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武蔵野美術大学大学院市ヶ谷キャンパスで修了展1日目が終わりました。

ということで、1日の振り返りです。予想より多くの方々にご関心をもっていただけて感謝しております。まだあと2日ありますが、既になかなか疲れております。

私は基本的に引き籠っているほうが好みと言いますか、人間が5人以上いるとひどく疲弊してしまうので「在廊」はなかなか大変でした。途中、昼食で抜けたりしましたが、10:00-20:00 まで一応いました。地下2階の人数のピークは午後3時くらいかなぁと思います。

きっとそういうことがないと信じていますが、私は人間の顔と名前の記憶力が著しく低いので、気づかなくても気にしないでください。目が合ったとしても本当に気づいていない可能性が高いです。その際は、大変恐縮ですが、声をかけていただけましたら幸いです。声をかけても反応がないときは、ロンドンの上空を飛び回っているかもしれません。

私の研究タイトルは「法の伝達に関するデザインの研究」であり、研究概要として「法律の専門家に向けて、市民に法的思考を伝達するためのコンテンツの制作に関し、4つの指針を提案する」と記載しています。が、展示自体は一般向けですので――つまり根本的な矛盾を抱えていますが——一般の方々でも理解できる内容だと思います。ただし、ほかの方々とは大幅に異なり、私の研究は、私個人の色を極力消していることにご留意ください。このような思想を採用している理由はここでは述べませんし、どこでも述べていますが、誰にも述べたことはありません。キャラクター性が強い人たちに出会うことが多いためか、近年は思っていても言わないことが急速に増えました。私が何を言わなかったか、私自身で見返してみるのも悪くはないかもしれません。

研究のご紹介は現地で気が向いたらきまぐれに行いますので、ここでは、ある程度は私の色を残している展示用自己紹介文を意味もなく解説しておきましょう。私の自己紹介文では、次のラテン語の警句を引用しています。

Difficilis facilis, iucundus acerbus es idem: 
Nec tecum possum vivere, nec sine te.

Martial, Epigrammata, XII, 46

ラテン語を読める人は少なく、つまり私は現地でこれを読ませる気はありません。むしろ、何としても読ませたくありません。しかし、あえてこの場で訳してみましょう。これを日本語に訳すと、たとえば、次のようになります。

気難しかったり付き合いやすかったり、愉快だったり辛辣だったり、どれもあなたです。あなたとは生きられず、あなたなしで生きられません。

マルティアリスの意図は留保しますが、かなり両価的な書き方になっていることがわかります。私はこのことを私の研究内容に関連させて自己紹介で用いました。

末尾になりましたが、武蔵野美術大学大学院造形構想研究科では「そんじゃーね」が相応しいとされることはないと思いますので、「それでは、また明日。」と言っておきましょう。

(執筆者:平塚翔太)

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