高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【363】
妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の
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【 随筆 】「女帝 小池百合子」石井妙子著〜私感
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随筆「濡れる女子事務員~外伝・血まみれの男篇
2018/04/22
Aちゃんの番外編として色々な人を本当は取り上げたいですが、やはり分かりづらいだろうですね。
それと、こんなに長く書くと思ってないから、Aちゃんとかアルファベットですから分かりづらいのに拍車を掛けてるかも知れないですね。
この番外編を書いたら、最後をまとめを書いて終わります。
女性が、男のハードな世界に入ってくるってのは相当度胸も居るし、周りの理解がないと難しいです。
しかし、やはりもう平成も終わりですよ。
女性が入る事によって、良い事も沢山有りますね。
前にも書いたかも知れないけど余談ですが、映画『ドリーム』ってのを最近観たけど、NASAでのソ連との宇宙競争の頃に、黒人の女性がいかにして地位を獲得するかって話しです。
実話を基にしてます。映画としては綺麗に描かれてるけど、そこには相当な差別や偏見があったと思います。
ケビン・コスナーが良い役をやってます。
日本は単一民族と勘違いされてるけど、単一ではないですね。
しかし、人種の坩堝のアメリカに比べたら多少は楽なのかあとも思うけど、逆にそういう戦いを見せるのに馴れてないですね。
なんと言うか、組織の硬直を日本には感じますね。
相撲協会等は、その最たる物でしょうね。
多数の人がAちゃんを認めてる反面、相当な反発も他の所から聞こえます。
それは、聞くに耐えない事を言う人も居ますが、僕の仕事の連中は味方です。
しかし、出来る人なら女性だろうと障害が有ろうと関係ないです。
それにAちゃんは、予想を遥かに超えて伸びてますからね。
私自身が、怪我を負いながらもやって来ましたからね。
時には、相当酷い事も言われましたが、常に戦いだと思ってましたし、今でも思います。
仕事を離れたら、全然駄目な人間ですけどね。
このところ、Aちゃんとは半日以上一緒に居ますから、彼女から何かと色々言われますね。
例えば、誰かに注意したとすると後から、高山さんの注意のやり方は上から目線だとか傲慢だとかね。
思わず笑いますが、時には、あ!そうだなって有ります。
それに彼女いわく、高山さんには色々言えるし色々言え、と言ったらしいです。
本人の僕は、色々言えと言ったのは覚えてないけどね。
まあ、僕から良い所を取れば良いんですよ。
僕が、常務の下に付いてた時がそうでしたからね。
それにしても、時々生意気にとなりますが、上手くあしらわれますね。
その辺り、女性ならではの上手さが有るようにも思います。
柔らかさと言うか、そういうのが有りますね。
今回取り上げるのが、Aちゃんの居た所のコンクリート班の班長です。
今は、一つの現場だけで無くてあちこち僕と行ってるからね。
コンクリート班の班長は五十代の半ばです。仮にDさんとしますね。
かつて、僕が掘削班の時に途中から入って来て一緒に仕事をしたし、反対の班の班長になって仕事を競った事も有ります。
今でも、他に会社に行けば充分掘削班でやれますが、自ら掘削班から身を引きましたね。
色々な意味での限界ですね。体力的な限界では無いんでよね。
体力的には、コンクリート班の方が必要ですからね。
なんと言うか、勘のような物が鈍るんですよ。
非常に危ない中で、勘で機械も動かしてますから、それが年齢と共に落ちるんですよ。
僕も有るんですが、三十代半ばの頃はパッと見て素早い判断が出来ますが、五十才になるとそれが、確実に落ちてます。
それと、いざ掘削となると山の方から呼ばれてるような時が有るんですよね。呼ばれてると言うか、話しかけられてるって感じですね。
今は、やれとか今は、少し休めとかです。
それが、僕は、まだ分かりますが、Dさんは分からなくなったと言います。
僕が俺は、まだ分かりますねと言うと高山君は、そういう勘が昔から鋭かったから多分分かるだろう言われました。
果たして本当に、昔のように分かるかは疑問ですがね。
Dさんは、身長は高くないけど、がっちりした体格の人です。
この人がAちゃんが、トンネル内に入るのを最初は実は嫌がってましたよ。
古いタイプの坑夫でしたから、女がトンネルにと最初は嫌がってたのを、僕と何人かが説得しましたね。
このDさんで良く覚えてるのが、僕の下に昔付いてくれて掘削してた時に発破を掛けて外に出たら、飛び石が額に当たって切れたんですよ。
普通は、ダイナマイト仕掛けて終わるまで鉄の箱に入ります。
その時も箱に入ってて、終わってから出たのに少し残りがあったんでしょう、石が飛んできて額から少し横に思い切り当たりました。
一瞬だけ頭を抑えて仕事をDさん続けたから、最初は気付かないです。
しかし、二人で土を出すのに重機に乗ってたら顔が赤いんですよね。
少し落ち着いた時に、急いで重機から降りて見たら額が切れてて血まみれでした。
離れてたから赤くだけ見えたんですね。
急いで病院に行こうと言ったけど、一番忙しい時だからと軍手で抑えて仕事を続けました。
一番忙しい時が終わって、慌てて会社の職員に病院に連れて行くように言いましたが、Dさん笑いながらありがとうと言ってました。
まあ、怪我は色々見ましたが、血まみれで仕事を続けようとしたのはそれが、初めてですよ。
それも、平気な顔をしてですからね。
しかし、額から少しずれた部分は縫わないといけない状態で、今でも傷が残ってます。
それと、傷を縫った次の日に現場に出て来て縫ったのが少し開いてしまって、慌てて帰って貰いましたよ。
腕も良いですし、タフで体力も有りますね。
本人が、この頃言ったのが、あの傷を負った時にそろそろ掘削班から離れようと思ったようです。
何故かは、今までああいうミスは無かったから、何かしら限界を言われてるのかなと思ったとの事です。
それに、年下の僕のような連中が班長をやり始めたのに、時代的な物を感じたと言います。
僕から見たらまだまだ、行けたのにですが、職人気質なんでしょうね。
自分自身に厳しい人ですよ。
僕は、腕は大した事が無いのに、Dさんとは、気が合いましたね。
Dさんいわく、高山君は腕が大した事無いの自分自身で分かってるのと、当時から人を使うのが上手かったとの事です。
それと、もう一つは愛嬌があって、年上からこの男を何とかしてやりたいと思わせたらしいです。
そういう訳で、僕が会社に入ってしばらくしたら掘削班から自ら抜けて、コンクリート班を志望して来ました。
掘削班から自ら抜けるのは、なかなか出来ないです。
金銭的にも良いしやはり、何だかんだ言っても掘削班はトンネル作業の花形なんですよね。
それが、自ら抜けたのはDさんの中のプロ意識が許さなかったんでしょうね。
確か、四十代後半で完全に掘削班から離れましたね。
コンクリート打設がある現場では、コンクリート班に入るし無い所では雑工もするし、時には機械屋もやりましたね。
僕にとっては、非常に便利な人ですね。
いざとなれば今でも掘削班に少しは行けますし、何でも出来ますからね。
掘削班の若い連中も、この人には一目置いてます。
当たり前ですけどね。
そのDさんが、Aちゃんがトンネル内に入るのに反対したから困りましたね。
本人に聞くと、女の子では無理だと言うんですね。
女性差別とかで無くて、無理な事をやらせて事故をしたら誰が責任取るんだです。
色々話し合いましたよ。とにかくやらせてみて駄目なら撤退させるとか、このまま男性だけでやってては、新しい何かは起こせないとかです。
最後は、彼女に事故が有れば僕が責任取ると言ったのと、現場の総責任者は僕だからやらせて貰うと、半ば強引に了承させましたね。
今では一つの現場が終わって、二つ新しい現場が始まってます。
合計で八つの現場です。
人数も総勢で九十人を超えました。
また新しい現場も始まるから、今年で最も多い時で十二現場程になります。
そうなると、民主主義とか多数決とか採らないです。
現場と営業のトップは、僕です。
私生活は、グダグダでもヒエラルキーの頂点は僕です。
僕が、ゴーサインを出せば常務も社長も文句を言えない状況です。
銀行とかの交渉だけですよ。
本社が実質必要なのはね。
それもいずれは、こちら側に移ると思いますけどね。
つまり、僕がボスです。
ボスからの命令は絶対なんですよ。
それが、聞けないなら辞めたら良いんですね。
私生活はグダグダでだらしない僕ですが、少なくとも仕事では、ボスです。
傲慢と言われても、自分自身で一つ一つを決断するんですよね。
そのくらいの気持ちがないとやれないんですよ。
その代わり、普段眠れないとか色々悩みますよ。
仕方ないですよ。
まあ、Dさんは渋々Aちゃんをトンネル内に入れるのにOKしました。
そうして、Aちゃんをトンネル内に入れて鍛えるようになりました。
Dさんとは、いずれ上手く行くだろうが、時間が掛かるかもと思ってましたね。
しかし、Aちゃんが本格的にトンネル内に入り始めて十日程で、二人が休憩所で楽しく笑いながら話してるのを見て驚きましたね。
Dさんは、その上高山君、この子にもコンクリートを教えてやってと言われて更に驚きました。
Dさんに聞くとAちゃんは、何かと話しかけて来たらしいです。
その中で、今でも残ってる額の横の傷を指してどうして傷になったのか、丁寧に聞いて来たらしいです。
Dさんは、戸惑いながらも説明すると、名誉の負傷ですねと言ったのと、格好いいですと言ったらしいです。
普通は傷とか聞かないけど、彼女の聞き方は上手かったらしいです。
それと、現場で僕に何度も怒鳴られながらもハイ!ハイ!と言って必死にやってるのを見てたらしいですね。
僕は、Aちゃんにお前上手くやったなと言うと、高山さんが班長を何とかしろと言ったからですと答えて来ましたね。
それでも、やはり一生懸命やってるのと、人の心を掴むのが上手いなです。
管理者になるには、これが必要ですからね。
Dさんもあの子は、上手く人の心に入るなと言ってました。
Dさんも分かってても、この子を何とかしてやろうと思ったらしいです。
僕の時と同じですね。僕よりAちゃんの方が、そういう点は長けてるかもと言ってましたね。
女の子であるってってのを使わなくても、女の子だからその辺りこっちも多少甘くなるけど、そればかりじゃないなと言ってましたね。
単純に言えば、努力家だよとの事です。
今では、コンクリートの仕事も手伝うしDさんは、僕が彼女に厳しいと間に入って、冗談を言って上手く和ませます。
まあ、良い班長なだけあって、Dさんも人の心を掴むのが上手いですよ。
一度、コンクリート班の為にガスを使って大変な場所(*ロックボルト)を、ガスでAちゃんに切らせてました。
僕が後ろに付いてて何か起これば守るし、それと彼女が珍しくビビったから後ろから抑えてました。
まあ、初めてですしビビって当然の仕事なんですが、僕の右腕ならそのくらいでビビるなです。
火がはじくからどうしても顔を背けるんですが、それじゃ駄目だで後ろから軽く髪を掴んで顔を固定しましたよ。
そしたら、Dさんがそこに走って来て、やりすぎだと僕に言いましたよ。
僕は、俺の右腕になるならこの程度でビビると困ると言い返しました。
僕も、早く彼女に色々馴れて貰わないと困るからやってるんです。
Dさんは、それでも珍しく僕に反発しようとしたから、それじゃあんたが、この子の面倒見て立派に出来るのかと言い返しました。
するとAちゃんが、Dさんに気にしないで下さい。ビビってる私が悪いからと言いました。
Dさんは、諦めたようでしたね。
そのあと、高山君の情熱とあの子の情熱に負けたな、と笑ってましたね。
Aちゃんは、時々冗談で、Dさんの傷に缶コーヒーを当ててじゃれたり、私のキックで片方にも丁度良いように傷を付けますか、等と言ってます。
最初は、え!?良く言うよと思ってたけど、Dさんは楽しそうにしてるのを見てほっとしましたね。
Aちゃんに聞くとDさんの傷は、男の勲章だし似合ってるし、格好いいですよとの事です。
それを本人にも伝えたらしいですね。
Dさんが、冗談でああいうホステスが居たら俺は通うなと笑いますね。
人の弱点とも言える部分に上手く入って行ったのには感心ですが、Aちゃんは本気でああいう傷は格好いいですよとの事です。
それと、やはり一生懸命にやってるから認められるんですよね。
Aちゃんが口だけなら、認められませんからね。
Dさんには、Aちゃんより少し若い息子が一人居ますが、娘が良かったなあと笑いますね。
とにかく、働く人間の心を掴むのが掴むのが上手いなと思いますね。
それと、厳しく言っても食らい付いてくるような根性ですね。
もう一つは、人に対しての観察眼です。
人によって言い方を変えますし、僕に対しては、車で二人の時はあれは高山さんの言い方が悪いです等と言います。
皆の前では、僕を立ててますけどね。
皆の前では、徹底して僕の言うことを、ハイ!ハイ!と聞いてます。
この辺りも良いですね。
あくまでも、自分は僕の右腕になるために頑張っているをアピールしてるし、実際にそうです。
二人の時は文句を言っても良い、と教えてますからね。
僕が想像した以上に、良い意味でしたたかです。
そうでないといずれは、僕を抜いてくれないといけないから困りますね。
職人気質で有りながら柔軟なDさんも素晴らしいし、Aちゃんも素晴らしいなと思いますね。
AちゃんもDさんも僕が少し言えば、その意図を上手く拾って自分流に変えて、僕の期待を超えて来ますからね。
そういう人間が、班長とか所長とか長になって行くんですよ。
そう考えたら、自分自身はどうかなとも思いますね。
こういう人達を見てたら、私生活はグダグダでも仕事面は、俺ももっと頑張らないといけないなと思うのと、考え方に柔軟性を持たないといけないなと思いますね。
人を見て自分自身教えられますよ。
おわり
参考
*ロックボルト
次回は随筆「濡れる女子事務員 外伝・お弁当編」
「ガーターベルトの女」~映画化のために
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「ガーターベルトの女 外伝」(フィクション編) 1
「新・ガーターベルトの女 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
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