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なぜ純代行天使(TGなし代行天使)なのか。



前日の寒波亭でまるおさんが使用された代行天使の構築を見て、なぜ2011年9月制限で使用率の高かったTG代行天使ではなく、なぜ純代行天使なんだろう?と疑問に思ったので、寒波亭ルールにおいてTG代行天使が勝ちにくく、純代行天使の方が環境に適している理由を言語化してみた。

結論としては大嵐が禁止であることから2枚以上の魔法・罠をセットされることにより、創造の代行者ヴィーナスにTGを絡めたワンキルが決まりにくい環境であること、ガジェット、ヒーロー、ラギアのようなガチガチガンテツの特殊召喚に誘導してくるデッキとガチガチガンテツが有効に機能するデッキの使用率が高く、ガチガチガンテツとTGの相性が悪いことが主な要因だと考えられる。

今回は対ガジェットにおいてなぜ代行天使のTGが有効に機能しにくいかを考えてみたいと思う。

そもそもTG代行天使のTGの役割は主に、①ワンキルパーツになること、②TGストライカーを絡めたシンクロ召喚でブラック・ローズ・ドラゴンや氷結界の龍トリシューラを特殊召喚することによってカウンターを行うこと、③(ワンキルやカウンターのパーツを集めるための)デッキ圧縮と延命を行うことにあると考えられる。そしてこれらの役割がガジェットに対して有効に機能しにくいことがTG代行天使がガジェットに対して勝ちにくい要因になっているように思われる。

一つ目のワンキルについては、ガジェットはガジェットを1枚でもドローしていれば2ターン目に実質的に無償でインヴェルズ・ローチを立てることができるため、インヴェルズ・ローチ成立までに与えられた猶予はガジェットが先攻であれば1ターン、後攻であれば2ターンとなる。
このターン数でワンキルを決めるのはかなり要求が高く、実際にはインヴェルズ・ローチの成立を許すか、ガジェットの除去のために創造の代行者ヴィーナスなどのなんらかのカードの使用を余儀なくされることが多い。
TGストライカー+TGワーウルフ+創造の代行者ヴィーナスのパターンがインヴェルズ・ローチの無効範囲の逃れつつ、ワンキルを達成できるが(ダイガスタ・フェニクス、アームズ・エイド、No.30 破滅のアシッド・ゴーレム)、マスター・ヒュペリオンが絡むパターン(TGストライカー+創造の代行者ヴィーナス+マスター・ヒュペリオン、TGワーウルフ+創造の代行者ヴィーナス+マスター・ヒュペリオン)はインヴェルズ・ローチによる妨害を受けることになるため、ワンキルにおいてガジェットのインヴェルズ・ローチが課題になっているように思われる(主要ワンキルパターンの2/3がインヴェルズ・ローチにより妨害される)。
インヴェルズ・ローチの成立を許した場合、冥府の使者ゴーズ、トラゴエディアによる戦闘破壊、魔法・罠による除去などもあるが、ガチガチガンテツの効果での打点アップを利用して創造の代行者ヴィーナスによる戦闘破壊を行うことも多い。
このガチガチガンテツがTGストライカーの特殊召喚条件との相性が悪く、神聖なる球体の2枚の消費もあってTGワーウルフが浮くなど、TGギミックとガチガチガンテツは相性が悪く、神聖なる球体2枚をガチガチガンテツの特殊召喚のために消費していることもあり、その後ワンキルに向かうことを困難にさせる。TGは代行天使を神聖なる球体を2枚以上使った攻めをワンキルに昇華することで強化するカードでもあるから、神聖なる球体を2枚をガチガチガンテツに消費するように誘導してくるガジェットには機能しにくいのである。
ガジェットがインヴェルズ・ローチを実質的に無償で立てているというのも重要で、1枚ないし2枚のカードを消費してインヴェルズ・ローチを特殊召喚をするようなデッキであればガチガチガンテツを特殊召喚して創造の代行者ヴィーナスで戦闘破壊することでアドバンテージ面で有利になることから、神聖なる球体を2枚使用してガチガチガンテツの特殊召喚することが問題にならないのかもしれないが(TGが機能しなくなってもアドバンテージで有利を取って勝利すれば問題ない)、ガジェットのインヴェルズ・ローチは戦闘破壊に成功したとしても実質的に無償で召喚しているので、不利な状況を五分五分の状況に戻せるかもしれないが、それだけでは有利な状況にはならないことが多い。

また、ワンキルという点では、ガジェット以外のデッキにも言えることであるが、2011年9月制限との比較で大嵐の禁止である点が大きく、大嵐が神の宣告を除いてはスターライト・ロードやナチュル・ビースト、No.16 色の支配者ショック・ルーラーのような限定的な場面で機能するカードや一部のデッキでしか採用できないカードでしか無効ないし発動不能にできないのに対して、2011年3月制限で2枚以上のセットをするときにリスクになる典型的なカードであるブラック・ローズ・ドラゴンは神の警告などの召喚無効やブラック・ローズ・ドラゴンのシンクロ素材に対する妨害(奈落の落とし穴や月の書など)でも足りることから、寒波亭ルールは2枚以上の魔法・罠をセットをすることのリスクが相対的に低く、2枚以上の魔法・罠をセットしたときのリスクをケアする手段が大嵐よりも多くしかも汎用的なカードで可能なのである。
TG代行天使は2枚以上の魔法・罠をセットされると、ハリケーンのように2枚以上の魔法・罠をまとめて剥がすカードを引かない限り、ワンキルはしにくい(TG代行天使の主なワンキルパターンは3枚のカードを使用するし、ジャンドのように展開過程でドローすることもないため、激流葬などの魔法・罠を踏んだときのリスクが高い。大嵐のリスクがないから複数枚の魔法・罠がセットされやすく、サイクロンや砂塵の大竜巻などの1枚の魔法・罠を除去するカードではすべての魔法・罠を除去することができないことも多いから、実際には創造の代行者ヴィーナス1枚からのダイガスタ・フェニクスやガチガチガンテツを特殊召喚して攻めるなどリスクを抑えた攻めを行うことが多い。そうすると創造の代行者ヴィーナスからの攻めを強化するTGが不必要になってしまう。)。

二つ目のTGストライカーを絡めたシンクロ召喚はアームズ・エイドを除いてインヴェルズ・ローチの無効範囲になるため、この点でもTGギミックはガジェットに対して有効とは言い難い。

三つ目のデッキ圧縮と延命についてはガジェットは放置するとエクシーズ召喚により状況が悪化していくため、延命が意味のある延命にならないことが多い。

まとめるとガジェットのインヴェルズ・ローチがTG代行天使をガチガチガンテツに向かうように誘導してくるが、ガチガチガンテツがTGギミックとの相性が悪く、ガチガチガンテツに向かうとワンキルの達成が困難になる。大嵐が禁止であり、複数の魔法・罠をセットすることのリスクが相対的に低い環境であることから、ハリケーンのように2枚以上の魔法・罠をまとめて剥がすカードを引かない限り、魔法・罠を剥がしきるのが難しく、TG代行天使のワンキルは3枚のカードを使用し、しかもジャンドのように展開過程でのドローがないため、ワンキルには多大なリスクを伴う。リスクを抑えて創造代行者ヴィーナス1枚での攻めを行うのであればTGは不必要である。
また、シンクロ召喚はインヴェルズ・ローチの無効効果の範囲内であり、TGによる延命は(ガジェットに対しては)実質的な延命になっているとは言えない。
このように代行天使のTGはガジェットに対して有効に機能しにくいことから、ガジェットの使用率が高い環境では、TGの枠にガジェットに対して有効に働きうる大天使クリスティアや朱光の宣告者、ライオウなどの別のカードを採用した純代行天使の方が環境に適しているように思われる。



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