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虹色のおふとん〜三羽 烏さんの企画参加

 あこちゃんは5歳のもうすぐお姉さんになる女の子。

 ある晴れた日、お母さんがお昼寝をしているときに「あのおふとんを赤ちゃんのために干しておこう!」と思いつきました。
あこちゃんが生まれた時におばあちゃんが買ってくれた虹色のふとんです。 「お母さん喜んでくれるかな?」押入れからふとんを出して踏み台に乗って物干し竿に掛けた時、ぴゅーっと風が吹いて虹色のふとんは風に乗ってふわりと飛んで行きました。

「うわ!どうしよう、追いかけなくちゃ!」あこちゃんは自転車に乗ってふとんの後を追いかけました。
「待って!おふとん待って!」大きな声で呼んだけどぐんぐんと空の方へふとんは飛んで行きます。

そこへお隣のコリーが走ってきて「あこちゃん、ふとん飛んで行ったのかい?ボクも追いかけるから気をつけて来るんだよ。」「わかった!」まだ自転車に乗れるようになって日も浅いあこちゃんは返事するのが精一杯。コリーを見失わないように一生懸命ペダルを漕ぎます。
ブロック塀を散歩していたニャン太にツバメのスーも加わってみんなでふとんを追いかけました。だけど丘の上に着いた時に見失ってしまいました…スーが「ごめんね、わたし空を飛んでいるのにいつの間にかどこかに行っちゃって。」と申し訳なさそうに肩をすくめました。
「ううん、いいの。おふとん干さなきゃ飛んで行かなかったのに、赤ちゃんにあのおふとんを掛けてあげたかったのに」そう言うとあこちゃんは泣き出してしまいました。
…しばらくすると、泣き疲れたあこちゃんは眠ってしまいました。

 みんなもしゅんとしてしまったその時、ふわりと虹色のおふとんが飛んで来ました!
コリーがジャンプして咥えるとニャン太が飛んで行かないようにふとんを押さえます。そしてすやすや眠るあこちゃんにそぉっとふとんを掛けてあげました。

 「あこちゃん!起きて!」優しい声がします、誰だろうと目を開けるとおばあちゃんがいました。「駅から見えたのよ。さぁ帰りましょう。」「あのね、おばあちゃん、おふとんがね…」泣きそうになりながら話すと足元におふとんがありました。
「おふとん帰ってきた!」「良かったね、みんなもありがとね。」とおばあちゃんはみんなを撫でました。

 そしてみんなを車に乗せて家に帰ると外でお母さんが待っていました。
「お帰り。ふとん洗おうね。」笑顔で言いました。
もう飛んでかないように!ポンポンとふとんを叩きました。

こちらの企画に参加します。

ほわーっと考えていた物語です、読んでくださりありがとうございました😊







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