感謝することで得られる愛の感じ方
愛と聞いて思いつくものにどんなものがありますか?私たちがすぐに思いつくものでも、いろんな形がありますよね。私たちが一緒に暮らしている、もしくは離れているけれども大事に思っている家族への愛、世話をするだけの一方的なものではなくて時には私たちの心を癒してくれるペットへの愛、ドラマや小説などで描かれる恋人への愛など。最後の恋人への愛なんかが一番皆さんがピンと来るものなのではないでしょうか。
「愛は私たちにとって必要なもので、誰かに愛されたり愛したりすることで自分は生きていると実感できるものである」という人もいると思います。ドラマや小説などで描かれる愛は身を焦がすような苦しいものや、不倫や二股など「愛ゆえに一線を越えてしまうことも仕方がない」と免罪符をもらっているように見えるものもあります。
そもそも愛とはなんなのか?今回は、仏教的な愛の考え方から、愛を感じる方法について考えていきたいと思います。
目次
仏教での愛のとらえ方
感謝することで得られるもの
日々の生活での活かし方
仏教での愛のとらえ方
仏教ではこれらの愛の形にはいくつかあると説かれています。
タンハーは十二因縁の一つで、渇愛と訳されます。激しい執着や愛着、それ無しではいられないという強い願望や欲求のことです。
中でもカーマタンハーは、欲愛と訳されるもので、感覚器官によって得られる刺激や快楽への渇愛のことです。地位や名誉、お金、容姿などへの過剰な自己愛のことでもあります。「悟りへの障害」といわれる愛です。
ドラマや小説で描かれる愛といえば、このカーマタンハーが多いですよね。貧乏な家に生まれた人が地位や名誉を手に入れて素敵な王子様やお姫様と結婚するお話や、田舎出身のダサイと馬鹿にされていた女の子が都会で洗練されて活躍するお話など、刺激的で面白いです。私たち視聴者も知らず知らずの間に、刺激を求めていますね。
一方で、仏様の慈悲といわれる2つの愛もあります。メッターは慈と訳され、生きとしいけるものに深い友愛の心、慈しみの心を持つことです。カルナーは悲と訳されるもので、生きとしいけるものに共感や同情の心をもち、その苦しみがなくなることを願う心のことです。
これは、相手のためにこちらが与える愛のことと言い換えることもできると思います。現代人は、自分が認められたり、優れていたりすることで生きる価値や意味を見出しすような、タンハー的な愛を求めていることが多いのではないでしょうか。
自他ともに広く愛するということよりも、他人と比べて、誰よりも多く愛されることに意味があると思っている人もいるのではないかと思います。
愛されたい、感謝されたいと思う心はどうしたら良いのでしょうか。
感謝することで得られるもの
愛されたいと思ったら、愛することです。愛するってどうしたらいいのでしょうか。感謝することです。
「愛することと感謝することがどうして一緒になるの!」と思われるかもしれませんが、まあ聞いてください。
ある実験で、ホスピスに入っておられる方で感謝を口にすることが多い方ほど痛みを感じにくいという結果が出たそうです。その痛みを感じにくくしてくれるのが「オキシトシン」というホルモンです。幸せホルモンとも呼ばれるこのホルモンが分泌されることによって、「自分は愛されている」と感じたり、「周りの人と良好な関係を築きたい」という思いが湧いてきたりすると言われています
また、「ヘルパーズ・ハイ」といって、人に親切にしたことで脳内ドーパミンが分泌され、幸福感をもたらし、オキシトシンが分泌されるという研究結果もあります。
愛されたいという思いは、感謝するという行動によって得ることができるということが、現代科学によって証明されたということがわかっていただけましたでしょうか。
日々の生活での活かし方
では、日々の生活の中でどのように「感謝」を実践していけば良いのでしょうか。
私は恋人はいません、家族もペットも、介護が必要な方も近くにはいません、とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんね。
感謝を伝える人は何も、身近な人に限らなくても良いのです。
例えば、車に乗っていて歩行者に道を譲る時に少し笑顔になってみる、譲ってもらったら笑顔で感謝を伝える、日頃の感謝を込めて誰かをお茶に誘ってみる、誘ってもらったら感謝を込めて参加してみる。
このように、感謝をもらったら感謝を返す、そんな循環が世の中を愛で満たしたり、みんなが幸せになっていく一つのきっかけになるのではないかなと思います。
また、幸せホルモンのオキシトシンは、感謝を口に出す時だけではなくて、他にも分泌する方法はあるそうです。
アロマや線香など好きな香りを嗅いだり、音楽や小説などで感動したり、瞑想したりすることでも幸せホルモンは分泌されます。
人との関わりだけでなく、自分自身の体や頑張りにも感謝して、まずは自分自身を愛で満たすことも大事なのかもしれませんね。
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