反対語

国語の授業やクイズ番組なんかでたまに聞きますよね。反対語。
正義の反対は悪。白の反対は黒。

じゃあ、「ネガティブ」の反対は何でしょうか?
大体の人は、「ポジティブ」って答えるのかなと思います。

自分は「ネガティブ」の反対は「ネガティブじゃない」だと思ってます。
ネガティブとポジティブって全くの別物だと思うんですよね。
ネガティブ=消極的。否定的。
ポジティブ=積極的。肯定的。
辞書で調べるとこんな感じになりますけど、実際の感情としてのネガティブ、ポジティブってそんなに単純じゃないですよね。

自分は昔はネガティブ思考の人間でした。
「自分は好かれていない」「自分なんて」そんな感情をいつも抱いて暮らしていました。でもそんなに悲観的に生きていたわけではなく、それが当たり前として受け入れて生きていたつもりでした。厨二病的な感じで言えば、悲劇のヒーロー気取りだったんでしょうw

そんな感じで十代を過ごし、ハタチを過ぎた頃のことです。
インターネットが普及し始め、出会い系とはいかないまでも「メル友募集」みたいなサイトが乱立していました。世はメル友戦国時代でした。

あるサイトで一人の少女とメールを始めました。顔も知らないその子は年代は高校生くらいですが学校には通っておらず、半引きこもり生活をしているとのこでした。ちょうど?自分もバイトが途切れて家にいたので、1日中メールのやり取りをしていました。おかげで仲良くなるのも早かったです。
特に自分も学校が楽しかったわけでもないので、学校に行った方が良いとも言えませんし、お互い世の中を憂いながら好きなマンガの話をしたり、たわいもない事をダラダラと話していました。他人には見せられないような写真も見せ合ったりしましたが、顔写真の交換はしませんでした。どちらも欲しいとは言わなかった気がします。あくまでもパソコンの中の誰かであって、現実味を持たせたくなかったのかもしれません。

具体的には思い出せないのですが、割と長い事そうしたやり取りが続いたような気がします。好きとかいう感情ではないですが、その子と話すのが生活の一部になっていました。「おはよう」に始まり「おやすみ」までメールのやり取りは続いていました。

そんなある日、何がきっかけというわけではないのですが、自分の中のネガティブが膨らんで余計なことを言ってしまったのです。
「そろそろ人生にピリオドを打とうかな・・・」
もちろん自殺する気も、そんな勇気もあるわけなくて、ただ止めてほしいとか気にしてほしいとか、そんな些細な気持ちで口にしてしまった・・・自分ではたわいもないつもりの言葉だった。

それに反してその子の反応は全く違った。「そんなこと言う人は嫌いです。さようなら」それっきりその子からメールは来なくなった。

弁明のメールを送ったが返事は来なかった。自分の発言を堪らなく後悔した。同じだと思っていたその子は全く違ったのだ。世間を憂いていても、周りにうまく馴染めなくても真っ直ぐに生きていた。自分とは違っていた。

そのことがあって、自分はネガティブに考えることを止めた。
止めるように努力したが、「ネガティブじゃない」ことに努めるのが精一杯でポジティブには急にはなれなかった。ネガティブでもポジティブでもないものもあるのだ。

だからネガティブじゃない人がポジティブかと聞かれたら、それは違う気がする。国語の反対語と気持ちや感情を比べるのが正しくないと言われてしまうとそれまでだが、何となく思い浮かんだので書いてみました。

ちなみに、今では「君はいつでもポジティブだねぇw」と言われるようになってしまいましたw


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