グレショー・森の童話三部作『桃太郎!』についての考察


また凄まじい作品が世に放たれました。

サファリ・Pさんとのコラボ演目、森の童話三部作。

『桃太郎!』が第三話目にして完結しました。

いつものように台詞やらなんやらから拾って、伏線らしきものを回収していきます。



○会議のシーン

セキュリティの話。

書類で雉野を通さないといけないだけで、デジタルな感じのセキュリティがある訳でも、門番的なものがある訳でもないらしい。

政治家のガチな会議にはおそらく呼ばれていない新人警官が勝手に入ってくるし、感情論で会議進めるし割とめちゃくちゃ。

まあ国会の様子を見ていれば政治家が感情的に叫んでるのもリアルなのかもしれないけど。

桃田のカリスマ性あってか、会議中に寝てる人がいないことはまだ救いなのかもしれない。

猿丸の言っていた「ド派手で意味の無い音楽」が、盛大にやられているものの内容のない会議、に掛けられてるのかな。



○重力の歌(仮)

何曲かある雉馬ハモリ曲のうちのひとつの話。

ふたりとも悪い人じゃないから(めっちゃ善とも言えないけど)幸せに生きて欲しい。(感想)



○但馬以外のキャラクターについて

全員人間なのね〜……って思った話。


桃太郎のお供の話は干支の他に、それぞれ、智・仁・勇の象徴であるという話がある。

智は、猿知恵とも言う猿の知能を特筆したもの。

仁は、忠犬ハチ公の話等が有名な、犬の恩を忘れない性格を特筆したもの。

勇は、雉は火事の時自らを犠牲に卵を守るという習性から勇気を特筆したもの。

実家を継いで仕事も順調にこなしていそうで、街へ行こうと正攻法が突っぱねられようと試行錯誤する地頭の良さを見せた猿丸。

主人と認めた桃田に忠誠を誓い、役に立とうと反対意見を桃田に直接届かせないよう(ある意味番犬でもある)にしていた犬井。

言わずもがな鬼と呼ばれた人達を身を呈して庇い、逃がした雉野。

この三人は、見事に象徴としての性格を引き継いでいる。

まあ同じ生命体には変わりないし、そういう意味でみんな同じだよっていう前提なのかもしれない。

勿論鬼も同じはずなんだけどね……。

個人的には、同じ立場のはずの誰かを別物として攻撃するあたり、いじめなんかを彷彿とさせてとても嫌だな〜というのが全体を通しての感想。

本当にあった怖い猿丸。

見回りの警官に見つかったら面倒だから急がせる為の文言だったのかな。



最後のシーンで明かされる、但馬が雉野に渡したきびだんごのフォークの使い道。

関係ないが、このきびだんごはそもそも猿丸の実家で作っているもの。

猿丸も同じような村運営と思われる監獄に入れられているにも関わらず、猿丸は檻から出ようとはしなかった。

あのフォークで扉を開けられる事を猿丸は勿論知り得ないし、猿丸の懐にフォークがあった可能性は確かに低いが、

あのフォークの素材やらなんやらについては、雉野よりも猿丸の方が遥かに詳しいし見慣れているはず。

そもそもテイクアウトきびだんごの付属フォークで開けられるようなザル警備の監獄、

外に出ようという気概があったのなら、猿丸にも逃げ出す事が出来たのではないか。

しかし、猿丸は檻から出ることはしなかった。
(奥さんと子供の件で絶望していたのだと思うが)

雉野と但馬と、猿丸の檻のシーンは、そんな対比でもある気がする。

本筋には関係ないけど、但馬が「上司に差し入れで持って行きたい」と猿丸の実家に買いに行ったであろうきびだんご、

上司さんと一緒に但馬も食べるかな、とフォークを多めに入れてくれたならなんか良いよね。

誰とでもすぐに打ち解けられそうな表の(というかよそ行きの?)晶哉ちゃんが感ある但馬は、幼馴染の親御さんにもそんな感じで認識されてそうで。



○但馬のキャラクターについて

桃田より先に犬井と二人で会うタイミングがあればこうなる可能性も高いなーと思っていた一話放送後の感想。

実際は桃田に直で会っちゃったから犬井に用はなくなっちゃったけど。

そうやって純粋な好奇心で詰め寄られた犬井はなんて答えてたのかなー……。

明らかに否定的な答えを返した雉野に、但馬の希望を殺さない為の答えをした可能性はあれど、目を輝かせて褒め称えるようなことはなかったであろう猿丸。

犬井がにっこり笑って桃田のことを簡潔に褒めたたえたとしたら、但馬は濁すようなことを言った雉野と猿丸より犬井の答えに喜んだんじゃないかと思ってしまって複雑。

犬井のキャラは美しい人の佐藤大臣(政府側:佐野)を彷彿とさせてなんだか凄く……。

そして佐藤大臣は途中で美しい人の中に入ったので、全然関係ないけど犬井の絶望も加速する気がしてならないし、桃田なら切りかねない気がする。


但馬が助けた人達の中に良い人がいて結ばれてくれたらいいな〜

なんて外野ながらに思ってしまう。

それを但馬が望んでるかどうかは分からないけど、子供想いで純粋で真っ直ぐな但馬は良いパパになってくれそう。


○但馬の名前が何故馬なのか?という話

↑干支的な理由で馬にした説(本命)。

↑馬の性格的な話。

桃田を警戒出来なかったのは仕方ないな〜桃甘いし、果物だし。(?)



○他に気になったこと

台本読んでここまで考えてたら凄いなと思った誠也くんの話。

普通に年齢順なのかなぁ。

でも雉野から見ればパワーバランス的にこの順だもんね。


○今回の劇団さんとのコラボについて思ったこと

今回の劇団さんとグレショーさんがマジで相性良いなと思った話。

個人的に過去一ドキュメンタリーのターンを見てて楽しい。

最後に、今回の森の童話三部作の一部ずつについているタイトル『桃太郎!』『ヘンゼルとグレーテル!』『赤ずきん!』の末尾の半角感嘆符はAぇ!だからなのかなと解釈しています。

こだわり強くて好き。


個人的に会話劇が1番楽しみなので、ヘンゼルとグレーテルに期待を寄せながら生きます。

ありがとうございました。

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