高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【353】

妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の
映画化芝居化・・・その他いろいろ作品化できればなんでも
なんて途方もない夢を観ています

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無名魂~高山のブログ
【 随筆 】小泉今日子の生き方

高山の作品から

随筆「濡れる女子事務員 9

2018/03/12
濡れる女子事務員シリーズと言うか現場全体を本来は、描きたいですが、まあ、なかなかそれは、難しいです。

終わると言ってたシリーズですが、もう少しAちゃんとその周辺を書きたいですね。

何故かと言えば、やはり彼女が急速に変化して成長してるからです。

これには、僕自身驚きと、やはりなと言う二つの感情が有りますね。

彼女ならどんどん変わるだろうと思ってましたからね。

現場では、僕に付いてトンネル内になるべく入れてます。

これを坑夫達が嫌がりませんからね。

他の現場にも連れてってますが、そこでも嫌がられてないです。

これは、僕の権力の下に居るからと言うよりも、格闘技大会でAちゃんの評判は一気に上がりましたよ。

元々、他の現場の連中もAちゃんの噂は聞いてて、会いたがったり評判は良かったです。

何故評判が広がったかは、一番は、炊事婦さん達が認めたからです。

炊事婦さん達の横の連絡網は凄いからね。

彼女が駄目なら、炊事婦さん達厳しいから認めないですよ。

それに炊事婦さん達は、おばさんと言えども女性ですから
更に見る目は厳しいです。

女性同士ですからね。

しかし、今では現場のご飯を食べて、時には炊事婦さん達が使う風呂に入って洗濯もしてもらってます。

それは、炊事婦さん達からあの女の子があんなに頑張ってるのだからと、自主的にやってくれてます。

どうしても汚れたり汗かいたりで、男より着替えが多いから僕からお前は、一日何回着替えてるんだと怒られながらも、本人が着替えないと嫌なんでしょうね。

洗濯も多いけど、自分自身がやると言うのを炊事婦さん達に止められて、やってもらってますよ。

そこから色々な情報が回って、坑夫達もそれならトンネル内に入れても良いかになりましたね。

僕の権力だけでは、こうは行かないです。

やはり、女性が貫通してないトンネルに入るのを嫌がるの僕でも分かるからね。

格闘技大会プラス炊事婦さん達が推したから、他の現場でも反発がなかったんでしょうね。

営業にも今では付いて来てます。と言うか、僕が来いと言って来てますよ。

その時はスーツです。なかなか決まってますよ。

イメージ変わりますが、考えたら最初の頃はスーツで来てたのに、あっという間ですね。


色々言う人も出て来てるし、反発も有りますが、少なくともそれは、うちの人間からは無いですよ。

うちの連中も最初からオーケーでは無かったけど、特に今の現場は彼女の働きを見ててオーケーになりました。

それが、他の現場にも波及したんですね。

まあ、とにかく良く動くし、自分自身で仕事を見つけてやってますからそりゃ認めざるおえないですよ。

僕が一坑夫だったとしても最初は、反発して見ててオーケーしたでしょう。

今回は、そういう彼女のお父さんの話しです。

お父さんとは、家に呼ばれて二度ほど泊まりがけで飲みました。

仕事の話しも含めて、一度きちんと娘さんの事に対しての説明をしたかったからです。

二度目も仕事が絡んでます。

久しぶりに楽しく飲んで寝ましたよ。

こないだの格闘技大会でも、大量の人間に魚や汁物を出した人ですね。

彼女が十代の時に母親を亡くして、父親一人で育ててます。

一時的に、おばあちゃんの所に預けたりはあったらしいですけどね。

今は、完全な漁師ですが、景気の悪い頃はトンネルにも行ってますからね。

現在五十代後半のお父さんが、言うには急に魚が捕れなくなった時期が有るらしいです。

潮の流れが変わったとか、護岸工事のし過ぎとか色々な説があったようですが、未だにはっきりしないそうです。

それで、稼ぐ為にトンネルに行ったのが四十代前半の頃らしいです。

Aちゃんが十代の頃ですね。

五年ほどあちこちの現場を回ったようですが、主に東北から北海道方面に行ったらしいです。

知り合いが居たのと、そっちの方が稼ぎが良かったからとの事です。

確かに十数年前には、東北や北海道の方が稼げたんですよね。


しかし、免許関係を最低限しか持たないトンネルに関しては、素人のお父さんはなかなか切羽、つまり掘削班には入れなかったようです。

それでも、パワーショベルの免許と発破技士の免許と色々取ったようです。

これは、娘も知らなかったらしいけど、最近僕に話してくれましたよ。

免許取っても結局、雑工とかコンクリート班にしか入れずに、たまに掘削班に呼ばれる位だったようです。

そりゃ仕方ないですね。僕らは二十代からこの世界に居ますからね。

四十代の新参者に、なかなか良い所が来ないのは仕方ないですよ。

そういう中で、一人だけ非常に世話になった人が居ると聞きました。

お父さんより五才か六才年上で、同じ県の出身で手の指が幾つか無かったらしいです。

お父さんが、重い物を必死で運んで坑内に入れていたら、笑いながらそんなのこれでやれと、パワーショベルで吊って持っていってくれたらしいです。

掘削班の一人でしたが、とても腕が良くて世話になったと言いました。

しかし、普段はその人は周りとの接触を極力避けてるようでお父さんには、今、手続き中だからとだけ言ったらしいです。

その話しを聞いてピンと来た人が居て、こういう風貌ですかと聞きました?

そしたら当たってましたね。

僕の父の会社があった頃、最も仲の良かった坑夫ですよ。

そして、この人が現場で時間が出来ると、僕にダイナマイトの仕掛け方を機械を使いながら教えてくれた人です。

一緒に何度も飲みに行きましたし、色々教わりましたね。

良く言ってたのが、お前は努力するし良いけど直ぐカチンと来たら喧嘩するから、殴られるなら殴らせろと言ってました。

それでお金を取れと言ってましたね。

それと、とにかくトンネルでも今のトンネルは機械が主役だから、体力を温存して楽をしろとも言いましたね。

無駄に動くなとね。それは、当時の僕がとにかく何を運ぶのも自分自身でやってたから、極論をわざと言ったんですよ。

お父さんが言われたように、僕も同じようにパワーショベルで運んで貰った事が有りましたからね。

この人が、ダイナマイト発破に関しては、徹底的にやり方を教えてくれたし、機械の乗り方もあらゆる機械に自分自身が、膝の上に乗せてでも教えてくれました。

会社が倒産した時には向こうからケータイに電話があって、困ってるなら今幾ら要るんだと言われて、多分二十万円程振り込んで貰いましたね。

まさか、作業員からそんな事をしてもらうとは思いませんでしたね。

返さなくて良いと言われましたよ。

会社が雇ってた坑夫からそういう援助を受けたのは、この人だけですし、自ら言ってきたのも勿論この人だけですよ。

しかし、子供が沢山居たその人は、所謂振動病を不正で取って五十代で引退して、不正が何人もばれる中で一家で姿をくらませました。

Aちゃんのお父さんが会った時期は、手続き中とは振動病の手続きしてたんだと思います。

今では、地元に戻っても居ませんからね。

しかし、同じ人に助けられたのかと驚きましたね。

その人は、とにかく一生懸命やってる人には、何らかの手助けしないと嫌って性格でしたね。

僕の父の会社の時には四十代半ばでしたが、ナンバーワンの班長でしたよ。

僕が、凄い腕が良いと言うとお前は、全国をまだまだ知らないからそういうけど、全国に出たら俺なんて、ABCで言うとC級の坑夫だと良く言ってましたね。

それと、三十代の頃が全盛期だったとも言いましたね。

僕にも、お前がいずれトップに立つようになれば、なるべく三十代を使えと言いましたよ。

これが、自分自身四十代で一坑夫を辞めるきっかけにもなりましたし、自分自身が管理者になっても、若い連中を使うきっかけにもなりましたね。

お父さんと、その人こういう名前でしょうと言うと、当たったって盛り上がりましたね。

お父さんいわく、最後にトンネルを辞めるきっかけは、その人の言葉らしいです。

今からやってても、所詮雑工かコンクリート班で儲けも大した事はない。

それなら貧乏しても、子供の側に居てやる方が良いのではと言われたらしいです。

そういう本人は、振動病の不正受給して逃げたんですが、それは、結果論です。

やむ無く振動病の不正受給を受けた人は、沢山居ますからね。

お父さんが初めて僕と会った時に、その人の雰囲気に似てると思ったと言われて、え!?あの人、相当人相悪かったですよと笑うと、雰囲気だよとお父さんは言いましたよ。

僕にとっては憧れの存在でしたから、そう言われて笑いましたが内心は嬉しかったですね。

今では、行方不明ですが、共通の人がある種の恩人とは驚きました。

それと、やはりあの人は色々言う人も居るけど、自分自身にとっては恩人だなです。

Aちゃんもその話し聞いて、お父さんが発破の免許持ってるのも驚いてたけど、共通の人がそういう風に良くしてくれたって凄いですね、と言ってました。

共通の人は、他にも何人か出てきましたよ。

僕に対する噂は、悪い噂もあったけど、良いのも多かったとの事です。

お父さんが、酔って話すのを聞いてると娘が二人居るんですよね。

Aちゃんの三才上にお姉さんが居て、結婚して子供も居るそうです。

当時の事をお父さんが言うのを聞いてたら、一番心配だったのはAちゃんだったようですね。

二人娘が居るけど、贔屓とかでは無くてどっちかに肩入れしてしまうもんだよと言ってましたし、当時は、特にしっかり者のお姉さんに寂しがり屋の妹ってイメージだったらしいです。

僕は、それを聞いてえ!?Aちゃんもしっかり者でしょうと言うと、今は随分変わったけど、やはりお姉さんの方がしっかりしてるらしいです。

それに、最初はトンネルの現場の事務員のアルバイトって聞いて、トンネルはなあと少し反対したらしいです。

しかし、Aちゃんのアルバイト以外での前職は化粧品会社で大きな所でしたが、そこで相当パワハラにあってAちゃんは、心をお父さんにも閉ざしたらしいです。

辞めてからは、アルバイトを転々としてたらしいですが、ある程度は話しをしても今のようでは無かったらしいです。


トンネルのアルバイトの事務員をやり始めてしばらくしたら、色々話すようになったようです。

そこに、管理職でも有るけど、来たら相当激しい口調で皆に檄を飛ばしてる僕も出てくるようになったようです。

Aちゃんと直接意識して話したのが、何かは僕は覚えてないですが、Aちゃんいわく、何時も来ては怒ってたけど、ある時トイレに行ったらありゃ何だと、僕がうちの所長に言ったらしいです。

それで、トイレを綺麗にしようと思ったらしいです。

それと、自分自身が持ってきてるお菓子の甘いのを、良く貰うよと言って勝手に取ってたらしいですね。

その辺りからこの管理職の人は面白いなと観察してたらしいですが、年齢を作業員名簿で見て、え!?年寄りじゃんと思ったようです。

私服で行くこともあったから、行ってても四十代前半だと思ってたようですね。

それと、坑夫に怒るけど、かなり面白がってじゃれてるのを見てて笑えたようですね。

まあ、坑夫にイタズラのように後ろから蹴るとか首を絞めるとかやりますから、それが、子供ぽくって笑えたらしいです。

そうしてたら、トイレや休憩所の事を僕が誉めたらしいです。

僕は、はっきり覚えてないですがね。

Aちゃんの方もきちんと覚えてる訳ではないようですが、全ては流れるべくして流れが出来たのではと最近は思いますね。

そういうのを、お父さんにどんどん話すようになったようです。

お父さんから見たら、とにかく娘がこれだけ話すようになったのはどのくらい振りだろうと、喜んで聞いてたらしいです。

それが、どんどん色んな事が次々起こってこりゃ娘は、どうなることかと一時は、心配したようですが、現場に行ってみて僕に会ったり雰囲気を感じて、これなら大丈夫だなと思ったとの事です。

お父さんにとっては、今でも寂しがり屋の次女なんだと僕には言いましたね。

だから、娘をどうにでもして良いけど、色んな意味で可愛がってやってくれと言われました。

鍛えるのも良いし何処に連れて行くのも良いけど、この子に孤独と言うか寂しい思いはさせないで欲しい、と言われましたね。

この辺りは、親ではない僕には難しいですが、何となく言いたい事は分かります。

相当Aちゃんもお父さんも酒は強いけど、Aちゃんがトイレに行ってる時にお父さんから頼むと言われたのと、あんな風に明るくしてくれてありがとうと言われたのが印象的です。

やはり、男が一人で娘を育てたんですから特別な物が有るんでしょうね。

最近は、僕と電話番号交換してるから何かと直接電話が有るけど、特に問題なくて挨拶だけとかも多いですよ。

お父さんは、身長一メートル八十センチ越えてます。

格闘技大会で優勝した時は、ごついお父さんが自然に僕を肩車しましたね。

身長が高いのとか顔とか良く見ると、Aちゃんお父さんに似てますね。

それと、飲みながら話してて、思い出して笑った話しが有りましたね。

格闘技大会の、決勝の二ラウンド目に行く時の僕は異常でした。

セコンドに居た人とか僕の応援に来てた人に向かって、勝ってくると何度も言ったようです。

そこで、Aちゃんのお父さんが、勝たないと娘を自由にさせないからなとわざと言ったらしいです。

それに対して僕は、うるさい。勝つに決まってるし、自由にするとかしないは、おっさんが決めるんじゃなくて俺がきめるんだよ、と言い返したらしいです。

僕は、覚えてないですが、親子は覚えててあれを聞いた時は、頭大丈夫かなと思ったのと思わず笑ったらしいですね。

しかし、世間は狭いね。お父さんが最も世話になった坑夫が、僕にとっても非常に重要な人だったとはね。

Aちゃんの育ちの良さのような物は、お父さんの教育の良さでしょうね。

今後も、仕事の繋がりも出来そうなので付き合いが続くでしょうが、本も沢山読むしお互い色々趣味が合うから面白いです。

それに、男気のある人なので嬉しい出会いですね。

今時、どんどん男気のある人が減ってますから、こういう人と出会えて良かったですね。

長い付き合いになりそうですよ。


おわり

次回は随筆「濡れる女子事務員 10

「ガーターベルトの女」~映画化のために​

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