BOEINGのカスタマーコード廃止をFAAのTCDSをもとに見てみる
FAAのTCDSって?
TCDS(Type Certificate Data Sheets)は連邦航空局(FAA)や欧州航空安全機関(EASA)から出だされているが、FAAが出してるBoeingのTCDSにはカスタマーコードが入った型式がどの製造番号に割り当てたかという資料が出されている。
例えば下の画像は777-200LR seriesのものではあるが、66536と66893以外はカスタマーコードが入った型式で66536と66893はカスタマーコードがない777-200LRとされている。
TCDSを見るには?
TCDSはFAAのDRS(Dynamic Regulatory System)から検索し見ることができる。
TCDS NumberもしくはModelから検索して見ることができる。
カスタマーコード廃止に関わるTCDS NumberとそのURLは機種毎に以下の通りである。
737 : A16WE
https://drs.faa.gov/browse/excelExternalWindow/DRSDOCID143611189620230316163532.0001
747 : A20WE
https://drs.faa.gov/browse/excelExternalWindow/DRSDOCID110620563720230316163910.0001
767 : A1NM
https://drs.faa.gov/browse/excelExternalWindow/FD2D9676ECDF386A862587F1004AE0C9.0001
777 : T00001SE
https://drs.faa.gov/browse/excelExternalWindow/54DDF6E31FCD2D14862588010054068B.0001
なお、製造番号の重複して載っていたり、777-300ERの項目に777Fが1機だけ紛れ込んだりした誤植が見受けられる…
Boeing カスタマーコードの英語Wikipediaでは…
Boeing 737 Next Generation: line number 6082
Boeing P-8 Poseidon: line number 6020
Boeing 747-8: line number 1534
Boeing 767: line number 1102
Boeing 777: line number 1422
以降の機体にはカスタマーコードを付けてないと書かれているが、TCDSの製造番号からLN(line number)を追いかけると、上記のLNまでは必ずカスタマーコード付けてるわけではなく、付けてるLNと付けてないLNが混在している。
747のLine Number
Rev.58の747-8の項目に"Reserved for new serial numbers added after Line Number 1533"と書かれている。
すでに747の製造が終了したRev.62では1533からは747-8/747-8Fに割り当てられてた。
777のLine Number
Rev.41の777-300ERの項目に"Reserved for new serial numbers Line Number 1415 and after (Except 777-3DEER SN 44587)."と書かれている。
777-3DEER SN 44587のLine Numberは1416で、44587/1416を除くLine Number 1415からと、43279-43281の頭の43279/1411はRev46では777-300ER/777-200LR/777Fに割り当てられてた。
767のLine Number
2017年末のRev.36では767-300Fに振られていたSNが、2022年のRev.39ではカスタマーコードが付いたものに振られていたりする。
Rev.39では2019年の機体であるLN 1191からのSNが767-300Fとされている。
737のLine Number
問題は737である…
Rev.56では"Reserved for new serial numbers after Line Number 6000"と記載があったが、それ以降のRevでカスタマーコードが付いた型式の製造番号にLN 6000以降が載っている。
なおLine Number 6000は737-81M SN 60391であり
Line Number 5942の SN 60153が737-700 だったり、本邦のJA02RK Line Number 5998は737-8Q3 SN 61476 だったり、Line Number 6078 737-8F2 SN 60028と、2016年頃に製造された737はごちゃごちゃで製造番号を検索したほうが早い。
日本では…
ANA [NH/ANA]
737-800
JA87AN 64874 / 7086
JA88AN 64875 / 7154
JA89AN 64877 / 7269
JA90AN 64878 / 7327
777-300ER
JA793A 61512 / 1586
JA794A 61513 / 1593
JA795A 61514 / 1598
JA796A 61515 / 1607
JA797A 61516 / 1627
JA798A 61517 / 1637
777F
JA771F 65756 / 1582
JA772F 65757 / 1604
JTA [NU/JTA]
737-800
JA03RK 61477 / 6231
JA04RK 61478 / 6413
JA05RK 61479 / 6561
JA06RK 61480 / 6729
JA07RK 61485 / 6863
JA08RK 61481 / 6948
JA09RK 61482 / 7146
JA10RK 61486 / 7197
JA11RK 61484 / 7312
JA12RK 61483 / 7342
SKYMARK [BC/SKY]
737-800
JA73AA 63413 / 7059
JA73AB 63408 / 7547
JA73AC 63410 / 7597
ソラシドエア [6J/SNJ]
737-800
JA813X 64876 / 7224
春秋航空日本 [IJ/SJO]
737-800
JA04GR 61776 / 6223
JA05GR 61783 / 6436
JA06GR 61798 / 6453
日本国政府(航空自衛隊)
777-300ER
80-1111 62439 / 1422
80-1112 62440 / 1464
以上の登録記号 製造番号 / Line Numberがカスタマーコード廃止後の機体ということになる。
777のTCDSを検索しても777F81なんて見つからないし、777-3SBERというのも見つからない。
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