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とまの話。精神神経科

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16才とま 鬱病で入院したんだ。2020年3月
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#エッセイ

16才とまの話4。精神神経科

四日目  僕が精神病棟の十一階に上がろうとしたら、母子がエレベーターの前に立ってたんだ。…

苺大福
4年前
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16才とまの話5。精神神経科

五日目  人生初めて、東京大学に足を踏み入れちゃった。壮大で小綺麗なとこだよ。小さな森の…

苺大福
4年前
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16才とまの話6。精神神経科

六日目  今朝は、目が覚めてすぐに恒例の動悸が始まった。それに胸が激しく焼けるのを感じた…

苺大福
4年前
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16才とまの話9。精神神経科

  十二日目  昨夜面長先生がやってきて、「ちょっとお話しませんか」と言った。いつもは風…

苺大福
4年前
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16才とまの話10。精神神経科

  十三日目    病院の中庭は、地と空を隔てる物もなく、鳩の住居である木々が生い茂る、唯…

苺大福
4年前
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16才とまの話11。精神神経科

  十七日目  僕のいけないところは、「白か黒か」で生きていることらしい。確かにそうだ。…

苺大福
4年前
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16才とまの話12最終。精神神経科

  十九日目 面長先生とこないだ陶芸をやったが、ついに小皿が完成したんだ。僕のと、先生のが。もちろん帰ったら見せるよ。 面長先生に僕をただの患者のうちの一人として見てほしくなかったが、確かな僕の証拠を彼は自分の陶芸に反映するだろうな。僕は僕の苦悩を持つとまという存在。先生は透き通るように青い彼の陶器を目にするにつけ、患者の枠から外れた僕を想起するだろう。彼は陶芸の際白衣を脱いでいたことは以前言ったが、それも僕を一人の人間として思い出す助けになるだろうね。どうかあの皿が割れま