グレショー・森の童話三部作『桃太郎!』についての考察
また凄まじい作品が世に放たれました。
サファリ・Pさんとのコラボ演目、森の童話三部作。
『桃太郎!』が第三話目にして完結しました。
いつものように台詞やらなんやらから拾って、伏線らしきものを回収していきます。
○会議のシーン
オーディションの紙を持った但馬、マジでどっから入ってきたんだろう、てかどこで会議してんだろう
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
ふわっと体感で犯罪が増えた気がするからあいつら皆鬼法案が通るような小さな限界村の会議だしそんなお堅い場所でやってる訳ではないのかもしれないね
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
セキュリティの話。
書類で雉野を通さないといけないだけで、デジタルな感じのセキュリティがある訳でも、門番的なものがある訳でもないらしい。
政治家のガチな会議にはおそらく呼ばれていない新人警官が勝手に入ってくるし、感情論で会議進めるし割とめちゃくちゃ。
まあ国会の様子を見ていれば政治家が感情的に叫んでるのもリアルなのかもしれないけど。
桃田のカリスマ性あってか、会議中に寝てる人がいないことはまだ救いなのかもしれない。
猿丸の言っていた「ド派手で意味の無い音楽」が、盛大にやられているものの内容のない会議、に掛けられてるのかな。
○重力の歌(仮)
外が雨か晴れなのかも分からない場所である事を特筆する曲のラストが「ただ天を見る」なの皮肉過ぎない?
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
しかもずっと重力話してんの、マジ地を這った状態で開けてるわけでもない天井を見てるだけなの鬱すぎる
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
何曲かある雉馬ハモリ曲のうちのひとつの話。
ふたりとも悪い人じゃないから(めっちゃ善とも言えないけど)幸せに生きて欲しい。(感想)
○但馬以外のキャラクターについて
グレショー桃太郎、彼らは動物で、その動物達がただ性格も性別も育ちも違う人間が社会を形成してるように共生してる感じの世界線なのかと思ってたら雉野が「私達人間の!」って言い出してとても申し訳ない気持ちになったしそれによって猿丸の赤メイクがただの変な人になってしまったみたいでわろてる
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
全員人間なのね〜……って思った話。
桃太郎のお供の話は干支の他に、それぞれ、智・仁・勇の象徴であるという話がある。
智は、猿知恵とも言う猿の知能を特筆したもの。
仁は、忠犬ハチ公の話等が有名な、犬の恩を忘れない性格を特筆したもの。
勇は、雉は火事の時自らを犠牲に卵を守るという習性から勇気を特筆したもの。
実家を継いで仕事も順調にこなしていそうで、街へ行こうと正攻法が突っぱねられようと試行錯誤する地頭の良さを見せた猿丸。
主人と認めた桃田に忠誠を誓い、役に立とうと反対意見を桃田に直接届かせないよう(ある意味番犬でもある)にしていた犬井。
言わずもがな鬼と呼ばれた人達を身を呈して庇い、逃がした雉野。
この三人は、見事に象徴としての性格を引き継いでいる。
まあ同じ生命体には変わりないし、そういう意味でみんな同じだよっていう前提なのかもしれない。
勿論鬼も同じはずなんだけどね……。
個人的には、同じ立場のはずの誰かを別物として攻撃するあたり、いじめなんかを彷彿とさせてとても嫌だな〜というのが全体を通しての感想。
1話見返してたら猿丸が「鬼が出たらどうするんだ」って言ってる……猿丸、鬼なんていないこと知ってるよね……
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) November 20, 2023
本当にあった怖い猿丸。
見回りの警官に見つかったら面倒だから急がせる為の文言だったのかな。
きびだんごのフォークがふたつあるの、一話で但馬が雉野に渡したきびだんごを一緒に食べた可能性が微レ存……だとしたら、但馬の目の前で食べてくれた雉野と突き返した桃田との差が但馬視点でもっと顕著になるよね
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
最後のシーンで明かされる、但馬が雉野に渡したきびだんごのフォークの使い道。
関係ないが、このきびだんごはそもそも猿丸の実家で作っているもの。
猿丸も同じような村運営と思われる監獄に入れられているにも関わらず、猿丸は檻から出ようとはしなかった。
あのフォークで扉を開けられる事を猿丸は勿論知り得ないし、猿丸の懐にフォークがあった可能性は確かに低いが、
あのフォークの素材やらなんやらについては、雉野よりも猿丸の方が遥かに詳しいし見慣れているはず。
そもそもテイクアウトきびだんごの付属フォークで開けられるようなザル警備の監獄、
外に出ようという気概があったのなら、猿丸にも逃げ出す事が出来たのではないか。
しかし、猿丸は檻から出ることはしなかった。
(奥さんと子供の件で絶望していたのだと思うが)
雉野と但馬と、猿丸の檻のシーンは、そんな対比でもある気がする。
本筋には関係ないけど、但馬が「上司に差し入れで持って行きたい」と猿丸の実家に買いに行ったであろうきびだんご、
上司さんと一緒に但馬も食べるかな、とフォークを多めに入れてくれたならなんか良いよね。
誰とでもすぐに打ち解けられそうな表の(というかよそ行きの?)晶哉ちゃんが感ある但馬は、幼馴染の親御さんにもそんな感じで認識されてそうで。
○但馬のキャラクターについて
桃田のことについて「すっごい興味あって!」って雉野を問い詰めるのはほぼ確実に既に猿丸にもやってるであろう事から但馬は犬井にも会うなり同じ事をやりそうだし、なんなら犬井が未だに桃田側の人間なら次の生贄に使えそうだなと思われて桃田に紹介された挙句次のパーティに誘われてる可能性が微レ存
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) November 6, 2023
桃田より先に犬井と二人で会うタイミングがあればこうなる可能性も高いなーと思っていた一話放送後の感想。
実際は桃田に直で会っちゃったから犬井に用はなくなっちゃったけど。
そうやって純粋な好奇心で詰め寄られた犬井はなんて答えてたのかなー……。
明らかに否定的な答えを返した雉野に、但馬の希望を殺さない為の答えをした可能性はあれど、目を輝かせて褒め称えるようなことはなかったであろう猿丸。
犬井がにっこり笑って桃田のことを簡潔に褒めたたえたとしたら、但馬は濁すようなことを言った雉野と猿丸より犬井の答えに喜んだんじゃないかと思ってしまって複雑。
犬井のキャラは美しい人の佐藤大臣(政府側:佐野)を彷彿とさせてなんだか凄く……。
そして佐藤大臣は途中で美しい人の中に入ったので、全然関係ないけど犬井の絶望も加速する気がしてならないし、桃田なら切りかねない気がする。
桃田に「何自分の意見言ってんだ」って怒鳴られた但馬は疑問を唱えたまま動かなくて、取り押さえられてやっと謝るの、キャラが出ててめっちゃいいな〜と思った。暴力に対する恐怖はあるけど、自分の意見を言う事が悪い事だっていう認識がない。話し合いの場なんだから、普通に考えれば悪くないもんね
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
「質問がある方は挙手を」と言われたからちゃんと質問形式で話す但馬。良い子でルールは守る、恥ずべきところや自分がルールを犯してる可能性を考えることがないあたり、周りに祭り上げられて正しさをねじ曲げられたらどうなるか分からない危うさがあるよなぁ。純粋だから洗脳も難しくなさそうだし
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
結局あの会議で全てを知ったにも関わらず最後まで桃田を説得しようと訴えかけていた上、まだ森には鬼がいると信じてた訳だし……。森の鬼に関しては猿丸が否定しなかった事と雉野の言葉だったからってのも大きいだろうけど、認識を歪めるのは割と簡単そうだし、→
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
→ 本人は変わらず正義だと信じて振る舞うであろう事を考えると、闇堕ちした時の辛さが桃田の時の云十倍に……。まあ但馬には猿丸も立ち直った雉野もいるし、大丈夫だと思うけど。いつまでも子育てされてないで良い嫁見つけてくれ。猿丸と年齢変わらないんだろ但馬
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
但馬が助けた人達の中に良い人がいて結ばれてくれたらいいな〜
なんて外野ながらに思ってしまう。
それを但馬が望んでるかどうかは分からないけど、子供想いで純粋で真っ直ぐな但馬は良いパパになってくれそう。
○但馬の名前が何故馬なのか?という話
但馬が謎の馬だから足の指くらいは暖められるとか聞いて「蹄だな……」って思ってしまう邪念が多い
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
桃太郎がお供にした動物三匹は十二支が由来説が濃厚。十二支を方角に当てはめた時、鬼門の方角が丑寅の方角で、退治のためには正反対の方角の動物を仲間にしようということに。その方角が未申の方角だったが、羊には角が生えている為鬼に通じると避けられ、猿から順に三匹という事になったらしい
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
この由来なら但馬は馬じゃなくて猪になりそうなものなのになーと思ったけど牙?猪の牙は鬼に通じるのか?但馬の説得キャラなら牙があっても良さげなもんだけどなぁ、苗字ならなんとでもなりそうだし、猪狩とかいるんだし(狩っちゃだめか)
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
まあ猪を避けると鼠になるけど鼠だと半周して丑の隣になっちゃうし、鬼(作品内の意味でも、敵=悪者=桃田達)に真っ向から攻撃する、駆除する訳じゃないことを考えると馬くらいの位置で丁度いいのかもしれないな
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
↑干支的な理由で馬にした説(本命)。
馬は草食で、攻撃的な要素を持ち合わせない大変大人しく優しい動物です。しかし、大きな体とは対照的に臆病で敏感な性格も持ち合わせています。
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
↑
晶哉ちゃんが演じる事前提で役名馬にしました??
馬の好物はにんじんのイメージが強いけど甘いものの方が好き←きびだんご……?????
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
馬は耳が良くて耳をぐるっと回して注意深く周りの音を聞いてるって出てきて、もしかして最初に猿丸達を警報音から助けようとした但馬……?と思ったし、よく考えたら妊娠してた猿丸の奥さんと心配して逃げ遅れた猿丸以外はちゃんと助かってるんだよね……もしかしてちゃんと草食動物してるのでは……
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
まあ桃田に対する警戒心が足りて無さすぎたから草食動物としてはあんまり出来は良くない方な気がするけども
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
↑馬の性格的な話。
桃田を警戒出来なかったのは仕方ないな〜桃甘いし、果物だし。(?)
○他に気になったこと
「順番気持ち悪!」って言ってた晶哉ちゃんの意見通り桃太郎のおともって犬→猿→雉だよね……雉→犬が敬語な事を考えるとおともになった順で先輩後輩観が割ときっちりあるのかなぁと思ったけど雉→猿は上下はっきりしてそうで、猿丸と雉野の後輩の但馬が幼馴染だから前後したのかなーとか考えてる
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
ただ例の順番が気持ち悪い誠也くんの言った順が「猿・雉・犬」だったから、ひっくり返すと今回の年功序列?立場?順になるよな〜と思ってる、さすがに偶然だろうけど
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
偶然というか、台本を読んだ後にあの質問をされたなら、誠也くんが「立場的に猿<雉<犬なんだなぁ……」と思っていて咄嗟にあの答えになった可能性もあるかな?雉は両方と敬語タメ口で話すシーンがあるし、組織に属する大人的立場な雉野を演じるなら最初にそこを意識しててもおかしくないなと
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
台本読んでここまで考えてたら凄いなと思った誠也くんの話。
普通に年齢順なのかなぁ。
でも雉野から見ればパワーバランス的にこの順だもんね。
○今回の劇団さんとのコラボについて思ったこと
今回のグレショー稽古風景に物凄く説得力があるというか、舞台を見た後に見て腑に落ちる感じがあるからすげえ楽しい……
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
私が舞台は好きでもドキュメンタリーにあんまり興味が無い事もあるんだろうけど、晶哉ちゃんのセリフの言い方と解釈が変わったのが顕著に見て取れて演出家さんの語彙力とか台本に込めた意志の強さとかが目に見えるのが面白いな〜と思えてめっちゃ楽しい
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
何がすごいって、「真面目で正義感の強いキャラだと思ってた」って晶哉ちゃんの話を聞いて、いやいやいや……って私が思えた事だと思う。もっと純粋で、思ったことを言ってるだけの疑問の台詞だよ!って何故か本人を相手に解釈違いを発揮出来るだけの解像度の芝居だったんだよね、本番の但馬は
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
そう表現してるんだから当たり前なんだけど、それがちゃんと形になってるのって演出家さんの根気強い指導と役者のひたむきさが重なって、イメージと表現が同じになって、やっと出来るものだよね。演出家さんの言葉を聞かないと知れない事だし、改めてすごい番組だよね
— あいづち@FC更新 (@yyi_nkgw) December 3, 2023
今回の劇団さんとグレショーさんがマジで相性良いなと思った話。
個人的に過去一ドキュメンタリーのターンを見てて楽しい。
最後に、今回の森の童話三部作の一部ずつについているタイトル『桃太郎!』『ヘンゼルとグレーテル!』『赤ずきん!』の末尾の半角感嘆符はAぇ!だからなのかなと解釈しています。
こだわり強くて好き。
個人的に会話劇が1番楽しみなので、ヘンゼルとグレーテルに期待を寄せながら生きます。
ありがとうございました。
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