いYやキックボクシングのEなどは、皆かつては、僕とHの下に付いてましたし、所長になってる人達の多くは、かつて僕とHと反対の班で戦った人ですからね。
僕一人では、とてもそこまで行けなかったけど、技術のあるHが居たから誰が来ても負けないって有りましたからね。
お互いが、お互いの欠点を補って長所を伸ばし合うようなコンビって、なかなか生まれないです。
当時、僕はHに二人なら全国でも負けないと言ってたらしいですが、息があって三十代であれだけやれたコンビは無かったと思いますよ。
全国でも負けないは、思い上がりですけどね。
Aちゃんが、これからは私とコンビですから、Hさんと高山さんのコンビ以上の何かを残しましょうねと言ったので、そうだなあと答えました。
軽く答えながらも違う形で二人のコンビは素晴らしいと言われるようにならないといけないと思ってますね。
Hに、現場で二人でタバコを吸いながら四月の焼き肉大会にその女性を呼ぶことを伝えると、相当狼狽えたような素振りを見せたから、Aちゃんにも相談しろよと言って去ろうとしました。
そしたらHが、仕事もプライベートも積極的になれたのは、あの子のお陰かもと言いました。
そして、お前があの子を社員に選んだのが今は良く分かるし、あの子は何かしら持ってるなとしみじみ言いましたね。
僕が、考えてる以上にHの行動にAちゃんの影響あるようです。
今回の女性の件も、Aちゃんの影響で四十代後半で何とか積極的になったのではと思いますね。
焼き肉大会でどうなるかは分からないけど、Aちゃんと僕とで協力すれば悪い方に行かないのではと思ってます。
Hとも勿論今でも友情は有りますが、Aちゃんとは、新しいコンビですからね。
奥手で恋愛下手なHが惚れたなら、何とかならないものかと思ってますよ。
おわり
次回は随筆「濡れる女子事務員14」
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