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ひつじとパパ

※「ひつじの鍵」本編読了後にどうぞ

「父ちゃん、はいこれ、バイト代もらったからプレゼントだよー」
「えっ、父さんに?開けていいのか?」
「どーぞどーぞ」
「おっ、いいネクタイだなあ、羊はお母さんに似てセンスがいいなあ」
「うん、選ぶの手伝ってもらったし」
「えっ?」
「ん?」
「いや……と、とにかくありがとう、嬉しいな、毎日つけるよ、寝る時もつけるよ」
「それはやめたほうがいいと思うよ」
「でもあれだな、そのー……急にバイトしたいだなんて言い出したから、てっきり、その、あれだ、かっ、彼女とかにプレゼントしたいのかなーなんて……」
「あー」
「えっ?」
「アマゾンで貞操帯見たら何かよく分かんなくて」
「んん?……ごめん羊、お父さんよく聞こえなかった、もう一回言ってくれるかな?」
「結婚しようって言ったら『二十年早い』って言われちゃったし」
「んんん?」
「だから十五年後ぐらいに連れてくるね」
「んんんん?」
「それでいいよね?」
「………………うん」
(人生でいちばん小声の「うん」でした・父談)


「……というわけで公認になれたよ」
「まじ鬼畜だな」

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