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#2 懐かしの…味?

 つい先日、駄菓子バーなるところへ行った。チャージ代500円で、駄菓子が食べ放題という、魅力的な場所だ。

 大人になった私はそこで、2時間飲み放題をつけるという暴挙。大人だわぁ。

 いろんな駄菓子を取ってくるのだが、やはりお酒のお供的なものがついつい多くなってしまう。イカ、スナックなどなど…最終盤ではチョコ系とか甘めのものもチョイスしながら、その空間を楽しんだのである。

 多分子供の頃は、こんな酒のつまみになりそうなものはたくさん食べなっかと思う。その場の流れもあったが、子供から大人になるって、こういうことなのかなあ。


 そもそも、私世代では子供の頃からもう街の駄菓子屋など少なくなっている状態。まちおかくらいしかお菓子に触れる機会はなかったかもしれない(もうコンビニも台頭していたし)。いわゆる「昔なつかしの味」「小銭握りしめて駄菓子を厳選して…」とかとはちょっと違う、そんな時代に来ていた。なんなら給食も、それこそ駄菓子バーで売っていたような昔なつかしのソフト麺とか、その時代でもない(ミルメークはあったかも)。

 それでも、お祭りのときにもらえる駄菓子詰め合わせとかは、それはそれはとても嬉しかった。うまい棒とか揚げ餅とかが入っていたと思う。どこの家にもあったようなお茶菓子とはまた違う高揚感、それに感情が支配されている。うまいのだ。


 どの世代でも、どの人でも、多くの方は駄菓子にまつわるエピソードのひとつやふたつあるのではないかと思ってしまう。私もいくつかある。


 小さい頃通っていた床屋では、散髪したあとに必ず箱入りのフーセンガムをもらっていた。あれ、なかなかあたりが出ないんだよなあ。1回だけ出た気がするが、あまり覚えていない。


 今は亡き祖父が入院しているとき、よく見舞いに行った。そのたびに祖父は、私にヨーグレットをくれたのだ。ヨーグレットを食べたのは多分あの病院が初めてだったんだと思う。今でもヨーグレットは祖父との思い出の一つとして深く残っている。


 あのすっぱいこんぶの美味しさに気づいたのは、小学校高学年が中学生くらいか。知らず知らずのうちに食べてしまっていた。


 「水曜どうでしょう」というバラエティにハマっていた(今もそうだが)。対決列島という超大人気企画があった。そこで出演陣・魔神が食べる駄菓子がとても美味しそうだった(食べてる張本人は苦悶の表情をうかべているのに)。あの駄菓子を買い揃えているのが川越で、親近感が湧いた。


 出そうと思えば結構出てくるものである。懐かしの味と胸を張っているものもあれば、今のマイブームという切り口で話すこともある。駄菓子は、そんな話に花を咲かせてくれる、素晴らしいものなのだと気づいた、駄菓子バーへの訪問であった。


 ちなみにそこで食べた梅ジャムは、思ったよりも酸っぱさが抑えられていた。せんべいにつけて食べたからであって、ミスターのように「ジャムだけ食った!」という状況ならもっと酸っぱいと感じたかもしれない。

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