共有できるかたち

2015年の秋も終わる頃、しばらくの休止期間を挟んで再開した講座で、今ではすっかりおなじみになった2人1組で手のひらを合わせて押し合う体操の誘導方法が紹介された。
その日の講座は、先生の指導ではなく参加者の実習が中心となった。
その講座の後、これなら先生がいない場所でも体操ができるのではないか、そしてこのやり方なら僕でも体操を紹介することができるのではないか、という感想を先生に伝えたことを覚えている。

これが2016年以降の平均化訓練の研究に繋がっていくことになる。
この先、何があるかと言えば、ただ説明や実習が整理されるだけとも言える。
正直なところ、体操としてやっていることは2人で押し合うかたちが現れる前後でもそう変化ははない。
しかし、体操が共有できるものになったということは大きな出来事だった。
平均化体操は普遍的な人の身体の仕組みの上に成り立つものか、あるいは先生が技術で導いているものなのか。
そんな問いもあったが、2人で押し合う形はそれに対する答えであったように思う。

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