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VRに足りないものが、おしっこには含まれているんです。

人物紹介

たかやまさん

金髪スレンダーガール。大食い。高いとこ苦手。

いちがやさん

文化系メガネガール。本屋とビール好きの一般参加。

ささづかまとめちゃん

ヤマザキの3本入り激安団子うまい。背が高い。わたし。


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本文です

いちがやさん
「お腹いっぱいになった?」

たかやまさん
「ならないけど、味はよかった」

ささづかまとめ
「やはり一杯のジャージャー麺ごときでたかやまさんのお腹を満たすことはできませんね」

たかやまさん
「そっちのラーメンは?」

いちがやさん
「普通においしかったよ」

ささづかまとめ
「青葱ラーメン、まずまず美味でしたね。スープの塩加減がちょうどよくて、身体の浸透圧に合ってる感じで」

いちがやさん
「浸透圧……」

ささづかまとめ
「はっ、そうでした、深い話をするんでした」

たかやまさん
「そうだった、お店出て少し散歩しよう」

いちがやさん
「思い出しちゃったか」


ささづかまとめ
「VRでホラーコンテンツに触ったことってありますか?」

いちがやさん
「VRってあの、ゴーグルする?」

ささづかまとめ
「そうです、そうです」

いちがやさん
「私ホラーはやったことないな」

たかやまさん
「私はある」

ささづかまとめ
「たかやまさんは一緒にやりましたもんね。あれって結構怖いですよね?」

たかやまさん
「そうだね。最近はちょっとパターンに慣れてきたけど、始めた頃は怖かった」

いちがやさん
「だいぶやってるんだ」

たかやまさん
「うん」

ささづかまとめ
「わたしも何度かお友達とやったことあるんですけど、ワールドによっては、現実のお化け屋敷とか心霊スポットとかより明らかに怖いんですよ」

いちがやさん
「へえ、そうなんだ」

たかやまさん
「わかる」

ささづかまとめ
「どうしてだと思います?」

たかやまさん
「関係ないかもしれないけど、私は身体が二分されているのがちょっと気持ち悪い。視覚と聴覚だけVRの世界にいて、他の感覚は自分の部屋にいるから。ホラーだとギャップがあるから尚更」

ささづかまとめ
「あっ、いいですね。つながりがないんですよね、VRって」

いちがやさん
「つながり?」

ささづかまとめ
「いっしょに遊んでくれるお友達とか、驚かせてくるお化けとか、そういう自分以外の存在との間に、温度のあるつながりがないんです。VRだから当然なんですけど。これが怖い原因だなって思ったんです」

いちがやさん
「たとえば手がつなげないとか、そういうこと?」

ささづかまとめ
「そうですね、そういうのもありますね。もっと微かなものでもいいんです。前を行く人の髪から漂う香りとか。吐息から感じる湿気とか。そういうのがない世界にいるのって、普段の生活と比べて情報量が足りないので不安になるんですよ。それが怖さを助長するんです」

たかやまさん
「どうしたってアバターだから」

いちがやさん
「しかたのないことだよね」

ささづかまとめ
「何が言いたいかというと、人はおしっこするとき、そこにおしっこの存在を感じて安心するってことなんです。これがおそらく、おしっこするの気持ちいい、の原点なんですよ。VRに足りないものが、おしっこには含まれているんです」

たかやまさん
「おしっこは情報量が多い、というのはすごくよくわかる……!」

ささづかまとめ
「わかってくれますか!」

いちがやさん
「えっと……、わからなきゃだめ?」

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