高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【357】

妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の
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【 随筆 】麻生太郎の発言への怒り

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随筆「パンティとチャンポンと笑顔」

2018/03/26
濡れる女子事務員シリーズ続けますが、ここで少し休みを取ってこないだ起こったちょっとした事を書きたいですね。

濡れる女子事務員シリーズはやはりもう少し続けたいし、その為にも少し気分を変えたいからです。

同じシリーズを続けてると、息が詰まるような感じがどうしてもあるからね。

こないだ起こったちょっとした事ってのは、本当にちょっとした事ですが、しばらく脳裏から離れませんね。

多分、三週間程前だと思います。

引っ越しも一応終えて、母を乗せて車を運転してました。

引っ越しの後の、色々な手続き等の為です。

昼になると母が、チャンポン食べたいからあそこに行こうと言い出しました。

母と外食は、今回の引っ越しで何度か続きましたが、それが無かったらなかなかしないと思います。

基本的に外食が苦手ですし、外食するなら自分自身で簡単に作るって感じですね。

今は、母と暮らしてるから特にそうですが、独り暮らしの時からですね。

例外は、甥っ子が行きたいとなった時だけですよ。

仕事では弁当食べてるし、ほとんど外食しません。

一つの理由として、パニック障害が有るのも有りますね。

突然襲ってくるから、知らない人が沢山いる所に出るのを極力避けますね。

仕事では先ず出ないけど、一応薬を持ってる程だからね。

それと、すっかり酒をほとんど辞めたから、その勢いで出るのも無いです。

まあ、この歳になると酒を飲んだ後にラーメン食べたいとかも無いけどね。

仕事の付き合い意外では、甥っ子が言わない限り極力外食避けてます。

パニック障害の人は分かると思うけどね。

しかし、その日は母が是非チャンポン食べたいと言い出して奢るからと言いました。

そして、チャンポンがとても好きだと言う事も言ってましたね。

初めて知りましたね。確かに家では良く作るなと思ってたけど、チャンポンがそんなに好きとは驚きました。

仕方ないなと言う感じで付き合いましたね。

父の病院の見舞い、引っ越し、兄の事と母が相当疲れてるの知ってるからなるべく最近は言うこと聞きますね。

そうして行ったのが、大手チャンポンチェーン店です。

個人的には、チェーン店ってのが、どんどん自動化されてて好きでは無いけど仕方ないなです。

行くとお昼時を少し過ぎてたけど、多くて色黒の外国人が案内に来ました。

僕は出来たら、喫煙出来る所でと行ったけど喫煙は外に灰皿が有るだけのようでした。

そして、多かったからかカウンターに案内されました。

あー!面倒と言うか、人が混んでるから嫌だなあです。

ポケットから安定剤を少し出して飲みましたね。

この引っ越しの期間、いかに安定剤に頼ったかですね。

仕事ならパニック障害は、ほとんど出ないけど仕事以外だと出ますからね。

そうしてチャンポン定食のようなのを頼みました。正直どんなのが来たのかほとんど覚えて無いけど、量の多いのに驚きましたね。

僕は、トンネル屋ですから習性で朝御飯は沢山食べるけど、昼は控えめにしか食べません。

昼から動けなくなるから、坑夫時代からの癖ですね。

餃子か何かも付いてて、チャンポンも多くてご飯ですからね。

母も多いなあと言いながらゆっくり食べてました。

ふと気付くと横に小柄な老人が座ってました。

キャップを被り、黒いズボンにビニールのジャンパーを着てましたね。

キャップから覗く髪は真っ白で、横から顔を見ると深い皺が顔に刻まれてました。

しばらく、何となく気にしながら食べてると、母よりもゆっくりゆっくり食べてました。

そして、にこやかな顔をしてるように感じましたね。

とても大事そうに同じチャンポン定食を食べながらも、それを楽しんでる感じでした。

僕は、途中でお腹が一杯になって滅多に出された物は残さないんですが、その日は残しました。

その後も引っ越しの事も有るし、仕事も有ったから眠くなるのも嫌でしたからね。

その頃、忙しくて睡眠不足が続いてましたからね。

少し母の様子を見て、店内のトイレを探して行きました。

まだ、昼から忙しいから今のうちにオシッコしておこうと。

店内が混んでて、パニック障害が出ないかヒヤヒヤしながらトイレに行くと、母に外で煙草を吸ってるからゆっくり食べてと言うと慌てて店から出ました。

パニック障害が出そうだったから急いで外に出ると、灰皿が置いてある所に座り込むようにしながら煙草を取り出して吸いましたね。

少しだけ暖かったけど、まだまだ冬でした。

僕は、ポケットを探ると小銭があったのでラッキーと思い、自販機に行って缶コーヒーを買いました。

コーヒーと煙草だけは、本当に辞められないですし組み合わせは最高です。

ジムジャームッシュの映画に「コーヒー&シガレット」って有るけど、タイトルだけで最高ですよ。

中身も僕は好きですけどね。

缶コーヒーを飲みながら煙草を吸ってると、さっき隣の席に居た老人が灰皿の所にいつの間にか来ました。

小柄なのでスッといきなり現れた感じで驚きましたが、老人はこちらを向くとにっこり笑いました。

前から見ると想像した以上に、年齢を重ねてるなと思いました。

父が入院してて七十代の半ばですが、この小柄な老人は八十代かもと思わせましたね。

老人は、ショートホープをゆっくり取り出すと大事そうに吸い始めました。

本当に大事そうに、ゆっくりゆっくり吸ってましたね。

僕の方を見ると、ラッキーストライクか美味しいよねと、笑いながら話しかけて来ました。

その笑顔が、何とも言えない笑顔で圧倒されましたね。

何と言うか、全てを包んでしまうような笑顔でした。
 
冬の寒さも僕のパニック障害も、全てを包んでしまう感じです。

こういう笑顔は、若い人には出せないですね。

僕の経験では、親戚の亡くなったおばさんがこういう全てを包んでしまう笑顔をしてました。

僕は、老人に曖昧にそうですねとだけ答えました。

一ヶ月に一度こういう所に来て食べるチャンポンは旨いねえと老人は勝手に話し、また煙草の煙を出しながら笑いました。

老人の格好は、明るい所で見ると少しみすぼらしい感じでした。

被ってるキャップも黒のズボンも、全てが古くなってるのが分かりましたね。

僕は、勝手に妻に先立たれて年金暮らしをしてる老人と思いましたね。

多分、当たってなくても近いものがあったのではと思います。

ショートホープを大事そうにポケットにしまいながらそれにしても、相撲も政治もどうなってるのかねと言いました。

僕は、いきなりそういう話題に行ったので驚きながらも、そうですねとだけ答えました。

老人を見るとやはり笑顔でした。

老人と僕の前を、凄く短いスカートの外国人の若い女性が早足で通りました。

あれじゃパンティ見えるね、と老人が笑いました。

続けて、パンティって言葉良いよなあと言って笑いかけて来ました。

いやらしさの無い笑いでしたね。

僕も思わずつられて笑いました。

どのくらい振りに、こうして笑ったかなと少し思いましたね。

老人は、直ぐ側の駐輪場から自転車を出すと乗って笑顔を見せながら、頭を軽く下げると去って行きました。

老人が去ったと言うより、暖かい笑顔が去ったのを寂しく思いましたね。

そして、ふと思いました。

多分老人は、生活は楽では無くてたまの外食を楽しみにする程度なのでしょう。

それでも、ああいう笑顔が出来るかとなると自分自身には無理だなと思いましたね。

僕も入院してる父も、笑顔が苦手なタイプで知らない人からは、怒ってるのかと良く勘違いされました。

笑顔を出すと何かしら不自然なのが、自分自身でも分かってるから更に笑顔が出なくなりました。

入院してる父は、ほとんど今ではまともな反応は有りませんね。

父とは、何かしらぶつかりお互い何時もしかめ面をしてるような状態でしたが、かなり前に僕が古着屋で見つけた米軍払い下げのコートを着てると、暖かいだろうと言ってきて僕が笑って暖かいと答えた事が有りました。

それを、その日のうちに母に話して、僕が久しぶりに子供の時のような笑顔を見せたと喜んでたらしいです。

当時、それを聞いて父は、僕が笑うのがそんなに嬉しかったのかと驚きましたね。

僕も父も素直になれないタイプで、お互い嫌っては無いのにしかめ面でした。

今度、病院に見舞いに行ったら父にこの話しをして、父が意識がはっきりしてなくても父に笑いかけようと思いました。

それと老人が、外国人の短いスカートに対してパンティが見えそうと言ったのも伝えてやろうと思いました。

たとえ調子が悪くて分からなくても話してやろう、遅くはないと思いました。

老人の笑顔のお陰で、色々な思いが駆け巡りましたね。
 
そして、ああいう笑顔が出来るかなと真似をして見ましたが、無理でした。

真似をした自分自身に、苦笑いを浮かべました。

そして、口の中でパンティとそっと呟きました。

少しだけ、老人に近づけたような錯覚を覚えましたよ。

おわり

次回は随筆「濡れる女子事務員13」

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