言い訳の向こう側
背中を殴ってきたことを謝ってきても許さないでしょ、と言われたことがありました。
それは確かにその通りで、正直なところ謝ってもらうよりも損なわれた諸々の事柄について補填がほしいと思う。
そもそも謝ることだって、形式をなぞるだけでは虚無的な言い訳とそんなに変わらない。
いろいろと言い訳はあったし、それはずいぶんとひどいものだったけれど、そうまでしてなんで謝らない努力をしなければならないのだろうか。
相手が僕に向けた態度や言葉はまだよく覚えているけれど、目眩しのようなそれらの向こう側にはやっぱり相手の心の働きがあるように思える。
そこに思いが至って、なるほど謝れないんだなとひとつ納得ができた。
少しさみしい気もするけれど、それでなんだか冷静になれて、僕が相手に謝ってほしいと思っていることも、もしかしたら相手を追い詰めるものだったのかもしれないと感じた。
体操を通して感じる人と人の心の繋がりは、奥深いし面白さもあるけど、同時に油断ならないものだなとも思う。
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