#17 Michal Brezina &ジュニア男子

https://soundcloud.com/user-983930015/no-17-michal-brezina-koshiro-shimada-tatsuya-tsuboi-mitsuki-sumoto 2019年3月28日

アイスタイムポッドキャストへようこそ。本日はわたくしあやのが単独インタビューに挑んでおります。後半には日本のトップジュニアのお話もありますのでお楽しみに。
それでは、本日のスーパースペシャルゲストは、ミハル・ブレジナ選手です。インタビューを受けてくれてありがとうございます!

こちらこそ、インタビューしてくれてありがとう

それでは最初の質問ですが、9回目の出場となった世界選手権を総合8位で終えての感想を教えてください。

えぇ、これは9回目の出場で、他のインタビューで教えてもらったんですが、僕が10位以内で終えた7回目の世界選手権でした。この結果にとても満足しています。日本でのシーズン最終戦でこのような結果で終えられて嬉しく思います。大会自体も素晴らしかったし、僕の滑りも良かった。僕のコーチも喜んでくれていて、今朝彼に会ったんですが、夏の間にトレーニングしていたことが今シーズンの結果に表れていて彼もともて嬉しそうでした。

ではシーズン全体についてはどうですか?トップスケーターへ戻ってきたとても良いシーズンだったように見えますが。

そうですね、その通りです。これまでのたくさんのトレーニングが結果に繋がるようになってきたと思います。僕はラファエルコーチの元に3年いますが、彼には「自信を取りもどして全てを築き直すのに2年かかる」と言われていて、今が3年目。だからそれらが全て身を結んできたんだと思います。時間はかかりますが、彼は僕がここへ戻ってくるのにも、自信を取り戻すのにも今回のような滑りができるようになるためにも、本当にたくさん手伝ってくれました。

先ほどいっていたように今回が9回目の世界選手権で、あなたはこれまでに本当に長く、20年もスケーターだし長い間世界のトップスケーターの一員であり続けています。どうやったらそんなことができるんですか?

大変ですよ。僕はこのトップグループにほとんど10年くらいいますけど、そこにいるためには本当にたくさんのことが必要です。これだけ長い間ユーロ選手権や世界選手権でトップ10に入り続けることは簡単なことではないんです。沢山の練習が必要だしそのための準備も必要です。練習や準備をするのと同時に自分の身体をしっかりと保つ必要がありますから。体のことに気を配って正しく食べてきちんと体にも気を使うことは全てが一つのプロセスなんです。ただ練習をしたら好きなことがなんでもできるという類のものとは違います。自分の体がちゃんと動くかを確かめ続けないと、このタイプのスポーツを29歳で続けることは不可能です。他の選手を見ても多くの人が怪我に苦しんでいる。僕もキャリアの中で何度も怪我に苦しみましたし、私たちの中でもベストのスケーターであるゆづも今シーズン半ばに怪我を負いました。でも彼は戻ってきた。スケーターやどんなアスリートも、体のことを正しく扱っていればたとえ怪我があったとしてもまた素晴らしいパフォーマンスで戦うところへ戻ってくることができる。でもそういったことは全て一つのまとまったパッケージでなくてはいけない。もしそうでなければ、長い時間トップに居続けることはできないと思います。

トップスケーターとして競技を続けることを楽しんでいますか?

もちろんです。自分の感情や氷の上で学んだことを観客の皆さんとシェアすることはとても楽しいんです。特に日本の皆さんの前ではね。日本の観客の皆さんは、他のどこよりも深くスケートを理解してくれていると思います。だからここ日本でいい滑りができてとても嬉しく思っています。

あなたはすでに3回オリンピックを経験していますが、次のオリンピックも見据えていますか?

どうでしょう、もし僕の体が大丈夫だったら、もし僕の気持ちがそう向けば・・・僕は割と楽観的で行くことを想像もするけど、気になることもやはりあります。だから、自分の体の状態を見極める必要があると思いますね。ちゃんとヘルシーで、練習も自分が求めるレベルでできているかどうか。ただオリンピックに行くだけということはしたくないんです。もしオリンピックに行くと決めたら、ちゃんと準備を万全にして、ただ行くだけでなく何か結果を残せるようにしたい。それがメインのゴールですね。ただ参加することがゴールではない。おそらく来年ももう一年続けるとは思いますが、それも確認する必要があります。まだコーチや連盟とも話をしなければいけないので来年のことも結論はまだ数ヶ月後になります。多分5月の末か、6月くらいにはまだスケートを続けるか、それとも別のことをするか、決まると思います。

今年のフリースケーティングはクイーンの「Who Wants to Live Forever? 誰が永遠の命を望んでいるんだ?」を使っていますよね。これはあなたのメッセージですか?

僕はこの曲がすごく大好きで、すごく不思議な話なんですけど、この曲で振り付けをするとき、カナダのシェイリーンのところに行って何曲かを試してこの曲を選んだんです。なんだかこの曲が僕に語りかけているように感じたので。それでこの曲での振り付けを始めて1日やって、次の日にリンクに行ったらデニス・テンのニュースを聞いたんです。だから、とても感情的になりました。ただ事件が起こったからというだけでなくて、僕がこの曲を選んだ時にそんなことが起こったという偶然に。今まで、まだ適切じゃないと思っていたしデニス・テンのためにこの曲を選んだと思われたくなかったので、このことはインタビューなどでも言ったことがないんです。だってこの曲を僕が選んだのは彼の事件の前ですから。でも、この曲の振り付けをするのはとても気持ちを動かされるものでした。だからこそこの曲と僕はすごく繋がることができたとおもうし、シェイリーンの夫が映画のプロデューサーでデニスの映画を作って居たので、シェイリーンも彼と仲が良かったんです。だから彼らは、僕が振り付けをしていた夏に映画の仕事をする予定でした。僕たちがこの曲の振り付けをしていた時は本当に、とても感情的でした。それからシーズンが進んで、映画を見てからはもっと気持ちが曲と繋がるのを感じました。ボヘミアン・ラプソディというクイーンのフレディ・マーキュリーについての映画は、彼のストーリーは知っていたけど細かいことは知らなかったので。彼が何を作ったか、彼が世界にどんなインパクトを与えたのかということを。それを見た後にはこれまでよりも一層音楽と繋がれたように思いました。だからそれからのシーズンはとても滑りやすいと感じて、より自分の感情をプログラムに込めることができました。それまで経験してきたこと全てを込めることができました。

それが今年GPファイナルに行ったり、高い結果を出せた理由の一つですか?

そう思います。音楽と強いつながりを持つことができて、感情を氷の上で表現して全てをそこに残すことができれば、それは全ての大会で自分のカケラを氷の上に残して行くのと同じです。きっと大会を特別なものにして、全てのスケーターのパフォーマンスを助けることになると思います。

初めてそのお話を伺いました。とても感動的なお話ですね。ところで、あなたは今ラファエルコーチのチームにいて、チームメイトのネイサン・チェン選手が世界チャンピオンになりました。これについてはどう思いますか?

素晴らしいですよね!彼とは数年一緒にトレーニングをしていますが彼とのトレーニングはとても楽しいんですよね。彼が帰ってきたらいつも素晴らしいトレーニングができる。今は大学があるので常に一緒のリンクにいるわけではないですが、夏にはまだ彼は一緒にいて、楽しかったですね。彼と一緒に練習すると、自分を少し遠くへ押し上げる手伝いをしてくれると思います。と同時に、彼を押し上げる手伝いにもなっていると思う。チームメイトが周りにいるのでね。このチームでは仲間が100パーセントサポートしているのを彼もわかっているし、技術面でなくモチベーションなんかの面でお互いを押し上げていると思います。技術面はすでに彼は素晴らしいしねw 彼の技術は本当にすごくて僕はクレイジーだと思うけど、彼がプログラムの通しをやったり色々な練習をしていて、僕がクアドサルコウをやっていたりすると、彼は一緒にやりたがるんです。どんなものでも彼のミスやなんかを修正したいと思っているし、僕自身も彼の滑りを見て自分の勉強にもなる。そうやってお互いに作用しあっているんです。それも、我々2人共が今シーズンいい結果を残せた理由の一つだと思います。彼は今シーズン、負けなしですからね。GPシリーズで両方優勝したしGPファイナルも優勝、ナショナルも世界選手権も。彼はしかも同時に大学にも通っている。すごいことですよ。

そうですね。では、日本人スケーターへの印象を教えてください。世界選手権にはシングル選手が6人出場していました。まずは、羽生結弦さんはどうですか?

ゆづは、すごい人ですよ。彼みたいな人が再び現れると思えない。きっと10年、20年に一度の人でしょうね。彼の自分を進化させ続ける姿勢とか、彼のパフォーマンスとか、もう世界が違うなと思います。彼と一緒の氷の上で競技ができることをいつもとても嬉しく思います。これまで何度も彼と戦ってきたけど、いつもすごいエネルギーをもらえるのでとても楽しいんです。彼が氷に乗るたびに、彼がスケートをするたびに。練習なんかで一緒のリンクに入ったら、すごいエネルギーを感じます。それが僕たちのモチベーションにもなりますね。「僕もここにいる」と見せようとがんばれるので。
たくさんの日本のスケーターと競ってきましたがみんな良いのでいつも大変ですね。これは、日本人が強いスポーツで一緒にやっている者しか味わえない者だと思います。ホッケーやフットボールなんかがメインスポーツの国では、この感覚は経験できない。チェコやアメリカはホッケー強豪国ですが、日本はそれほどではないので。そういった国の人たちの多くは、僕たちのこの感覚を得ることができない。もしアメリカ出身で野球をやっていたら、日本に負けるかもしれない。日本の野球はすごいからね。そういう体験は、日本が強いスポーツをやっている人しか持ち得ないもので、フィギュアスケートは間違いなくその一つです。

女子選手については何か意見はありますか?

そんなにしっかり見ているわけではないですが・・・でも僕は本田真凜さんと一緒にトレーニングをしていて、彼女はとてもよく練習をするし、とても才能のある人です。もし日本の女子選手がみんな彼女みたいにトレーニングしているなら・・・それが日本の強さの秘訣でしょうね。トリプルアクセルを跳んだり宮原知子選手みたいに試合でほとんどミスをしない、とか。彼女は本当にいつも試合でも素晴らしいので。一緒に戦う訳ではないので男子を見る感覚とは少し違いますが、でもそのうちの1人とトレーニングを一緒にするのでどれだけ厳しく練習をするのかを想像することはできます。

実は今回の大会では色々な計測が行われたんですが、それによるとあなたのトリプルアクセルのランディングスピードは世界一で、その次は実は坂本花織さんだったんです。彼女はダブルアクセルだし女性だけど、それだけ早かったんですよ。

それは、クレイジーですねw 彼女は素晴らしいジャンパーだし素晴らしいスケーターでエッジの使い方もうまい。だからそれはあり得ることでしょうね。彼女がすぐにもっと上達しても全然驚かないですよ。彼女はエッジ使いがうまいしそれがジャンプを助けていると思うので。自分が競技をしている時はそういった外で起こっていることは気にする余裕がなかったけど、今回計測していて僕が一番速かったということは聞きました。とても・・・嬉しいですねw

そうですねw ところで、奥さんのダニエルさんとの普段の生活はいかがですか?以前ヘルシンキでのプレスカンファレンスで少し話をしていましたよね。

覚えています。最初は結構大変だったんです。僕はカリフォルニアでトレーニングしていて、彼女はニューヨークで働いていて一緒には住んでいなかったので。でも彼女とのことが今シーズンの結果の大きな理由の一つだと思います。去年の夏のはじめに彼女がカリフォルニアに引っ越してきて、スケートに挑む準備なんかがすごく楽になりました。家に帰ったら彼女がいて、スケートのことを考えない時間を持てる。僕たちは一緒にどこかへ行こうとするし、スケートのことを考えないようにしたりもします。そうやってリンクの外ではスケートから離れてリラックスしようとするんです。スケートのことを常に考えないということはすごく僕の助けになっています。常にスケートや練習のことを考えたり「今日の練習はよくなかった」と思ったりするのは気が滅入ります。時々良くない練習をしてしまって落ち込んでも、家に帰ったら気持ちが楽になるんです。

素晴らしいですね。私たちはファンとして、あなたに選手として「永遠に」生きてもらいたいと思うけど、ちょっと難しいと思うのでw 引退した後に何をしたいかというプランはありますか?

そうですね、永遠はちょっと難しいかなw 今、コーチをすることが楽しいなと思います。すでに、主に小さい子供達にコーチをすることがあるし、ラファエルが小さい子供達を教える助けをしています。それに、真凜の時も。ラファエルの英語はそんなに素晴らしくはないので、彼に「真凜が理解しているかどうかわからないから、見せてあげてくれ」と言われることがあるんです。いつもそうやって理解を深めるために僕を使うんです。僕も、真凜がラファエルの説明をわかってもらえるように説明したりしています。そしてそれは僕自身の学びにもなるんですね。彼女に限らず小さな子供達にでも教えることで自分の理解を深めています。ただ彼から説明を聞くよりも理解できますよ。だからコーチになることは将来のプランの一つでしょうね。でもまだはっきり決めたわけではないので、他にも何かあるかもしれないですね。一年一年スケートを更新して、何か別のことをしたいと思うかもしれないけど、でも間違いなくフィギュアスケートには関わるでしょうね。今までの人生ずっとやってきましたから。コーチなのか、フィギュアに関わる他のことなのか、ブライアンの会社でスケート靴やブレードを作るのに関わる可能性もありますね。その時にならないとわからないな

じゃぁ10年後20年後にキス&クライであなたを見られるかもしれないですね

もしかしたらね。今とは違うポジションでね。

そうなったら嬉しいですね。それでは最後に、日本のファンへのメッセージをもらえますか

いつも日本に来るのが本当に好きです。日本のファンの皆さんの前でスケートをするのは本当に素晴らしい体験だから。いつも他では感じることのない過剰を感じさせてくれます。だからいつもファンの皆さんに感謝しているし、見にきてくれて本当に嬉しいです。それに今回は両方のプログラムが終わった後にスタンディングオーベーションやたくさんの花をもらえてとても嬉しく思いました。いつも応援してくれて本当にありがとうございます。もっと頻繁に日本に来て日本の観客の前でパフォーマンスができたら良いなと思います。

ありがとうございました!!!


続いて、世界選手権の会場で日本のジュニア選手たちにお話を聞けたのでそちらをお聞きください!

私たちは今世界選手権の会場で、日本の男子トップジュニアの3人がここにいます。島田高志郎さん、壷井 達也さん、須本光希さんです。まずは高志郎さん、今シーズンはいかがでしたか

「今シーズンは、今世界選手権を見に来て居て、実際オフシーズンに入ったということでさっぱりした気持ちというか、実際良いシーズンを遅れたし、次のシニアに上がるいい糧になった、いい自信をつけれたシーズンだったと思うので、来シーズンも自信を持ってまた練習をたくさん積んで戻ってきたいなと思います。」

ステファンコーチの元スイスにとどまるんですよね?
来シーズンに向けては、いつ頃プログラムを決めるんですか?今シーズンから何か持ち越したりはしますか?それとも2つとも新しいのを?

多分両方買える必要があると思います。シニアに移りますし、気持ちももっと大人のものにする必要があると思うので。もっとプログラム自体も進化させたいので両方変えると思います。

振付師はステファンなんですね、両方。なるほど。では続いて達也さん。今年はジュニアチャンピオンになりましたが世界ジュニア選手権では少し苦しんだようでした。今シーズンを総括するとどうですか?

「今シーズン全日本ジュニアで優勝することができたのはすごく嬉しくて、初めて世界ジュニアを経験させてもらって、まだまだ世界とのレベルの差があるというのはすごく実感したので、このオフシーズンに、シーズン中に見つけた課題をまた来シーズンに繋げていけるように頑張って生きたいです。」

こうやってシニアの試合を見に来ることで何か学んだり見になることがあると思いますか?

「やっぱり飛べてる人を何回も見たら自分でも練習でやってみようという気持ちになるし、こういう世界選手権という大きな舞台で、ここを目標にするっていうことができるんじゃないかなと思います。」

では光希さんはいかがでしょうか

「今シーズンは昨シーズンに比べてすごく苦しいシーズンになってしまったので来シーズンはこの悔しい気持ちを忘れずにしっかり練習をつんで。今ジュニアでは結構下の方になっちゃったので、上の方の人に追いつけるように頑張りたいと思います。」

「やっぱり4回転を1種類じゃなくて複数、今も練習では3、4種類はしているので複数降りれるようにがんばります」


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