ID: INVADEDの異次元トリップ×心理捜査ミステリが最高に面白い

いち亀

概要～ここだけは読んでほしい～

先に要点だけ。現在放送中のTVアニメ「ID:INVADED イド：インヴェイデッド」は、

・殺人犯の深層意識が作り出す世界「イド」を手がかりに事件捜査を行うという斬新な設定
・毎回異なる「イド」の内部の、ユニークすぎるギミックと圧巻の映像美
・世界観をみっちり活かした本格的な推理劇
・捜査チームのスタイリッシュさと、容赦ないバイオレンス
・昏い過去を抱えたダーク系主人公byツダケン

これらが組み合わさり、新感覚の格好いい&面白いを味わわせてくれます、観ような！

以下、詳細

ちょっとお時間ある方、概要でビビッときた方、もう少しお付き合いくださいな。
知ったきっかけは、本noteで毎回のように触れているラジオ「アフター6ジャンクション」での、藤津亮太さんの冬アニメ紹介回。

ほか2作は知っていたんですが、IDは意識したの初めてで。「殺人犯の無意識の世界で捜査する」という世界観が気になったし、ダーク系が欲しくもあったので観てみたら、もう最高で。その衝撃を引きずったまま書き出しています。

まずはスタッフ周りから。
監督はあおきえいさん、「Fate/Zero」「アルドノア・ゼロ」でおなじみの方も多いのでは。
シナリオは小説家の舞城王太郎さん。芥川賞ノミネートに何度も登場されています。お名前だけしか知りませんでしたが、これを機に読みたいところ。

※以下、内容には触れますが、トリックや結末など重大なネタバレはしていないつもりです

あらすじを公式サイトから引用すると、

殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、
犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。
そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして
犯人の深層心理「殺意の世界（イド）」に入り、
事件を推理する名探偵・酒井戸。
頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする
連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」
の影を追っていく。

……という、簡潔ながらも聞き慣れないワードだらけな紹介で。これについては観た方が早いと思いながら、簡単にご紹介します。


今作の設定のキモである意識世界「イド」について。
フロイトが精神分析で用いている「イド（エス）」であり、汲み出すものとしての「井戸」であり、「異土」でもあるというマルチネーミングです（第1話で言及あり）

捜査組織「蔵」は、犯罪現場に思念粒子として残っている殺意からイドを形成し、そこに人（の意識）を送り込むという技術を持っています。
ここで送り込まれるのが、名探偵・酒井戸。主人公・秋人のアバター的な存在です（CVは津田健次郎さん。低音ダウナーフェチにはたまりません）

イドは犯人の精神状態や記憶によって構成されているため、ここを調べることで犯人やその居場所の特定ができます。
しかし、ハードルがいくつか。
まずイドの物理法則は超現実的であり、よそ者に好き勝手はさせてくれない、それどころか排除されます。
加えて酒井戸は記憶ゼロの状態からスタートし、事件を解かなければという使命感のみで動きだしていきます。

酒井戸の行動に伴い、明らかになっていくイドの内部。その情報を受け取り、現実の情報と照合していくのが分析チーム・井戸端。
酒井戸と井戸端の推理を元に、外務分析官や警察たちが現場に展開していくという、3パートによる共同捜査が行われます。この捜査チームの造形やアイテムの格好よさ、「PSYCHO-PASS」が好きな人はきっと刺さりそう。

そしてイドの在りようは、生み出した人間ごとに大きく違っていて。
例えば最初に登場する「バラバラの世界」では、
・住人はどこかしらが欠けている、それを異常とは認識しないことが二重に不気味
・道も家もバラバラだらけ（「ドクター・ストレンジ」もかくやという歪みっぷり）
・酒井戸は「身体が離れる」ことを利用して、腕を飛ばして自身や物体の移動を試みる

……という風に。「こんなんよく思いつくな？」という吹っ飛び方と、それを活かしたインパクト大のアクションが非常に楽しいです。特に1話の情報量や加速感は絶大。
ターゲットとなる犯人ごとにイドは異なるため、毎回あの手この手で吹っ飛んだ世界が楽しめます。

そしてビジュアル面だけでなく、こうした特性は事件のヒントや犯人の精神と密接にリンクしているため、それらがつながったときの爽快感も格別です。最初の「訳分かんねえ！？」からのギャップがいい。


分析チーム「井戸端」が使うガジェットは近未来感が最高で、それでいて議論の対象は「無意識」という人間的・抽象的なモノだというのもいいギャップです。メンバーもいぶし銀から若い女の子まで揃っていて、職人的な掛け合いは気持ちいいです。

↓外回り担当の凹凸バディ


「ミズハノメ」「ワクムスビ」といった、日本神話から引用された固有名詞が多いのも面白いですね。

犯人たちのサイコっぷりもゾクゾクきますが、主人公の秋人も喪失や罪を重ねているらしく（家族を喪っていること、殺人の前科があることが示唆されています）
ダークな魂たちがどんなドラマを見せてくれるのかも期待大です。
闇や狂気が欲しい、倫理観の低いキャラが暴れるの好き、そんな人には間違いなくハマリます。

……という訳で、駆け足で紹介してきましたが。
まずは1話、ご覧ください。遡りだと、以下のチャンネルが対応している模様。

niconico　(ニコニコ生放送／ニコニコチャンネル）
AbemaTV
dアニメストア
NETFLIX
GYAO!
フジテレビオンデマンド
バンダイチャンネル
Hulu
J:COMオンデマンド
ビデオパス
アニメ放題
U-NEXT
Amazon

メジャーどころは漏れなくですし、みんなどれか入っているのでは。

お読みくださりありがとうございました。



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