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絶望の1秒前は希望の始まりでした

私は今、高校の屋上にいます

半年ほど前からクラスメイトに虐められる日々です

最初の頃はあまり気にしてなかったのですが最近になってどうしても耐えられなくなってしまいました

和 : ここから飛び降りたら楽になれるのかな…

そんなことを思いながら飛び降りるために手すりを上る

和 : お母さん、お父さんごめんなさい…

それだけ言い残し飛び降りようとすると

○○ : ちょ、ちょっと、何してんの?

突然後ろから声がしたので私は振り返ってしまう

そこに居たのは制服を着た男子生徒

和 : …いきなりなんですか?

○○ : いや、見るからに自殺しようとしてるから

和 : 見ず知らずの人が何してても首を突っ込まない方がいいですよ

○○ : そうは言われてもね…

和 : …なんで屋上まで来たんですか??

○○ : いつもここで授業さぼってるんだよね笑

和 : そうですか…

○○ : あ、話だけでも聞かせてくれないかな?

和 : 止めるつもりですか?残念ですけど何言われても死ぬつもりなので無駄ですよ

○○ : 死ぬって選択は尊重出来ないけど止めるつもりは無いよ

和 : じゃあなんで…

○○ : 話すだけならタダじゃん?それに誰かに話したら楽になれるかもしれないし

和 : …

○○ : ほら、とりあえずこっち来て何があったのかだけでも話してよ。死ぬのならそのあとでもできるんだし

和 : えーっと…

○○ : 俺の名前は○○。君の名前は?

和 : 井上和です

○○ : 和ちゃんか…いい名前だね

和 : そうですか?ありがとうございます

○○ : それで和ちゃんはなんで自殺なんか?

和 : 実は半年前ぐらいからクラスメイトに虐められてるんです…

○○ : うわ、酷い

和 : 最初の頃は気にしてなかったんですけど最近になって耐えれなくなっちゃって…

○○ : そっか…

和 : 私はただ楽しく弓道がしたかっただけなのに…

○○ : 弓道やってるんだ?

和 : 部活だけですけど…

○○ : 奇遇だね。実は俺も弓道やってんだ

和 : あれ、○○さんって弓道部ですか?

○○ : 和ちゃんって何年生?

和 : 2年生です

○○ : じゃあ多分俺の事知らないよね笑

和 : え、どういう意味ですか?

○○ : 忙しくて2年になる時に部活辞めちゃったんだよね笑

和 : そうなんですね笑

○○ : あ、笑った

和 : あ…

○○ : 元々可愛いなとは思ったけど笑ってる方が可愛いね

和 : 可愛い…ですか?

○○ : うん、とっても

和 : ありがとうございます…///

○○ : 1つ提案なんだけどさ俺と勝負しない?

和 : 勝負ですか?

○○ : うん、そう。もし僕が弓道で勝ったら和ちゃんは自殺を辞める

和 : 止めないんじゃないんですか?

○○ : そのつもりだったんだけどなんか和ちゃんが死んじゃうのは嫌だなって思って

和 : じゃあ私が勝ったら何してくれるんですか?

○○ : なんでも言うこと聞くよ笑

和 : いいですよ。その勝負乗りました!

○○ : え、いいの?

和 : 勝てる自信しかないので大丈夫です

○○ : じゃあ今から道場行こうか

和 : なら私着替えてきてもいいですか?

○○ : もちろんいいよ

和 : ありがとうございます。じゃあまた道場で


和 : すみません。お待たせしました

○○ : 全然大丈夫だよ

和 : 勝負ってどうやるんですか?

○○ : いきなりサドンデスにする?

和 : なら私から引いてもいいですか?

○○ : 全然大丈夫だよ

和 : ふぅ…

シュパン

○○ : うわ、上手いな…

和 : へへ、どうでした?

○○ : めっちゃ上手いね

和 : こう見えても弓道だけはできるんですよ?

○○ : 俺も負けてられないな…

シュパン

和 : え、凄い!

○○ : なんかゆっくり構えると緊張しそうだったから早く引いちゃった笑

和 : よくあれで当てられますね

○○ : うーんまぁ、今までの感覚だよ

和 : 私も負けれないな…

そんなこんなで続けること15分

和 : 負けた〜…

○○ : 意外と続いたな…

和 : 悔しいな…

○○ : まぁこの後は和ちゃんの自由にしてね

和 : この後って?

○○ : 死ぬかどうか

和 : え?

○○ : 僕的には死んで欲しくないけど人生の選択に他人が口を出すのはよくないと思うから

和 : はぁ…

○○ : じゃあまたどこかで会えたら

和 : …ま、○○さん!

○○ : ん?

和 : 私○○さんのことが好きになっちゃいました

○○ : そっか…

和 : だから、その…

○○ : はいこれ、連絡先

和 : え?

○○ : 今日知り合ったばっかりだしもっとお互いのこと知ってからね

和 : は、はい!


〜現在〜
和 : そういえばそんなこともあったね

○○ : いつものようにサボろうと屋上行ったら自殺しようとしてる人がいるんだから驚いたよ笑

和 : そういえばあの日からいじめられなくなったんだよね

○○ : そっか、力になれたみたいで良かった

和 : え、なにかしたの?

○○ : クラスに乗り込んでいじめはするなって言っただけ

和 : え、そんなことしてたの?

○○ : まぁいいじゃん?そのおかげで今こうして和は生きてて俺たちは付き合えてるんだし

和 : そういえばなんであの時助けてくれたの?○○の性格を知った今考えたら凄くありえないんだけど

○○ : 一目惚れしたからって理由じゃダメ?笑

和 : 何それ、でも○○らしい笑

○○ : これからもどんなことがあっても支えるから死なないでね?

和 : 寿命と頑張って戦うよ笑

○○ : 俺も頑張って戦うぞー!笑

〜Fin〜

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