【二次創作小説】放課後の駒音(SIDE:鮎川陽太)
囲碁将棋部の部室はせまい。
いや、本当は他の部室と比べてせまいわけじゃないが、顔を見たことのない先輩たちは棋書も棋譜もその他資料もごちゃごちゃに放置したまま卒業していってしまったので、モノであふれる部室は必然的にせまい。
まぁでも、机と椅子さえ空いていれば問題ない。将棋盤をひとつ広げるスペースさえ確保できればいい。
部員は俺ひとりだから。
囲碁将棋部は静かだ。
手元で駒を動かす音、棋書をめくる音が耳に心地いい。
無音というわけではない。
遠くから、グラウンドで叫ぶ運動