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わが子の幸せをたくすエンディングノートプロジェクト ~障害者の『親なき後』のためにできること~

社会福祉法人いぶき福祉会とは

「いぶき」は1984年、障害のある人の活動する無認可小規模作業所として誕生し、1994年に岐阜市初の障害分野における社会福祉法人を設立しました。「重い障害があっても、大好きなこの街で安心して暮らしたい」、そんな障害のある人自身と、わが子の将来を思う親のねがいに、私たちはできるかぎり寄り添うことで、尊厳と人権を守り続けてきました。現在は利用者197人、職員177人で活動しています。
 今回、障害のある我が子と暮らす親の最大の不安を少しでも解消できればと、「親なき後問題」を取り上げ、岐阜市ガバメントクラウドファンディングの仕組みを使ってプロジェクトを実施することにしました。親が元気なうちに何をするべきか、ご家庭の状況に即した解決策を考えていきたいと思っています。

※ガバメントクラウドファンディングとは
自治体が抱える問題解決のため、ふるさと納税の寄付金の「使い道」をより具体的にプロジェクト化し、そのプロジェクトに共感した方から寄付を募る仕組みです。岐阜市と連携してプロジェクトを立ち上げ、皆さまからのご寄付を募ります。

ガバメントクラウドファンディングサイト
【外部サイト:ふるさとチョイス】
  https://www.furusato-tax.jp/gcf/1423


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『親なき後問題』とは

「私がいなくなった後、誰がわが子の生活を支えてくれるのか」

障害のある子をもつ親として、我が子が大人になり、自分も高齢になるなか、もしもの時に生活の支援や財産管理などになかなか見通しをもつことができずにいます。とりわけ障害の重い人を子にもつ親にとっては切実な問題。これが「親なき後問題」です。

自宅で暮らす障害者の介護負担が母親に極度に集中していて、それは親が高齢になっても続くことが少なくありません。いぶきでも70歳を超える親が40歳、50歳を超えるわが子を施設を利用しながらも介護し続けているケースがあります。これは障害に関わらず子育て・病気・高齢・引きこもりなど誰にでも訪れうる問題です。

「家庭の問題は家族で解決しなければいけない」という考え方は、当事者にとってはとても厳しく、生きづらさの原因になります。この考え方を地域のみんなで払しょくし、当事者だけでは解決しづらい、深く難しい問題を様々な人の関りの中で支えていく必要があります。親なき後問題で起こる様々な課題を捉え、解決策を考えていくことは誰もが安心して地域で暮らしていける社会の実現につながっていくと思います。

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不安でたまらない将来

いぶきに通う仲間たちは、仕事や暮らしでサポートを受けながら、喜怒哀楽のある当たり前の毎日を送っています。

しかし、家族が集まり将来の話になると「わが子より1日だけ長く生きたい」そんな言葉をたびたび聞きます。障害のある子を持つ親の最大の心配事は自分がいなくなった後、わが子がどうなるのかということ。

親の高齢化に伴い待ったなしの状況ですが、日々に追われ、また問題が大きいために、それにみあう準備は家族も周り(事業者)も十分できていないのが実状です。

障害のある子を持つ親がなくなったり、身体の自由が利かなくなった後…

・本人の意思をだれが決めるのか?

・お金はいくら必要なのか?

・住まいの場所・身辺の支援はどうするのか?

など課題は多岐にわたり、それを支える様々な人の輪(コミュニティー)が必要になります。

わが子の幸せをたくすエンディングノートをつくるプロジェクトとは

岐阜市では終活を促進するため、希望する方が無償でマイエンディングノートをもらうことができます。しかし、それには高齢になっても障害のあるわが子と暮らす人にとって大切な「わが子の幸せをたくす」気持ちを綴るページはありません。本プロジェクトでは、その部分を家族の皆さまと作成していく過程でかかわる皆様と親なき後問題について考え、解決の糸口を見つけていきます。当事者や支援する方など、親なき後にかかわる方々と、学習会・ワークショップ・実態調査をともに行い、コミュニティ形成と課題を共有しながら、みんなで解決策を探っていきます。

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プロジェクト内容

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①親なき後についてともに学ぶ場を開きます
成年後見、財産管理、生活の場、サポートする制度など様々なテーマで学  ぶ場を設けて直面する悩みと解決策を出し合っていきます。漠然とした不安がどこから来るのか、問題を一つひとつ明らかにしてしていきます。

②エンディングノートを一緒に作ります。
希望するご家庭にエンディングノートを配布し、本人・家族の皆様とともに作っていきます。ノート作成には時間とエネルギーが必要です。ワークショップを開催してともに作ったり、一緒にお話を聞きながら作成支援をすることもできます。

③親なき後の調査・研究を行います
手記やアンケートをお願いしたり、研究者・当事者団体と協力し、ご家族                   より聞き取りをして事例を集めます。そして、共通の課題と解決策をまとめ、地域でたくさんの方がかかわることで解決するべき問題であることを明らかにします。また、支援の場として重要になるグループホームについて制度の調査研究を行います。

④報告集、ウェブページを作ります。
プロジェクトによって得られた問題点や解決策などを実例を交えて公表し、同じ悩みを持つ方々に利用していただくとともに、地域の方々に親なき後問題がみんなの大切な課題であることを周知します。
そして、エンディングノート作成過程のノウハウをまとめ、より手軽に作れるようにシステム化しオンラインで誰でも利用できるように公開します。

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プロジェクトを通じて実現したいこと

親なき後問題は大きな課題であり、多様なものが絡み合っていて一人ひとりで解決策も異なります。現状に手いっぱいな中、複雑でわかりにくいことが不安を加速させます。それぞれの家庭が孤独に悩みを膨らませています。プロジェクトでともに学習を重ね、エンディングノートを作成するなかで悩みを話し合い、不安でたまらない状況を解消したいと思っています。また、意思決定、金銭管理、契約、生活の場などそれぞれの課題の解決策をみんなで考え、同じ立場で悩む方やそれを支える立場の方々に共有します。

「ふるさと納税」を利用すると、少ないご負担で高額の支援が可能になります

いぶき福祉会指定で岐阜市に「ふるさと納税」をされた場合、その額の95%が、いぶき福祉会に届きます。岐阜市以外にお住いの方には、返礼品も送られます。返礼品はいぶきの仲間たちの商品や、ともに岐阜で地域づくりに取り組んでいる団体の商品です。返礼品を通じて、障害のある人の仕事づくりや地域づくりの支援にもなります。
わが街の課題解決に取り組む活動の応援をぜひともよろしくお願いします。

ご寄付はこちらから【外部サイト:ふるさとチョイス】

  https://www.furusato-tax.jp/gcf/1423




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