物真似しか出来なかった

体操をしている人に触れると相手にも体操が伝わる。
体操を身体に閉じ込めると、体操を維持したまま自由に動けるようになる。
ならば、その状態で人に触れると自分も誰かに平均化体操を伝えることができるようになるだろう。

初期の頃、平均化訓練を教える側に立ちたいと思った人はたくさんいたが、多くの場合この仮説にたどり着いたのではないだろうか。
僕もそう思っていたし、おそらくこの考えは間違えてはいない。
ただ、これは理屈が間違ってないというだけだ。
この理屈だけで人に体操が伝えられるというわけではない。

それにやってみようとしたところで、当時は説明にしても振る舞いにしても先生の物真似にしかならなかった。
それもそのはずで、説明も何も整理されてない状態で僕らができることなんて先生のやり方をなぞるくらいだったのだ。
平均化訓練の理論が整理され、学習側の出来ることが物真似を越えるまでにはずいぶんと長い時間がかかった。

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