ASDに子育ては無理?
(2022年1月13日「カサンドラ・デイズ」 投稿)
さきほど歯磨きをしている自分の姿を見てたら歯ブラシをもつ腕がとても高く上がっているのに気づいた。
水泳やストレッチで日常的に肩の筋肉を使っていると、この姿勢のほうがむしろラクなのである。
そこで思い出したことが。
長男も小学四年生から高一まで水泳の選手をやっていて、いわゆる逆三角形の水泳体形だった。
お茶碗とお箸をもつと、両肘が高くあがっていた。
そんなときに元夫は長男にきつく言った。
「ひじ!おろせ。人に迷惑かけるのが分らんか!」
長男はそれを聞いて素直に少し肘をおろした。
しかし、少し食べるといつのまにかまた肘が上がってしまっていた。
「おい。ひじ!」
長男はまたパッと肘をおろす。
そんなことが別の日にも何度もあった。
今頃になってこのことを思い出して私はとても腹立たしくて後悔している。
なぜその場で元夫に向かって言ってやれなかったんだろう。
「あなたは親としてクソだね」と。
そしてこう続けるべきだった。
「なぜ長男の肘があがってしまうかあなたは知らない。長男がどれほど水泳で訓練したのか。どれほど頑張っているか。そのことを認めてやることもなくただ肩の力のせいで肘が上がってしまうことを叱りつけ、否定するあなたは親として無能である」と。
しかし実際は私はこんな弱弱しい言葉しか出なかった。
「いや、長男は悪気はないよ…?」
すると元夫はムッとして返してきたものだった。
「あなたは俺が言ったことを否定するの?長男にそれは人に迷惑だからと教えて何が悪いの?悪気があるかないかじゃない。人に迷惑かけるんだったらそのことを教えるべきでしょ」
そして長男も怒らず言うのだった。
「お父さんの言うことに間違いはないから、別にいいよ…」
私だけだったのだろうか、そんな子育ては心底イヤだと思ったのは。
私には、
長男の心が何も傷ついていないとは到底思えなかった。
思い出してはムカムカする。
元夫の考え方はクソだと思う。
汚い言葉遣いで申し訳ないが、これより他にピッタリする言葉が見つからない。
別のときにその教育方針について聞いてみると元夫は「これが父ちゃんのやり方だったから俺もそうしてる」と言っていた。
子供の気持ちや考えなど考慮しない。
ただ一方的に「おい!」と叱りつける。
何歳でも。
義父の短絡的な教育方針がクソなら、なにも考えず父親のやり方を踏襲すること自体もクソだったのだ。
親子そろって子育ての考え方がクソ底辺だ。
というより、ASDにはそもそも子育ては無理があるのではないか。
人というアナログなものがほぼ理解できない特性なのだから、当たり前と言えば当たり前だ。
家庭環境で心が傷ついて障害をかかえる人もいるが、ASDの子育ては意図せずそもそも負の連鎖のように思えてならない。
いずれ長男や特性もちの子達が子供をもつことになったときは、社会全体で負の連鎖を断ち切れるようになっていればいいと思う…
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