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冬山登山、雌阿寒岳

登山の醍醐味

登山は道があり頂上まで辿り着き、
自分の脚力で進みゴールに帰ってくる。

途中困難な場面もあるがそれも経験。
試練が与えられたのだと毎度理解、
素晴らしい景観に出逢え、
行ったものにしか理解出来ないものがあると
常々思う。

そしてその道は自分の人生、
岐路に例えられると思う。

途中諦めたら終わり。
今の自分の実力を知る良いキッカケになる。
そんな醍醐味に引かれ、山に登るのが好きです。


1月10日。
朝6時に起床。
阿寒、外の気温は-17℃程、、、
思った以上に冷えてるなーと所感。

天候を調べ、
天気は申し分無い程の晴れ。
予報通り風はなく落ちついている。
日中も崩れる心配はなさそうだ。


準備し阿寒湖畔から再度、野中温泉口まで向かう。
片道18km、30〜40分程の道のりで8時頃に到着。

-20℃超の対策

1番考えた事である。
何せ-20℃超で登山なんて今まで体験をした事がない。
せいぜい-10℃超だ。


まず服のレイヤリング。

■ベースレイヤー

ワークマンから展開しているアウトドアブランド、フィールドコアのポリエステル100%
ロングネックTシャツを着用。

1番肌に直接触れるものである。
身体は汗をかく事で
体温を下げようとする役割りがあります。
アンダーウェアはその汗を処理する対応が重要で
化学繊維は汗を素早く吸収する用途を持っている。
伸縮性もあり二重に着ても苦しさはなく丁度良い。



■ミドルウェア

これが意外と悩みまくった。
良いフリースがないかと探し、
ノースフェイスのフリースを地元にて格安で見つけ購入。


素材はgore windstopper
という材質であり、
その名の通り風をシャットダウンする用途がある。
防風性と透湿性が風による体温低下を抑えるとともに、活動時のオーバーヒートのリスクを抑える。
表生地へは耐久撥水加工が施されている。

着心地はフリースながら軽い印象でこれは良い!
とイメージ。

↓↓↓以下概要欄
https://yamahack.com/1124


■ダウンベスト

薄く気重ねていても圧迫感がなく、
それでいて身体の暖かさは継続。
暑ければすぐ脱げる手軽さ。
ブランドはノースフェイス 。
とにかく使い勝手の良いものです。



■アウターウェア

ノースフェイス、クライミングアウターシェル。
勿論goretexの生地で信頼度はあり。
少し薄いが中にも分厚く着込んでるし、
身体を動かすという用途もありこれで対応。



■パンツ

berghausのビブパンツ
毎度BCスキー用で使っているものです。
軽く、生地の素材はアルパイン用途の信頼性もあるgoretex pro。
内側にはスノーゲイター的なものも付いている。

今回用意出来なかった外付けのゲイター、
これがなく冬山に挑むのがとても不安要素だったのだが今あるもので凌ぐと決める。

パンツの内側にはスパッツを履き、
汗の速乾性を対策。



■靴
これは3シーズン用のSCARPAの登山靴で挑んだ。

SCARPA ZG TREK GTX
https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=846

やはり荷物の関係上、増やす事が難しく。。。
全身goretexだがサイドが柔らかく
剛性が弱いのであまり好ましくはないのだと。
ここは反省点かな。



■アイゼン

GRIVEL G10 ニュークラシック
10本爪タイプでハーネス式。

登山靴との相性でズレもなく
良いフィーリングでフィットしていた。
実は今回初めての使用で感想は、
意外と軽いなと。


グリベルのアイゼンは
裏が丸くポコっと膨らんでおり、
雪が底に付くのを防いでくれる用途があるみたい。

実際の所、程よく固められた雪上等、
歩行していて埋まる事はなく歩き易かったです。



■グローブ

black diamondのGUIDEというモデル。
実測-29℃まで耐えられるグローブである。

カメラ機材であったりと途中足を置き、
撮影する事は絶対にあり、
視野に入れる重要素である。
手先だけは1番対策をしたかった。
感想は、本当にこのグローブに助けられた。
-20℃超、素手で晒される有意義な時間は約3分程。
次第に手の感覚が麻痺し、動かなくなり、
再度平常を保つには15分〜程かかりました。
(個人差はあります)


あとは全身の顔を覆うバラクラバ、
ニット帽、
最悪の場合の視界の確保でスキー用のゴーグル。

ストックは伸縮性もあるBCスキーでも使用しているblackdiamondのもの。

ピッケルもblack diamondで軽量性ある
レイブンウルトラ。

ザックもBCスキー用で使っているもので対応。
あと左右のポケットにはホッカイロを。



撮影機材

■SONY α6400+18-105mm F4 G OSS
コンパクトなミラーレス一眼、
AF精度も早く繊細。
いつも山でお世話になってます。
レンズは高倍率の万能レンズ。
基本動画メイン機なのでデジタルズーム。
意外と使い易いです。


■GOPRO HERO 9
hero 6に対して若干サイズアップしたが
画質も向上し、機能であったりとスペックアップした。
タッチパネルの精度は相変わらずだが
前よりは良い。
あと寒冷地に対してのバッテリーの持ちが気になるところです。

■ピークデザイン キャプチャー

ザックのバックルに固定して金具を取り付けられるもの。

カメラ本体やGOPROにはアルカスイス互換プレートを付けっぱなしにして
外し固定が即座に対応出来る。
登山で使っている方も多めですね。
自分は左右付けています。


あとiphone 8 plus

この様な形態で
雌阿寒岳、冬山登山に挑んだ。



登山開始

朝8時45分頃、登頂開始。
登山者名簿を記入し、自身は3人目の登山者。
ここの標高は700m程、山頂は1499m。
厳冬期ここは北海道の冬山。

アイゼンを付けながらの一歩一歩は
次第に慣れ、身体も温まってきた。
グサっ、グサっと雪に刺さる感触、踏み応え、
冬山登山を楽しんでいる自分がいた。



9時40分、3合目に到着。
この辺から次第に積雪が多くなってくる。



森林帯を抜け、次第に視界が広がっていく。
そして積雪も段々と多くなり。。。

40cm程の新深雪ぐらいか。

先駆者のトレースがなかったら
なかなか前に進む事は出来なかったんだろうと
しみじみ思う。


ハイマツエリア

時刻は10時頃、
トレースを辿り4合目に到着。
丁度中間地点です。

ここからトレースは薄くなり、
ハイマツエリアへと変化する。
とても一歩が重く苦戦した。
途中ストックも邪魔になりザックへ収納。
手漕ぎで踏み抜きを一歩一歩と。
時々足が擦れ、枝の間に挟まれば
抜け出すのに困難。。

体力は消費、消費、、、



■ハイマツエリアとは
上の画像、枝が出ている所に乗りながらの歩行です。
試しに廻りの雪に一歩踏み入れば腰上の雪。
雪が、思った以上に深い。。。

上を見上げればトップが見えるが
近くて通い。
下を見下ろせばもうこんな所まで来ていたのかと
気付く。
あー、辛い、、、

ただ天気だけは本当に良く、風も無風。
条件は良い。
あとは自分の気合いだけだと信じ、
心に強く思いを入れ、ゆっくりマイペースで
一歩一歩進んでいった。

休憩を重ね眼下には昨日行ったオンネトーが。
遠く先を連なっているのは大雪山嶺かな。

後方からも登山者がいたので先を譲る。

6合目。
雪に埋もれで登山道の境目はわからない。              

因みに前日オンネトーにて横から撮影した写真はこちら↓↓↓

中央奥の岩の塊が連なっている部分が
登山道らへんでしょうか。
横から見て振り返ると意外と傾斜はあります。

7合目到着。
時刻は11時半頃、標高は1250m程。
ピークまでは12時半までに辿り着きたいと親密に思う。

ハイマツエリアは終わるが今度は深雪。
幸いにもトレースがあり、進む事が出来た。

柔らかい。
靴に付けば雪を落として、、、
と。幾度と繰り返し。
ただグリベルのアイゼンの利点が功を刺したか、
雪にグサっと刺り、思った以上に埋まらなく、
信頼性のあるギヤだなと評価したい所です。

休憩を重ねながら撮影。
やはり自然の造形美は素晴らしい。

そしてこの辺りから岩肌が増えてきた。
途中、下山者から、
「岩の方を回って登った方のが良いよ」
とアドバイスを頂く。
傾斜が更に増したのでピッケルを片手に取る。

■エビの尻尾。
この辺は外輪の辺りです。
普段は風、強いんだろうなと伺う。

携帯の電池は即冷えで電源も落ち、
モバイルバッテリーで対応するもなかなか思う様に充電されない。
カメラのバッテリーも
満タンのものが10分程で空になる。
gopro hero 9は幸いにも生きていた。
やはり寒冷地に対してバッテリーの強度が
旧型と比べ、増していると感じた。

時刻は12時半頃、
ピークに到着。
標高は1499m。
達成感、最高でした。
雪は薄いが風は意外とあり。
普段は猛烈で吹き飛ばされているんでしょうとイメージ。
手の体温、すぐ奪われます。
写真を撮り即座に退散。
3分以上は耐えられなかった。

生きている様に見えるカルデラ地形。
過去に巨大カルデラ噴火があったと考えられ、
その結果、付近の阿寒湖が形成されたとも言われているらしい。

向かいには阿寒富士、綺麗ですね。

帰り下山で撮影した外輪付近の写真。
火口付近を覗けば元気に煙を上げていた。




■下山
足の負担が積み重なっており、
思う様に足が置けない。
そして雪も埋まる。
時刻は1時半、
この日の入りは16時頃。
15時には下山していたいと心に願い体力を消耗しながらも一歩を大事に踏み距離を縮める。



途中休憩中に飲む白湯。
あー身体が温まる。。。
この上ない幸せを感じていた。

写真、gopro以外は電源が落ちている為、撮れない。


再度の壁

下山ハイマツエリア。この日1番辛かった場所かもしれない。
何度も枝の間に落ち、なかなかペース上がらず。
傾斜もあり、休憩もとりにくい。
4合目、、、まだか?まだか?と頭でコール。
。。。疲れ果てても足を止められず、
進めるしかない状況に陥る。。
たった150m程で1時間以上、ここで使ってしまった。

困難を乗り越え4合目も通過し、
やっと3合目まで降りてきた。
時刻は14時半頃。


日も落ちピークは超え、照らされる景色は暖かく、
心もゆとりが出てきた。

午後15時半、
無事下山。


足の指先は凍る程冷たかった。
早く暖かい湯に浸かりたい!
身体は疲れ果てて頭は無になっていたが、
達成感だけはこの上ない形で満たされていた。


夜は阿寒湖畔に戻り、
「両国総本店」というお店で
柔らかく淡白で美味しい鹿肉を
待っていた仲間と堪能した。。。



冬山登山を振り返り

辛いし色々と考えさせられる場面が多かったが
大自然に居る、向き合うのはホントに気持ちが良い。
フラストレーション(欲求不満)の改善にもなる。
こういったブログ等で
あの日を振り返ったりするのは
自身の記憶も心に蘇る。


動画の方も少しは撮ったので
お時間があればまた更新します。
終わり。


最後までご閲覧長々とありがとうございました。

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