河内遙先生トークイベント&サイン会レポ
ちーと申します。
敬愛する河内遙先生のイベントに行くことができたので、レポを書いて残しておきたいと思います。
河内遙先生とは
河内遙先生は東京都在住の漫画家です。
現在、祥伝社フィールヤングで「ムサシノ輪舞曲」、講談社Kissで「涙雨とセレナーデ」を連載中。
私は漫画メインのX(旧Twitter)アカウントにて、信頼できるフォロワーさんたちが「涙雨とセレナーデ」について語っているのを見たのがきっかけで読みはじめ、ファンになりました。
女性のたおやかで伸びやかな線。
男性のしたたりおちそうな色気。
世界観を彩る描きこまれた風景。
ことばの美しさ。
何かしら欠落したものを抱えて奮闘する登場人物たち。
そういった作風に強く惹かれています。
先生のこういうスタンスも大好きです。
↓
ちなみにこちらは去年、フィールヤング編集部主催でオンライン開催されたスペースの内容です。
河内遙先生と担当編集さんが2時間トークを披露してくださいました。
そのとき、おふたりの軽妙なトークにすっかり魅了されてしまったのです。
トークイベントに向けての準備
今回、その時のコンビでトークイベントを開催するとのことで「ぜったい面白いやつ!!!」と確信して即チケットぽちり。
家には幼児がいるのですが、今回は「どうしようかな」ではなく「何とかする」スタンスで家庭内スケジュール調整しました。笑
漫画好きですがサイン会は初体験。
何を用意したらいいんだろう…と悩みつつ、準備しました。
ファンレターのために銀座のitoyaへ行き、便箋を選びました。
選びきれなくて4種類も買い込んで直前まで悩み、結局いちばんシンプルかつエレガントなものを選びました。
プレゼントは悩んだ結果、消えもののお菓子に。
最初は先生の趣味にまつわるもの(手芸、ラジオ)を考えたのですが、こだわりのグッズをすでにお持ちだと思ったので。
ムサシノ輪舞曲3巻の表紙にちなんだ花束も考えましたが、イメージに合うものをなかなか見つけられずに断念。
本当は美容室にも行って小綺麗にしたかったけど前週末から風邪をひいてしまって行けず…!
って、初デート前にそわそわしてる学生みたいですねw
限られた時間の中でできるだけの準備をして、当日、会場の青山へ向かいました。
開場前に河内先生ファンのXのフォロワーさんたちと合流してプチオフ会。
ほんとに皆さん良い方たちで、楽しい時間を過ごせました。
おかげで「河内先生に会う」という出来事を前にしても、ほとんど緊張しなかったように思います。
(ご一緒してくださった方々、本当にありがとうございました✨✨)
青山ブックセンター初訪問
イベントの時間が近づいてきて、会場の青山ブックセンターへと向かいました。
店内には案内がたくさん立っています。
コミック棚には河内遙コーナーが👏
複製原画の展示も!
「ぎゃームサシノ輪舞曲3巻のヤバイシーンが目白押し💕」と大興奮で見入ってしまいました。
コミックコーナーには他にもサイン色紙がたくさん。
青山ブックセンター初訪問のわたくし、興奮しながら棚を堪能して、いざイベント会場へ!
まさかの原画展示
入場してみると前方に人だかりが。
なんと、ずらりと並ぶ原画を間近で観られるようになっています(!)
とんっでもないサプライズ😭😭
直前にXで告知されたようなのですが、まったく知らなかったのでびっくりしました〜!
撮影OKだったカラー原画の写真を何枚か載せてみます。
(観るのに集中してて写真ヘタクソですみません😂)
もともと原画展がだいすきな私。
もうこの展示だけで参加費のモトが取れた気がします!
しかし驚きはこれだけではなかったのです。
なんとクロッキー帳を、自分でめくって見て良いとのこと。
直接手を触れる!?!?
そそそそそそそそんなことある!?
もう全身ガクブルですよ…!!
ページをめくる手がリアルに震えました😂
周りの方々も同じ気持ちだったようで、近くにいた参加者の方々と「これやばいですね…」「ドキドキしますね…」と言いながらじっくり鑑賞させていただきました。
河内先生の生原画はすごいパワーを持っていて、眺めながら何度か呆けそうに。
少ない線なのに伸びやかで的確で、複雑なポーズでもデッサンの狂いがなくて。
目線はこちらを射てくるし、ちょっとしたポーズでキャラの性格や可愛さかっこよさがにじみ出ています。
このクロッキー帳は昨年のスペースに関連して写真の投稿を拝見していたのですが、生の迫力のレベルが違いすぎました。
本物の持つ力って本当にすごい。
震えました…!
トークイベント開始
ギリギリまで原画を見て、いよいよイベント開始。
拍手とともに河内遙先生と担当編集さんが登場です。
河内先生はめちゃくちゃおしゃれ✨
そして色白美人♡
小顔すぎて私の半分くらいしかない。笑
2023年1月、まんが未知という民放番組のイベントでも映像出演されていましたが、その時の印象よりもさらにほっそりされたような。
(入院の影響かしら?どうかご自愛いただきたいです💦)
声もきれいですし、細かい仕草がとてもキュート。
ご一緒した方は「芸能人みたい…!」とびっくりしていました。
登壇されたら、感極まったように涙目に。
以下、細かい表現は違うと思いますが、印象的だった内容(のうち、書いても支障なさそうなもの)を記憶の範囲でご紹介します。
(順番も入れ違ったりしていると思います、すみません💦)
河内先生は最初から涙目でした。
「こういうイベントは9年ぶりで…どのくらい集まってくださるのかもわからなくて…」
「風邪とかもあるのに…」
隣で担当編集さんが横で「とても喜んでおります」と解説してくださいました。笑
続けて「でも本当に、お忙しい中でこうして皆さんがここに集まってくださったこと、それだけで大きな力になっております。ありがとうございます!」と心を込めて話していただいて、とても沁みました。
河内先生もですが、担当編集さんも本当にお話が上手なのです。
・河内先生
「サイン会って誰でも呼んでもらえるわけでもなく、しかも過去にそうそうたる作家さんたちが使ったこの会場に登壇できるなんて…。
本当にありがとうございます。
自分ではできないんですけど、スタッフにイベント告知ページをスクショしてもらいました」
・担当編集さん
「河内先生は語彙が豊富で話すのが上手いので、事前に細かい内容の打ち合わせはしませんでした。だからこれから話す内容は把握していないので、私もドキドキしています」
・河内先生
「ムサシノ輪舞曲で描いていて楽しいのは武蔵原きょうだいです。文太と環。環はクセが強いとか言われるけど、こういう人って魅力的だなと思って描いてます。
文太は初期設定よりもはっちゃけたかなと。でも文太と元カノだけ設定がずしんと重いので。
阿川が文太と同じ境遇だったら、被害者意識みたいな顔してると思う」
・河内先生
「女性は自分を投影せずに描いている。こういう人魅力的だな、っていう性格になってます。
男性は自分と遠い存在だからこそ、ちょっと自分のうじうじしたところなんかが投影されていると思います。
阿川と衣笠は、かっこよく描くというより、気持ち悪くならないかすごく気をつけてます」
・河内先生
「今年4月5月に入院しました。緊張入院だったので(荷物を取りに行けなかったので)、簡易ラジオと折り紙を買って、簡易ラジオを聴きながら折り紙の裏にイラストを描くというのをしてました。
よくラジオの投稿で、“今入院中で毎日ラジオを聴いています”というのがあって、入院中だから読まれるんじゃないかなと投稿したら採用されました!2週連続で!」
・担当編集さん
「河内先生はすごく絵が上手い。ふつう男性キャラをかっこよく描こうとすると、瞳と眉の間は短くなるんです。でも河内先生はそこが広い。さらに衣笠は片眉をしかめてる。すごく難しいはずなんですが、先生は毎回ピシッとかっこよく描かれる。ここ(瞳と眉)が広くてもかっこいい男性を描く、漫画界でもすごく稀な先生のひとりです」
・河内先生
「アイコンとしての王子様を描く、という感じにならないようにしています。周りからモテたりして、結果としてそのように見えたとしても、それはただかっこいいというのではなくて、人と人との関わりの中で結果的にそうなったんだというか…。
美男美女を描く某先生も同じようにおっしゃってました」
・河内先生
「自分はきっちり狙った作為的な演出ができない。だから伏線を張って、ここのコマでこうやって見せる、みたいな作り込みをする先生はすごいと思う。漫画が上手い、という表現はよくないけど、面白くてすごい」
担当編集さん
「確かに、河内先生は営みを描くという感じだと思います」
・河内先生
「連載中の物語は頭の中で時間がずっと続いてる。いったん止まるともう一度物語の世界に行くのに旅費がかかる感じで(大変)。
入院中も、絶え間なく頭のどこかで考え続けてました」
・河内先生
「TLに憧れるけどああいうのは描けない。ティーンズラブには女性の夢が詰まってる」
担当編集さん
「確かに女性の欲望が詰まってますね」
河内先生
「BLも描けない」
担当編集さん
「BLは描けるのでは」
・担当編集さんからは「完璧主義」という単語が何度も出てきました。
(河内先生はもうじゅうぶんすごい漫画家さんだと思うのですが、トークイベントの中でも終始謙遜されていて、ご自身のことを認めるハードルがとても高いことがうかがえました)
「河内先生は完璧主義で、ネームが切れてるはずなのに、他人に見せられると判断するレベルが高いから、悩んでいる時にはなかなか見せてもらえない」
「河内先生は目指すところがすごく高い。めちゃくちゃ高みの先生を見て自分はああいうふうには描けないと言ったりする」
河内先生
「(他の先生を目指すというか、)この漫画すごいねと言ったりはしてると思う。他の漫画家さんのインタビューを読むのはすきで、何とかしようとして色々読む。でもまったく取り入れられない」
・河内先生
「今日は本当にわざわざ来ていただいてありがとうございます。しかも有料イベントで…未来の支払い方法で…(※注 Yahooペイメント決済でした)」
「歌ったりするわけでもなく、何か特技があるわけでもないふつうのトークなのに。手品とかできたら良かったんですけど」
担当編集さん
「特技は漫画ですよ?」
・河内先生
「10年後にもこんなイベントをやってもらえるように、何とか生き残っていきたいです」
担当編集さん
「12月2日にXスペースで、河内先生と雁須磨子先生のトークイベントを予定しています。10年後と言わず、ぜひオンラインでご参加ください。今回とはまた違ったテイストになって面白いと思います」
トークイベント後に展示品追加
糸紡ぎ用のスピンドル、羊毛、紡いだあとの毛糸を見せてくださいました。
糸を触ってみたらすっごくふわふわ♡
ちなみに担当編集さんのライトグレーのセーターも河内先生の手縫いでした。「本のパターンそのままだから」と謙遜されていましたが、素人目にも本当にすてきでした。
トークイベントで、文化放送の「浜祭」に行って感激して、そのあとにイラストを送ったら番組に取り上げられたというお話もありまして。
そのイラストが追加展示されました。
ムサシノ輪舞曲3巻のサイン会
トークイベントの最後に重大発表が。
なんと、サインで宛書き&好きなキャラを描いてくださるという大サービス!!
上品な方々が集う会場で、思わず「ギャー!!!」と悲鳴をあげてしまったことをどうか許していただきたい。
ど、どういうことなの…!?
そんな贅沢が許されるの!?
聞き間違いかと思いましたが、夢ではなかったです。
先生が読者ひとりひとりとお話ししながら、丁寧にサインとイラストを入れてくださってます。
大好きな先生が自分だけのために!!!
クラクラしますね………💫💫
サイン会では皆さん河内先生と楽しそうにおしゃべり。
直前まで何を話そうか迷ったのですが、前の方が野球トークを繰り広げていらしたので私も野球にしました。笑
「リクエストをよろしく」で神宮の瓶ビール売り(男子の売り子)が出てきたのがすごく嬉しかったこと。
→全国10箇所以上の球場へ行きましたが、仕事終わりの神宮で飲むサッポロ瓶ビールがいちばん美味しかったので♡
(贔屓球団の本拠地は別格です)
神宮の瓶ビールの売り子は廃止されてしまったので、余計に作品の中で描写が残ったのが嬉しかったのです。
応援している球団を訊かれたので「文化放送のライオンズナイターを聴いてる系の…」と申告したら、文化放送贔屓の河内先生に喜んでいただけました。
(私もめちゃくちゃ嬉しかったです♡)
謎に包まれていた先生の推し球団も、前の方のトークの流れでこっそり教えていただきました。
(公表されていないので明記は控えます💦)
その合間にも手元ではサインとイラストが着々と。
私は阿川くんを描いていただきました!
この太い線でしっかりキャラを描き出す…
神業です😭😭😭
サインもコロンと可愛らしくて💕
家宝にします!!!!!
お菓子と手紙を入れた紙袋をお渡ししたら「お手紙嬉しいです!読ませていただきます」とわざわざ伝えてくださって。
その優しさに舞い上がってしまいました。
他の方がみなさん握手していたので、私も思い切って最後に握手をお願いしてみました。
ああ、神の手に触れる緊張…!
白くて細いあの手で作品が生み出されているんですね。
すごい、本当にすごいことです。
お土産まであって至れりつくせり
ムサシノ輪舞曲のクリアファイルに絵はがき、
そしてムサロン新聞です。
新聞は折りたくなかったのですが、サイズが大きすぎてバッグの中でグチャグチャにしてしまう未来しか見えなかったので、目をつぶって強い意志で二つ折りにしました。
(A3サイズのクリアファイルを持参する発想を持たなかった過去の自分をぶん殴りたい。)
それにしてもクリアファイル。
阿川くんのクソデカ感情が具現化しちゃってる大きな花束の3巻表紙ではないですか…!!!
めちゃくちゃ好きなイラストなのでA4で愛でられるの嬉しいです😍
私は自分のぶんのサインをいただいたら失礼してしまいましたが、先生は最後までたっぷり、一人ひとりのファンと触れ合ってくださったんだろうなぁ✨✨
大変貴重な時間をいただけたこと、心から感謝です。
どうもありがとうございました♡
10年後と言わず、ぜひぜひたくさん開催していただけたらと思います。
万難廃して伺います。
2023年11月19日 ちー
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