高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【471】

妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の映画化芝居化・・・
その他いろいろ作品化できれば
なんて途方もない夢を観ています

📖 高山のエッセイ〜「この国の行方を憂います」

2017/05/09

正直こういうのを書くのには知識も不足してるし、論理を構築する能力もないですが、どうしても今のうちに書こうと思いました。

今日は、ゴールデンウィーク明けで現場が動き始めました。

僕は一応管理職ですから、現場をあちこち回りながら作業員の様子を見てました。

車であちこち動きながら聞くのがラジオですし、情報はラジオか、時々現場で読む新聞かネットです。

Twitterですね。だけど左翼系右翼系どちらも見てますよ。

一番情報を得るのは本からですが、本では遅い時が有りますね。

こういう事を書くのは苦手なんですが、どうしても書こうと思いました。

何故かは?怒りですよ。

もう安倍政権のやってる事に対して、怒りしか沸きませんね。

それを止められない野党にも怒りが湧いてますよ。

一介の土方が書くことですから論理的な飛躍や間違いも有るでしょうが、その辺りは熱量で許して下さい。

しかし、国を動かすのはインテリ層では無いのかも、と思いますよ。

一介の土方や、本当に困ってる人達が国を動かすのではないんでしょうかね?

本当に困ってる人とは、正直に生きてきて働いてもきちんとした保証さえない人達ですね。

僕が思うに、安倍政権の目論見とその行く果てに待つのは、かつての日本ですよ。

大日本帝国ですよ。

ふざけては、いけませんよ。

僕は昭和四十三年生まれですが、僕の世代はこの戦争がいかに愚かだったかを徹底的に教えられました。

それで、一時期は嫌気が差す程です。

しかし、戦争体験者、被爆者のリアルな声、或いはそういうノンフィクションやルポルタージュを読むと、平和ボケと言われても駄目なものは駄目です。

前にも書いたけど、有名な作家の吉村昭さんは、戦争に向かう時は大人にも責任があったと言ってる。

吉村さんの作品は感情を排して、冷徹な目で描いた作品が沢山有りますね。

資料を集めて、それを思想に囚われずに描いてると思います。

それでも浮かんで来るのが戦争や災害や、工事の悲惨さやリアルな物です。

まあ、色々読んでます。左翼本に限らずです。

しかし、今回の北朝鮮の攻撃等の騒ぎは、安倍政権には良かったでしょうね。

北朝鮮がやるぞと過剰に宣伝すれば、安倍政権には都合が良いですね。

あれだけ騒いでて、本人は外遊とゴルフですか?

そりゃないだろう、です。

北朝鮮問題で森友学園問題から国民の目をそらせましたし、憲法改正へと走らせたいんでしょう。

腹の中では良くやった金正恩、なのではないでしょうか?

今日、五月八日の国会では森友の籠池さんが来てたと報道されてましたが、そこまでは良いとして籠池さんが昼に食べたのは何々って夕方のニュースでやってたけど、それが大事なのか?です。

籠池さんが、昼に何を食べようとどうでも良いでしょう。

それなら、もう少し国会でのやり取りを報道すべきではです。

昼のバラエティーじゃないんだよ。

夕方のニュースでそれをやるの?ですよ。

報道にも怒ってます。

マスコミを最近はマスゴミと言うけど、僕はこの言葉好きでは無いですね。

全てがそうでは無くて、ジェーナリスト精神を出して頑張ってる人も居るし、僕達素人に分かりやすく今はどうなってるのかを説明する役割をマスコミの人が果たすべきだし、果たしてる人も居ますね。

だけど、テレビ媒体では、なかなかそういう人がレギュラーで出るってないかもね。

それでも、意外にと言うと失礼ですが、大きな新聞社出身とかでない人が頑張ってると僕は思います。

大きな新聞社はどうしても権力に取り込まれたりしますし、なかなか尖った人は出にくいかもね。

森友の問題を何時までやるのか?って右翼は言うけど、この問題に安倍総理の問題点が集約されてるのと、残念ながら他を突くには色々な意味で弱いからでしょう。

加計学園の問題も出て来てるから、探せばあちこちから出てくるかも知れないですけどね。

森友の方ですが、先ず国有地の払い下げに政治家が噛んでないか?と、安倍夫人に百万円は渡ってないか?ですね。

百万円って金額が問題では無くて、名誉校長になってますね。

あの学園の思想その物が、昭恵夫人の思想と言うより安倍総理の思想を具現化しようとしたのではないか?です。

そうなると、これに安倍総理がどう係わって来たか?或いは、安倍総理に近い人間がどうな係わって来たか、非常に問題ですよ。

それをうやむやにして先に進めては不味いだろう、です。

スキャンダルですし、ある意味安倍総理と言う人を知るのに一番分かりやすいのではと思います。

安倍総理から見たら、北朝鮮の問題が有るから先ずは共謀罪を通したいようですがね。

共謀罪は、元々オリンピック開催に向けてテロが起きたらヤバイ、で作られてますが、段々とおかしな方向に行ってる。

改憲、マイナンバー、共謀罪と来れば、共謀罪が洒落にならない使われ方をする事は有りますよ。

良く言われるのが、居酒屋で飲んでて上司の悪口言ってあの会社壊したいよな、と言うとします。 

それで捕まるとかね。

キノコ採りをしてたら捕まるとか、有名ですね。

あれは、冗談では無くてキノコ採りをと言うよりも、常に国が見てるぞと言う恐怖体制が問題なんですよ。

つまり犯罪が起きる前に未然に防ぐ、が異常になるんですよ。

その為の盗聴等もOKになるかもしれませんね。

大日本帝国の頃の治安維持法ですよ。

最初は大人しいかも知れないけど、徐々に拡大解釈して行きますよ。

政府に都合の悪い人間は捕まるとかね。

充分あり得ますよ。SNSで政府批判をするのもいずれは出来なくなるってのも、今は笑ってますがあり得ますよ。

戦争中にあった隣組制度等ですね。

あの人はやたらに政府の批判をしてる、となれば投獄です。

こう言うと、お前が拡大解釈してると言われるかも知れないけど、安倍総理の行きたい道を考えたら当然そうなるって考えた方が良いですよ。

常に国民は見張られて、圧力受けてる世界です。

これは戦時中の日本ですよ。

彼の言う美しい国は、大日本帝国の復活に近いと思います。

東京オリンピックは、復興オリンピック等と言われてたのに、いつの間にか政治的に上手く利用されてる。

共謀罪しかり改憲しかり、福島は復興してるアンダーコントロール出来てる、と嘘をついてやるオリンピックしかりです。

オリンピック自体を責めてないですよ。

今の体制でのオリンピックは、どんどん利用されますよ。

北朝鮮がヤバイから改憲しよう。オリンピックが有るから共謀罪を早く通そう。

どうも全て、安倍総理の良いように解釈されて利用されてる。

いかにして安倍総理をおろすかです。

その為には、森友の追求ですね。

支持率が一時期下がったのは森友の問題でしたが、また戻ったのは森友より北朝鮮だろうと煽ったからです。

北朝鮮がヤバイぞ、と印象操作したりしてるように思います。

本当に北朝鮮がヤバイなら、外遊したり連休にゴルフ出来ないよ。

ヤバイのはヤバイんでしょうが、政府関係者は本当にヤバイとは思ってないね。

なんちゃってヤバイを演出して、改憲に持ち込みたいんでしょう。

どの程度ヤバイとか、本気で考えてないですね。

本気でヤバイと言う情報が入ってるなら、外遊とかゴルフしてるか?それとも、アメリカさんの言う通りに動けば良いと思ってるのか?です。

自分達に都合の悪いことは無視ですよ。

原発の事故処理のようにね。

彼らにとっては、復興はお題目でしかないように思います。

本気でやるなら国の予算をもっと回して、除染から色々するでしょう。

もう何年経つのかですよ。未だに苦しんでる人が沢山いるのに、世界に対しては大丈夫と言うのはおかしいでしょう。

自分達の主張を通す為なら、大抵の事は犠牲にしますからね。

それが政治家かよと言えば、それが政治家なのかも知れないけど、今回は特に酷い。

いざとなれば、先ずは自衛隊が犠牲になりますよ。

そのあとは国民です。

それも僕のような中年で無くて、若い人ですよ。

お偉いさんは最後ですよ。

百田尚樹や桜井誠を信奉してる人は、意外と若いのではと思います。

若いから、この国がどうやって立ち直ったかを教えてもらってないのかもです。

今はどうか知らないけど、僕の時の教育にも問題が有りましたね。

歴史の授業ですが、縄文時代から始めてってなると、近代の歴史は早足になるかほとんど教えられないんですよね。

僕は近代からやるべきでは、と思います。

ある意味、縄文とか弥生とかはファンタジーですよ。

まだまだ全然分からない事だらけだし、そんな事よりも今なら昭和からやるべきでしょう。

昭和の軍国国家からいかに立ち直ったか、をやるべきでしょう。

その間に色々な闘争が有りますが、その辺りも客観的に詳しくやるべきでしょう。

昭和には色々な物が詰まってますよ。

不味い果実かも知れないけど、日本人は昭和をきちんと振り返り、反省すべき所は反省してきちんとすべきです。

昭和と言う果実には、酸いも甘いも苦いも全てが含まれてますよ。

話しは逸れますが、現在の天皇陛下はまるで昭和天皇が出来なかった事の全てをして、終わろうとしてるように見えます。

サイパン訪問など見てると次の天皇には、昭和の罪をもう負わせたくないように感じますね。

別に天皇制がどうとかはないですが、真に開かれた皇室になれば良いのにと思いますよ。

イギリス皇室のようにね。

天皇制の有無は今さら語るべきでは無くて、やはり象徴で有れば良いのではと思います。

まあ、それは色々議論があっても良いと思いますけどね。

若いと右翼的なのがカッコいいかも知れないけど、大きな間違いですよ。

右翼的でも良いけど、差別的であって欲しくないね。

韓国、朝鮮、中国は嫌いでも良いけど、それを汚い言葉で罵るのはどうなのか?です。

最近は、若い人が中国に旅行に行きたくないらしいですね。

トイレの問題とか反日問題とかかららしいけど、僕が若かったら行きたいですよ。

今、一番エキサイティングな国でしょう。

逆に中国からの旅行者は増えてる。

これでは、不味いですよ。

中国からの旅行者や韓国からの旅行者が、非常に間違えた行為をしてると聞きます。

僕の住んでる所は観光地ですから、リアルな情報が入ります。

温泉に来てパンツを履いたまま入ろうとしたり、ホテルの備品が無くなったりって聞きますよ。

家の近くに大衆向けのデパートが有るけど、たまに団体の中国か韓国かの旅行者に会いますよ。

とにかく声がでかいのと、団体だから態度がでかいです。

少し前にはストリップ劇場に来てましたよ。

何度か注意した事が有りますね。

あれは韓国からですけどね。

だけど、日本が八十年代にアメリカに団体旅行してた時も、日本人散々言われてましたからね。

経済が潤って他の国に団体で行くと、アジア系の人は言われますね。

Twitterやネットでは中国、韓国北朝鮮を非常に嫌って差別的発言を繰り返す人が、いまがどうなのか?です。

こないだも韓国の俳優か何かが京都のラーメン屋で屈辱的な扱いを受けてますね。

ユーチューバーのようですが、京都のラーメン屋でここは居酒屋ですか?と尋ねたら、日本人からファッキンコリアと言われたようです。

この男が日本の女性をナンパしてたと言われてるけどそれは、今回の問題と別ですよ。

日本人が韓国の何かのお店で物を聞こうとして、ファッキンジャパニーズと言われたら嫌でしょう。

この韓国の男が日本の女性をナンパしてたから悪いという人が居るけど、別の話しですよ。

こうしてどんどん差別意識が生まれるんですよ。

日本が大事なら外国人にも親切に、です。

それか、間違えた事をしてたら注意するんです。

僕は、ストリップ劇場で十年程前にメインの女の子は触ったらいけないのに、韓国の団体客が何度も触ろうとしたから注意しました。

そしたら、向こうがキレてこっちに来そうになりましたが、劇場の人が止めたのと女の子が大きな声で怒りましたよ。

それで事が収まりましたね。

僕は当時無料券を持ってて毎日行ってたから分かるけど、ルールを破ろうとするのは韓国人だけで無くて日本人もですよ。

その度に注意してたら、外で乱闘になったことも有ります。

話しはそれたけど、京都のラーメン屋での事件は明らかに日本側に非があるでしょう。

こういう差別意識を助長してるのが、百田尚樹や桜井誠等です。

それを取り巻く人達ですよ。

そして、百田尚樹は安倍政権の支持者ですよ。

日本を取り巻く環境が、この五年程で一気に変わって来てるように思います。

差別を良しとする風潮と右斜化ですね。

これをヨーロッパやアメリカ人に出来ないのに、同じアジア人なら出来る。

こういう根が生え出すと、かつての大日本帝国復活の温床になりかねません。

とにかく、その先頭に立つのが今の安倍総理とその仲間ですよ。

麻生副総理のナチスの手口発言や失言は、拾えばいくらでも有りますし、稲田防衛大臣に至っては話すのも嫌だと言うくらいイカれてますよ。

そういう仲間達に支えられて、憲法改正や他の事の改正されてたまるかと思いますよ。

とにかく安倍総理をおろせです。

それと、安倍総理が印象操作と言う言葉を使うけど、一番印象操作をしてるのは貴方ではと思います。

自民党にも、最悪同じ日本会議出身でも、まだましな人は居ないのか、です。

それと、野党でまともな事を言ってるのが共産党と山本太郎のように感じるのは、僕だけではないと思います。

もう本当は共謀罪だけに絞ろうとしましたが、むちゃくちゃになりました。

しかし、一介の土方は怒ってます。

この国の本当に行く先はどうなるの?です。

ハチャメチャで申し訳ないです。

書いてたら次々に思い出して、それはないだろうって事だらけですよ。

怒りと熱量だけをくんで下さい。

おわり

📖管理人・無名居士のたわ言・・・音楽でひとあそび〜ロシア民謡『トロイカ』

2014/02/05

 雪の音
雪・・・とくれば
自然と口に出るのが
♪雪の白樺並木 夕日が映える
 走れトロイカ ほがらかに鈴の音高く
ロシア民謡の『トロイカ』

高校一年のときクラスの数人で
『高校生』という小冊子を発行していた
詩やエッセイやその他いろいろ
当時はいわゆるガリ版刷り
それに同じクラスの女性がロシア民謡について投稿してくれた

家にロシア民謡のレコードがあって
聴いているうちに大好きになった・・・という内容
普段無口な女性だったので投稿してくれたのは少し驚きだった
それに私もロシア民謡好きということもあって
同志を得たり・・・という思いでうれしかった

ウィキペディアによると原曲は
「金持ちに恋人を奪われた若い馭者の悲しみを歌った哀切な歌である。」
原曲で聴いてみたくなった
Вот мчится тройка почтовая

📖 高山の作品から〜「濡れる穴の中35~女の爪

新しく入った女性Dちゃん、頑張ってます。
今日で、正式な社員として採用しました。
今まで一応見習いでしたからね。
何かしら、秀でてる物が有るとしたら細かい仕事が上手いのと、とにかく動きますね。
他の先輩二人も良く動きますが、それを見てるからか、更に動こうとしますね。
重機や車両に乗るのはまだまだですが、何かしら物を頼んだ時に非常に気が利きますし、全く違う仕事から来てるから、とにかくメモをして間違いをしませんね。
日々の細かい努力を積み重ねています。
だいぶ寒くなってるのに薄いジャンパーだけで、仕事になるとそれも脱いでて、背中にうっすら汗を良くかいてます。
最初は、多少汗かきかなと思ってたんですが、それも有るでしょうが、とにかく動くからでしょうね。
それでも、朝晩は冷え込むから厚手の安いジャンパーを買いに行ったらしいですが、安いジャンパーとなると建設業のジャンパーって女性ものは余り置いてなくて、男性ものの「S」を着てますがやはり大きいのが笑えて、それを言うと、無かったんですよと顔を赤らめて言います。
そういうのを見てると若いなと思いますが、自分自身もそういう時期を超えて来てるんでしょうね。
それに、まだ二十代半ばの若さで、全く畑違いの男の職場に来たから、大変さは僕らの倍以上でしょう。

そういう中で、コンクリートプラントの修理を僕がするのを手伝わせてました。
重い工具箱を持たせて二人で行きました。
僕は、壊れた所のハッチが開かないらしくてバールを持ってましたから、彼女に工具箱を持たせたんですよ。
僕は決して器用な方では無いんですが、壊れたのを聞いて大体何処が悪いか経験から分かりましたからね。
コンクリートプラントに着くとDちゃんは、急坂を登って来てたから流石にこたえてました。
一服すると、プラントのハッチ見に行来ました。
やはり、ハッチが破損して開きにくくなってましたが、バールを使うと意外に簡単に開きました。
そこから、暗いから口に小さい懐中電灯をくわえて、中の壊れた部分を修理して行きました。
細かい作業も有れば力の居る部分も有りましたが、大体壊れるパターンが分かってたから順調でした。
それでも結構時間がかかったので、途中でポケットに入れて来ていた缶コーヒーを二人で飲んで休憩しました。
Dちゃんは、僕から懐中電灯を借りると中を興味深そうに見てどうなってるのか聞いたので、簡単に説明しました。
単純に出来てるんですが、慣れるまで時間がかかります。
それでもDちゃんが興味深そうだったので、難しいけど手先の器用な人なら出来るだろうとネジを入れるように言いました。
Dちゃんは、僕と同じように口に懐中電灯をくわえてネジを入れようとしたんですが、落としてしまいました。
こうなると、狭い場所なので取れないんです。
それも、僕はそのネジの予備が工具箱に入ってるだろうと思ってたら、使ってて他のが無いんですよ。
Dちゃんに、ここの現場の機械置き場か、それでも無かったら近くの現場から借りて来てくれと言いました。
僕は、その間他の部分を直してました。
Dちゃんは、まさか自分自身が落としてしまうとは思わなかったようで、謝りながら走ってネジを探しに行きました。
この現場に既に無かったようですが、元請けがたまたま持っていて、それを貰って戻って来ました。
数種類を持って来たのには笑いましたが、ネジのサイズなどまだ分かりませんからね。
もう一度Dちゃんにやらせましたが、今度は、何とか上手く行きました。
かなり危なそうで、終わったら額に汗をかいてたのが器用なDちゃんにしては珍しいなと、少し違和感を感じました。

修理も他も終わって戻る時に、ふと思ってDちゃんに手を見せて見ろと言いました。
Dちゃんは、え!?と言う顔をしましたが、素直に見せました。
僕は手を見て、なるほどと思いました。
器用なDちゃんが、何故失敗したりしたか分かりました。
こう言う時は素手で作業しますが、彼女は爪を少し深爪に切ってました。
僕は、笑いながらそんなに切らなくて、少しだけ伸ばしたら爪でああいうのを上手く引っかけられるのに、と言いました。
非常に細かい作業をする場合の為に、機械工等は少しだけ長めにしてますし、坑夫もほんの少しだけ長めにしてます。
特に、親指人差し指中指は、物を掴みますから気を付けてますが、そこだけ長めにすると変なので全体を少しだけ伸ばしてます。
Dちゃんは驚いた顔をして、こういう世界だから何時も爪をきちんと切ってたんですよと言いました。
確かに、素人考えなら清潔に保つと言う意味でもそれが正解でしょうし、女性だから多少伸ばしたいのを我慢してたようです。
僕は、自分自身の数ミリ伸ばしてる爪を見せました。
汚れたら、細かい食器洗い用で中はほとんど綺麗になる事も教えましたし、他の二人の女性の爪を見てみろと言いました。
別に怒ってるので無くて、なるほどと思いました。
彼女にとっては良かれと思ってやってる事も、時には微妙に違うんだなです。

Dちゃんは、二人の先輩に見せて貰いました。
二人共、ほんの数ミリ伸ばしてて、綺麗に保つには高山さんの言う方法プラス爪楊枝のような物で、中に何かしら詰まったら取れば良いと言われましたし、基本的に爪切りは使わずに、やすりで削るとも教えられてました。
僕は笑いながら、また勉強になったなと言うと、Dちゃんはそうですねえと感心してました。
しかし、僕らにとっては当たり前でも素人の女性から考えたら、伸ばしたい爪を切って来てたのも偉いんですよ。
つい最近まで、ど素人だったのだから当たり前ですし、若い女性なら伸ばしたいしマニキュアを塗りたいのを彼女は全くやってなかったんです。
しかし、先輩二人は目立たないマニキュアもしてますからね。
先輩二人も、最初は分からなかったのを、見て覚えたようです。
やはり、最初はDちゃんと同じように、深爪になるくらい爪を切ってたらしいです。

まあ、他愛ない事ですが、他愛ない事の積み重ねなんですよね。
Dちゃんは、少し伸ばして私もマニキュアをしようと嬉しそうに言いました。
僕は、それを見てて女性を育てる難しさと同時に、面白さも感じましたね。
他愛ない事でも教えてあげないとなと思いましたし、自分自身も、そうして少しずつ成長したんだなとも思いましたよ。


おわり

📖「ガーターベルトの女」の映画化のためにエッセイをお読み下さい・・・「ガーターベルトの女 5」

「ガーターベルトの女」シリーズも、後書けてこれを含めてせいぜい三作書けるか二作で終わるかだろうと思う。

或いは、これで終わるかも知れない。

そこは何とも言えない。

二十年以上前の話しは、書いてたら思い出す事も有ればすっかり忘れてる事もある。

Mを美化しすぎかも知れないが、当時のMに愛された男は同じように思ってるのでは、とも思う。

しかし、Mに愛されずに振り回された男はそうは思わないだろう。

Mの気まぐれや、一種のこだわりや自信を嫌った女性も沢山居たと思う。

突出した存在とはそういう物だ、と僕は思う。

それに若い頃は頭の回転が良いと、相手が馬鹿だと許せない場合もあると思う。

そういうMだが、Mの義理のおばさんがやってたお店を任されていたが、二十年前、当時でさえ古臭いスナックだった。

時代は九十年代の半ばだが、地方はまだまだバブルだったと思う。

地方でもスナックやラウンジクラブと言えばきらびやかな店が立ち並ぶ中でもMの店はビルの一階の奥にあり小さな古臭いスナックだった。

カウンターがあって、申し訳程度に一応ボックスがあったが十人も入れば一杯だった。

無理に入れて、会社の連中と作業員を連れて二十人程で貸し切って打ち上げをした事があったが、かなり苦しかったのを思い出す。

それに、Mが積極的な客引きやお店からお客を迎えに行ったり滅多にしなかった為に、Mの店の客層は中年が多かった。

僕と出会った頃、Mはそこの店を任されてそんなに経って無かったと思う。

一年位ではないだろうか。

Mのその前の仕事は何をしていたのかはっきり覚えてないが、県の中心で事務員をやっていたと聞いたように思う。

しかし、Mが隠れてても狭い街の為か徐々に若いお客も増えて行くが、僕が付き合い通ってた時は若いお客の比率はとても低かった。

僕の父の会社の連中は若かったが、それが主になっていた。

僕達は当時は、ほとんど皆仲良く綺麗な飲み方をしたからMから嫌がられはしなかったし、Mが僕の彼女だと皆が知ってたから変なちょっかいも無かった。

Mは、若いお客をどちらかと言えば嫌っていた。

自分を口説きに来る荒い連中を面倒に思っていたから、まだ中年の方がましだと言っていた。

しかし、中年もMの魅力に惹かれて来ていたし、隙あらばと思っていたと思う。

病院の先生がその代表格だったが、もう一人銀行員のAと言うのが来ていた。

年齢は四十代半ばで、何時も綺麗めな格好をしていた。

ラルフローレンが好きなのか、ラルフローレンのポロシャツにスラックスを穿いていた。

当時の少し高級思考のファッションは、ラルフローレンと決まっていた。

少なくとも僕の地方都市では。

僕とMはラルフローレンが嫌いで、その人を呼ぶ時に陰でラルフさんと呼んでいた。

Aは綺麗めな格好をしていたが、小肥りで頭髪もかなり薄くなっていた。

離婚したらしく、子供は居なくてMを狙っていた。

普段は大人しいが、酒が入りすぎると時にMにしつこく迫っていた。

着けていたタグ・ホイヤーの時計をやると言い出して、聞かなかった事もあった。

Mは、仕方なくその時は貰って店に飾って置いたら、次に来て持って帰ったと笑っていた。

普段のMなら質屋に持っていて売っていたかも知れないが、粘着質なAの性格を知っていたから店に置いていた。

それに、タグ・ホイヤーなんて安いから大したお金にならないよ、と笑っていた。

ある日、僕が一人で店に居てMと馬鹿話しで盛り上がってると、Aがすっかり酔っ払い来たことがある。

最初は歌を何曲か歌ってから、Mを口説き始めた。

僕は、次のお客が来たら出ようと思って見ていた。

その時の口説き方は何時もより執拗な感じがしたので、僕はニヤニヤしながら見ていた。

ご飯を食べに行こうから、電話番号を教えてくれから、自宅は何処かまで聞いていたが、Mは適当にあしらっていた。

Aは執拗だが暴力的では無かったし、もう一人僕がお客で居るのを意識してかブレーキもかかっていた。

そのうちどんどん水割りをロックで飲むと、Mにチークダンスを踊ろうと言い出した。

この当時のスナックやラウンジやクラブでは、中年は直ぐにチークダンスを踊ろうと言ったものだ。

チークダンスと言っても、ただ女の子の身体を触りたいだけなのだが、ダンスの苦手な日本人には向いていたのだろう。

特に、フィリピンパブでは女の子の方から誘ってきた為に、僕も何度か経験があった。

今でも僕より十才位上の五十代後半などは、時々踊ろうと言って女の子を困らせている。

僕はMの店が狭い上に、女の子がMしか居ないのに良く言うよな、と呆れて煙草を吸いながら成り行きを見ていた。

Mは、しつこいAに明らかに苛立ちを見せていたが、宥めようとしていた。

僕の方を何度かチラッと見たが、僕はわざと無視した。

Mの普段の気まぐれに、時には振り回されていたからMが困ってるのを見ようと思ったのか知れないし、Aの行動が余りに情けなくて面白く、もう少し見たかったのかも知れない。

今となっては分からないが、早めに助け船を出すのを今回は少し焦らしていた。

Aは無理だと言うMの事など聞かなくて、つのだ☆ひろの『メリー・ジェーン』を入れろと言った。

当時のカラオケは、女の子がレーザーディスクを入れないと駄目だったから、Mは入れないと言い出した。

ちなみに、つのだ☆ひろの『メリージェーン』は、チークダンスの定番的曲でもあった。

執拗な攻防がMとAの間で続いたが、Mがいきなり僕の方を向いて、もしも踊るなら若い人の方が良いに決まってるじゃない、と僕に言った。

僕は吸ってた煙草を落としそうになった。

それを言ってはいけないだろう、と思ったからだ。

するとAは僕の方を向いて、お兄ちゃんは良く来てるけどMと出来てるの?と聞いてきた。

僕は、そんな訳ないじゃない笑いながら誤魔化した。

すると今度は、高校は何処を出てるのかと聞いてきた。

僕は、自分自身の高校をきちんと伝えた。

Aに、蔑むような目付きが現れたのが分かった。

小さな街では、僕の高校は不良の吹き溜まりで馬鹿の集まりと思われて居たから、Aはいかにも銀行員らしく態度を変えた。

仕事は何かと名前は何かと、更に聞いてきた。

僕は面倒になっていたのと、腹が立っていた。

人を高校でそういう風に判断するエセインテリには、つくづくうんざりだったからだ。

僕は、仕事はトンネル堀りで会社名と名前をわざと言った。

Aの態度が、さっきと直ぐに変わった。

会社名と名前を言われたら、Aの銀行ともうちの会社は取引があったし、名字を言われて社長の息子か関係者だと分かったようだ。

そのくらい、当時はうちの会社名は売れていたし、そこの息子か関係者ならヤバイと思ったのだろう。

僕は追い討ちをかけた。

明日、自分自身の預金をAさんの銀行から全て下ろすし、他の社員にもそういう風に伝達しますわ、と言った。

僅かに貯金がある程度だったが、大袈裟に言った。

相手が見下して権力で来るなら、こっちも嘘でも言ってやろう、だった。

珍しく財布を見ると名刺が入ってたからAさんに渡して、よろしくお願いしますと言った。

Aはノックアウトされた上に、リングから放り出されたような感じだった。

Aは、また来ると言うと、僕に非礼を何度も詫びた。

 

そして明日にでも会社に行きますから預金の件はお願いします、と言い出した。

僕は、詫びるならMちゃんに詫びてチップでも渡したら、と答えた。

Aはそうですね、と敬語になって、Mに釣りは要らないからと言うとMにも何度も頭を下げて、僕にも何度も頭を下げながら逃げるように帰った。

Mは、何事も無かったようにAの席を片付けると、レーザーディスクを勝手に入れて『メリー・ジェーン』を掛けた。

そして、カウンターを手を着いてヒョイと飛び越すと、こちら側に来た。

ミニスカートでカウンターを飛び越す女の子を、初めて僕は見た。

Mは、僕の手を取ると立ってと言って、『セント・オブ・ウーマン』のアル・パチーノのように踊って、といった。

映画『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』は、Mが最近僕に勧められてビデオで見ていて、気に入っていた。

特に、アル・パチーノ扮する盲目の元軍人が、若い女とタンゴを踊るシーンは気に入っていた。

このシーンは、名シーンだった。

Mは、最初にヒールで僕の足を強く踏んだ。

早めに助けようと思ったら出来たでしょう、とクスクス笑いながら言った。

僕は、会社名を出したのは反則だったなと言うと、Mはあの場合は仕方ないでしょ、と笑った。

とにかく足を動かして密着してと、狭いスナックで僕達は、チークダンスなのかタンゴなのか分からない物を踊った。

Mは踊り終わると、あんな風にはなかなか踊れないね、と言いながらも満足した表情を見せて、隣に座った。

僕が、あれはアル・パチーノと相手の女性の役者の名演だよ、と言った。

二人で並んで座っていると欲情して来てキスをしたが、店が空く音がするとMは冷静に立ち上がって、今度はきちんと出入り口からカウンターに入ると、いらっしゃいませと言った。

僕の会社の同僚だった。

来た瞬間に、二人のムードに気づいたのか出直そうかとおどけて言ったが、Mが入って入ってさっき面白い事があったから聞いて、と言って中に入れた。

またもやMは、さっきの話しを面白おかしくして話した。

僕もそれを楽しく聞きながら酒を飲んだが、意外にMから踏まれたのが痛いのに気付いた。

Mの、側に来た時の匂い等はもう思い出せないが、カウンターを飛び越したMは思い出せる。

その日は、ガーターベルトは着けていなかった。


おわり

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「ガーターベルトの女 外伝」(フィクション編)
1
「新・ガーターベルトの女 
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