反省と反省

※「long hello」重版御礼

「横顔と虹彩」より、竜起と深

「ホテルのフロント業務を手伝うロボットが導入されるそうです。今映像でご覧いただいているように、障害物を避けて歩き、内部にインプットされた地図のデータを元に客室までたどり着き、ものを届けたりすることができるということです……すごいですね」
「でもこれ、ロボットの中に入るサイズのものしか運べないんですよね」

「収納スペースは縦二十二センチ、横二十六センチ、深さ三十七センチだそうです」
「あー……それじゃゲーム機は入らないんですね」
「ゲーム機……？据え置き型のですか？」
「あ、はい」
「皆川さん、ホテルに泊まる時わざわざゲームするんですか？そもそもホテルってゲーム機貸してくれるんですか？」
「えー……あ、大丈夫です」
「何が？」
「はいっ、ＣＭ行きましょうか！」

「いやー、週末でついつい気が緩んじゃって」
「へえ」
「なっちゃん怒ってる？怒ってます？」
「別に……」
「ごめん、ごめんなさいっ！もう余計なこと言いませんから！」
「えーけど……別にえーけど……」
「許して！ほらほらこのとーり！写真撮って彼氏が土下座なうに使っていいよ！」
「まんまやがな」
「なっちゃーん」
「……ほんまに反省しとる？」
「してます」
「どんくらい？」
「小五の時、女子だけ体育館に集められた理由をしつこく訊いて泣かしちゃった時ぐらい？」
「……彼氏が最低なうやわ」
「え、だって知らなかったんだよまじでー！」
「もうちょっと許すんやめとこ」
「え〜!!」