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TGガジェットにおけるTGラッシュ・ライノの不採用について

私がTGガジェットのメインデッキにTGラッシュ・ライノを採用していない。
理由としては①本来強く使われるはずのなかった奈落の落とし穴、次元幽閉を強く使わせてしまうこと、②TG ラッシュ・ライノが強く機能する対面と状況が限定的であることの2つである。

今回は①に絞って一貫性の重要性について具体的を交えて説明する。
TGガジェットはナチュル・パルキオンを1枚消費で特殊召喚することができ、奈落の落とし穴、次元幽閉はナチュル・パルキオンで無効にすることができる。
また、氷結界の龍トリシューラは奈落の落とし穴、次元幽閉を受けるものの、氷結界の龍トリシューラの効果は有効であり、ガジェット2体のエクシーズで特殊召喚されるエクシーズモンスターへの奈落の落とし穴、次元幽閉は発動した側が1枚分のアドバンテージを失い、エクシーズ素材は墓地に送られる※
このようにTGガジェットに対してあまり有効とはいえない奈落の落とし穴、次元幽閉をTGラッシュ・ライノは有効に機能させてしまう可能性を孕んでいる。
TG ラッシュ・ライノに限らず、相手のカードを腐らせることで潜在的に得ていたアドバンテージを失ってしまう可能性があることや召喚権は1ターンに1回であることを踏まえると、Aには強いがBには弱いカードとAには弱いがBには強いカードを共存させるのは得策ではなく、例えばAには強いがBには弱いカードで一貫性を持たせた構築でAを中心的に剥がしていくプレイを取る方が優れていると私は思う。

(※TGラッシュ・ライノが奈落の落とし穴、次元幽閉を使われても墓地にモンスターは1枚も送られないが、ガジェット2体のエクシーズモンスターであれば(アドバンテージを取った上で)、2枚以上墓地にモンスターが送られる点は貪欲な壺の発動条件の点からも重要である。)


一貫性の重要性を理解できるよう対ヒーロービートにおける以下の具体例を考えてみる。
相手フィールド:E・HERO アナザー・ネオス、魔法・罠の2伏せ
手札:E・HERO アナザー・ネオス、ブラックホール

魔法・罠の2伏せが①デュアルスパーク、奈落の落とし穴、②デュアルスパーク2枚、③奈落の落とし穴2枚の3パターンにわけ、それぞれを(a)TGラッシュ・ライノ、ナチュル・パルキオンで攻める場合と(b)ナチュル・パルキオン×2で攻める場合を考える※

フィールドに残ったナチュル・パルキオンは次のターンにブラック・ホールで破壊され、手札のE・HERO アナザー・ネオスを召喚され、TGラッシュ・ライノはE・HERO アナザー・ネオスによって戦闘破壊されるものと仮定する。
それぞれのパターンにおいてアドバンテージを獲得できるかどうかを検討する。

①デュアルスパーク1枚、奈落の落とし穴1枚
(a)×
(TGラッシュ・ライノが奈落の落とし穴で除外され、ナチュル・パルキオンがデュアルスパークで破壊されるため、アドバンテージを獲得できない)

(b)⚪︎
(1体目のナチュル・パルキオンがデュアルスパークで破壊されるが、2体目のナチュル・パルキオンがE・HERO アナザー・ネオスを戦闘破壊できるため、アドバンテージを獲得できる)

②デュアルスパーク×2枚
(a)⚪︎
(TGラッシュ・ライノがE・HERO アナザー・ネオスを戦闘破壊することによってアドバンテージを獲得できる)

(b)×
(2体のナチュル・パルキオンがデュアルスパークで破壊されるため、アドバンテージを獲得できない)

③奈落の落とし穴×2枚
(a)⚪︎
(TGラッシュ・ライノが奈落の落とし穴で除外されるが、ナチュル・パルキオンがE・HERO アナザー・ネオスを戦闘破壊できるため、アドバンテージを獲得できる)

(b)◎
(2体のナチュル・パルキオンがE・HERO アナザー・ネオスを戦闘破壊できるため、2枚分のアドバンテージを獲得できる。


①、③は(b)の方が優れているが、②は(a)の方が優れている。
このようにナチュル・パルキオンで一貫して攻める方(b)が奈落の落とし穴を踏まないことからいい結果をもたらす可能性が高い。

また、①、②、③では等しく発生するわけではなく、発生確率が異なる。①は②、③と比較して発生確率が高いため、①での結果をより重視するべきである。
発生確率を実際のヒーロービート近いものにするため、ヒーロービートに次元幽閉が1枚採用されており、③のパターンに次元幽閉が伏せられている場合も含まれると仮定すると(TGラッシュ・ライノはE・HERO アナザー・ネオスを攻撃するため、次元幽閉も奈落の落とし穴も同じ結果となるし、ヒーロービートは奈落の落とし穴2枚に加えて、次元幽閉を1枚〜2枚程度採用していることが多いため)、②と③の発生確率は同値となる。

初手6枚の時点で①、②、③のそれぞれの発生確率は
①8.27%
②、③3.12%
となる。

①はE・HERO アナザー・ネオス1枚以上(E-エマージェンシーコール、増援を含む)かつデュアルスパーク1枚以上かつ奈落の落とし穴1枚以上(次元幽閉を含む)で計算

②、③はE・HERO アナザー・ネオス1枚以上(E-エマージェンシーコール、増援を含む)かつデュアルスパーク2枚以上(③は奈落の落とし穴、次元幽閉から2枚以上)で計算

強欲で謙虚な壺は考慮していないため、実際には異なった数値であろうが、重要なのは発生確率が①>②、③になっている点である。

したがって、①、②、③の発生確率の違いをも考慮すると、ナチュル・パルキオンで一貫して攻めるプレイの方がより適切であるように思われる。

このように複数枚採用されているカードから同じカードを2枚引く確率よりも異なるカード1枚ずつ引く確率の方が高くなるから、特定のカードを一貫してケアする方が優れた結果をもたらす確率が高い(両方とも踏むを避けられる)。

(※TGラッシュ・ライノは1枚採用が多く、仮にTGラッシュ・ライノで2枚採用されている場合でデュエル中に2枚のTGラッシュ・ライノで攻めることは少ないのではないかと思う。ナチュル・パルキオンは1枚採用の構築も多いと考えられるが、貪欲な壺で回収可能である。今回は説明を単純化するために、ナチュル・パルキオンがエクストラデッキに2枚採用されているものと仮定した。TGストライカー(とガジェット)による2回の攻めはサーチカードである増援やトゥルース・リインフォースの存在、TGストライカーの特殊召喚成功時に特殊召喚されるTGワーウルフによる延命を踏まえると現実的に起こりうる。)

上記の例はラギアの禁じられた聖槍と奈落の落とし穴に置き換えても全く同じことが当てはまるし、一貫性のないプレイによって不利な状況になってしまう確率を高めてしまう例は他にも無数に存在する。

このようにTGガジェットにおけるTGラッシュ・ライノは強く使われるはずのなかった奈落の落とし穴、次元幽閉への強く使われてしまう可能性があり、デッキとして一貫性が損なわれてしまうから、現時点ではメインデッキに採用していない。

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