高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【344】

妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の
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随筆「ガーターベルトの女 番外編3」~「電話帳」

2018/01/22 未分類
久しぶりの「ガーターベルトの女」の話しです。

タイトルをどうするかは、後で決めます。

「ガーターベルト」シリーズは、色々錯綜してるから難しいけど、まあそこは気楽に考えて下さい。

何故、今これを書くのかは、様々な要因が有ります。

一つは、父の入院です。

見舞いに行くと、どんどん弱ってるのが分かります。

僕は、父の血が最も濃く入った息子だと思うから簡単には色々言えませんが、非常に落ち込み、悲しいです。

父の事は、僕にしか分からない部分が沢山有りますし、人にどうこう言われたくないですが、親戚の一部は色々言いますよ。

そうして、父の事から我が家は引っ越す事になって、今は物件を見ながら部屋を片付けてます。

片付けの苦手な僕は、苦労してますね。

そういう時に、昔の電話帳が出てきました。

今も電話帳を持ってますが、今は完全に仕事用になってます。

そこに書かれてるのは坑夫と業者の電話番号や住所です。
 
基本的にスマホが駄目になっても人を集めるのに、これを使うから大丈夫です。

今回出てきた電話帳は、若い頃の電話帳で大量に落書きやメモ書きが残ってました。

僕は、メモ魔なんですよね。

今でも後から読むと意味不明な事や分かる事をあちこち書いてますね。

しばらく古い電話帳を見てたら、色々思い出しましたね。

昔は、こうして皆電話帳を持ってたんですよ。

色々思い出した中に「ガーターベルト」シリーズのMの事も、沢山書かれてました。

多分、女性では一番メモ書きが残ってますね。

それほど彼女を好きだったのでしょうね。

意味の分からない事も沢山書かれてました。

男性では、死んだヤクザのAの事が一番書かれてましたが、簡潔ですが本人が書いた文字や落書きも有りました。

ボロボロでしたし、捨てる事にしましたが、「ガーターベルト」シリーズは自分自身が二十代の頃に最も愛した女性と、死ぬまで友達だった男の話しです。

特に、二十代の頃の三人には、誰にも入れないような聖域があったような気がします。

そういう訳で、一つの電話帳からエピソードを思い出したから久しぶりに「ガーターベルト」シリーズ書きます。

その日は雨でしたね。

何時ものように友達のAとMの店で飲んでたら、Mの事が好きで貢ぎ物までしてた中年の医者が入って来ました。

僕が一人なら、頃合いを見て大抵店を出るんですが、Aが居たし客も少なかったから何となく居座りました。

Mもここで、その医者と二人にしないでと言う感じの視線を、こっちに送って来ましたね。

僕とAは、飲みながらくだらない話しをしてたと思います。

今度は、何処に遊びに行こうかとか、同い年のあいつに街で会ったけど変わってたとか、そういう話しですね。

勿論、AもMも好きな映画の話しもしてましたね。

Mは、僕らの相手もしてたけど、主に医者と話してました。

僕らは放って置いても良い状況でしたからね。

少し経つと、いきなり扉が大きな音を立てて開きました。

そこには、五十代から六十代前後の男が雨に濡れて立ってました。

男が着てるTシャツやズボンは汚れてて、髪も長く白髪混じりで無精髭も生えてました。

微かに、少し離れてても異臭がしました。

Mは、それを見ると冷蔵庫から瓶のコーラを出して栓を抜くと、その男に渡しながら言いました。

「お酒は駄目だし本当は追い返すけど、それを飲んだらそこにある傘で黄色いのを持って出ていってね。」と言いました。

ホームレスでした。

ズボンのポケットから古い長財布を出すと、飲むお金は有ると吃りながら言いましたが、Mがピシャリと言い返しました。

「アル中でしょ。うちではそういう人にお酒は出さないし、コーラで我慢して出ていって。」

ピシャリと言いながらも、何処かしら優しさが有りました。

男は、コーラをゴクゴクと一気に飲むと、口の中で小さい声でもう一本、と言いながら瓶をそっとカウンターに置きました。

Aや僕は、その男を飲み屋街で何度か見てました。

大抵、店に入れて貰えないか入れて貰えたら先払いで、静かに強い酒を飲んでました。

Aが、コーラをもう一本俺が奢るからおじさん、ここは帰りなよと丁寧に言いました。

僕は、ただ見てるだけでした。

医者の客は、不快そうな顔をして水割りを飲んでましたね。

Mは、もう一本コーラを出すとその男に渡しました。

男は、コーラをまたもやゴクゴク飲むと瓶をカウンターに置くと、黄色い傘を持って出ようとしながら小さい声で、ありがとうと呟きました。

男が出ると医者の客が、乞食が何でうろうろしてるんだ。

Mちゃん、良く来るのかと聞きました。

Mは医者の客に向かって、色々あるのよとだけ言いました。

突き放すような言い方でしたね。

そして、こっちに来て突然、最近観たテレビの映画の吹き替えが酷かったと笑いながら言いました。

医者の客は、気に入らないようで、乞食なんかに優しくしくしても何の得もないのに、と大声を出しました。

少し酔って来てるように見えましたね。

Aが、乞食とか今は言わないんだよ。医者ともあろう人が良く言うよ、と言い返しました。

医者の客は一瞬ビビったようでしたが、ビビった自分自身に腹を立てるように、乞食に土方にチンピラヤクザか、と大声を出しました。

皆、医者を全く無視してました。

Mが勝手に曲を選ぶと、これを歌えるでしょうと僕らにマイクを渡すと、一緒に歌ってと言うと曲がかかりました。

さだまさしの「防人の詩」でした。

当時、若かった僕らにとって八十年代初めのこの歌は凄く古いように感じたのと、さだまさし=暗いとかフォークとかダサいとかあったから、まさかMがこれを歌うと思いませんでしたね。

しかし、歌い出すと非常に上手く歌詞がしみじみと滲みるようでした。

Aが上手く被せるように、一緒に歌い始めました。

Aは、歌うのが好きで無かったから驚きましたね。

二人で歌う「防人の詩」はとても良いものでした。

曲が終わるとAとMが、良い曲だなと言いました。

僕は、良いとは思ったけど、AとMの知らない部分を何故か見たようで驚いてました。

Aは、僕に今度はお前も歌おうと言うと、今日は悪いけど帰ると言って席を立ちました。

Mがお金の計算をすると、Aは医者の客を指すとこの人の分もと、一万円札を出しました。

つりが、あっても良いよと言いながら店を出ながら、医者の客の頭を思い切り平手で叩きました。

人間なんて何時乞食になるかは分からんよ、と医者に言うと店を出ました。

医者の客は、驚いたのと怒りで顔が真っ赤でしたが、Aを追いかける度胸も無かったです。

Mは、医者の客を相手にせずに僕の前に来ると、またもやこないだ観た映画の吹き替えが酷かった事を、笑いながら話しました。

そして、僕にもあの歌を覚えてと言うと、ああいうのもたまには良いし私は好きだな、と笑いました。

Mは、流行を追うのが上手かったので意外でしたね。

医者の客はもう今日は帰ると言うと、お金はあのチンピラが払ったんだなと言いながら出て行きました。

しばらくMと二人で飲んでると、若い客が三人程ワイワイ言いながら入って来ました。

この店古いなあとか昭和かよと言いながらも、こういう所に美人が居るんだなと、Mに言いましたね。

初めての客のようでしたね。

かなり酔ってるようで、Mが何にしますか?と聞くと、貴方の電話番号とか言ってました。

Mは、面倒そうな態度を相手に分かるように出しましたね。

すると、一番身体の大きいな若い客が、お姉ちゃん舐めんなよと立ちました。

Mは、舐めてもママの味がまだまだするんじゃないの、と返しました。

身体の大きな若い客がMの胸ぐらを掴みかけましたが、Mはすっと避けるとあっちのお客様に迷惑だから帰りなさい、と強く言いました。 

身体の大きな若い客と他の二人が、僕を見ました。

良く見ると、まだ未成年ではないのかと言うのも混じってるようでしたね。

僕は、自分自身の頭の中の何かが弾けるのが良く分かりました。

相手に向かってにこやかに手を振りましたね。

すると、舐めてるのは姉ちゃんだけじゃなくておっさんもか、と言ってきました。

当時、二十代の半ばの僕におっさんはないだろうと思いながらも、イラつきが何故か有りました。

ホームレス、医者、Aの態度、何かしらその日は、歯車が狂ってるように思ってたからかも知れないです。

僕は相手の方に行くと、外に出ろと大きな声を出しました。

Mは、貴方達この人知らないのと笑いました。

一人が僕の高校の後輩らしくて、あ!っと言う顔をしました。

高校の名前を出したのと、剣道部のキャプテンだったかと聞いて来たので分かりましたね。

高校では、有る事件からそこそこ悪い事で有名になってしまってました。

高校の後輩は、身体の大きいリーダー格にあの人はヤバイよと言って止めましたね。

しかし、相手は表に出ようと扉を開けたから、僕は店の椅子を持ち上げると相手の頭に目がけて振り上げて打ちつけました。

相手は、相当驚いたようでしたね。

ダメージは、何処かを軽く切ったようで血が出る程度でしたが、椅子で殴られると思って無かったようです。

僕は、そのまま相手を外に出すとボディに二発、三発、四発殴りました。

相手は、うずくまるとごめんなさいと謝って来ましたが、顔を蹴りつけて早く帰れガキがと言いました。

僕の中に、何かしらの苛立ちが強く有りましたね。

若い連中は、逃げるように走って行きました。

身体は大きいけど、まだ子供でした。

店に戻ると、Mに俺にもコーラを頂戴と言うと、少し違う所で今日は飲むから後で合流しようと言いました。

Mは、分かったけど余りイライラしても仕方ないよ、とだけ言いました。

コーラを飲みながら知ってる店に行きましたが、いまいち盛り上がらずに酒も酔いが回りませんでした。

僕は、そのまま歩いて駐車場に行くと、Mと良く待ち合わせてた人気のほとんど無い場所に車で移動しました。

車の中でCDを聞きながら待っていると、Mの車が横に付けて来ました。

Mは、助手席に乗り込むとコーラをバックから二本出して、今日はコーラの日だねと言いながら僕に跨がりました。

Mの柔らかい脚と尻を感じると、少しだけ勃起しました。

Mは色々有るよね。多分この先は、もっと色々有るのかもねと言いながら、コーラを開けると飲みました。

今までも色々あったのを考えたらこの先も色々あるよ、とまた僕を慰めるように言いました。

そう言いながらもMは、腰を使って上に乗ったまま僕を刺激しました。

その日のMは、ミニスカートでしたが、ガーターベルトはしてなくて直接パンティがジーンズに当たりました。

ジーンズごしでもMが濡れて居るのが分かりましたが、僕のモノはMに対してなら百二十パーセント勃起するのに、その日は七十パーセント位しか勃起しなかったです。

Mは、それに気付くと僕に、色々有るけど私のコーラを唾と一緒に飲んだら元気か出るよと言うと、口移しでコーラを唾を入れて来ました。

Mの舌はそのあとも僕を慰めるように、いやらしく優しく口の中で動きました。

僕のモノは復活し始めました。

今日は、何があったと言うわけでは無いが、何かしら歯車が上手く回って無かったのが、Mの舌と唾とコーラで気持ちを切り替える事が出来ました。

Mは、素早く僕のジーンズを脱がせると、自分自身のパンティの間から挿入しました。

今日は中で良いからと言うと、妊娠したら結婚しようと笑いました。

そうしてしばらく動くと、僕はいくつもりは無かったのにMの中でいってました。

Mのあそこが、精液を飲み込むように収縮するのが分かりました。

Mがキスを何度も繰り返すと、機嫌直った?と言いながらゆっくり僕の上から降りました。

そして何度か二人で抱き合うとMがしっかり、しっかりと繰り返して言いました。

僕は、自分自身の頬を暖かいものが流れるのが分かりました。

Mの胸で泣いてましたね。

Mは、「防人の詩」を子守唄のように歌いました。

美しくて優しいけど滲みる感じでした。

その後、僕もAもMも色々な予測出来ない事に出合います。

Aは、この世にもう居ません。

僕は、歳と共に「防人の詩」をカラオケで歌うようになりました。

昔は、ダサいと思ってたものがしみじみ分かるようになりましたね。

今では炭酸系のジュースは滅多に飲みませんが、今度久しぶりにコーラを飲んでMを思い出そうと思ってます。

Mが、色々有るけどしっかり、と言ってくれるような気がします。

今年で五十歳になる僕は、Mも何処かで四十八歳になるのかと思うと時間の経過を思います。

しかし、MやAが僕に残してくれた物は大きく、未だに残ってます。

電話帳は捨てたけど、捨ててもそれは消えないです。

電話帳に書かれて居たメモ書きには、Mが僕にしっかりと言ったと書かれてて、横にコーラと書かれてます。


おわり


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