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おやごころ ~ 003

娘「沙那」は、現在第二いぶきでお世話になっています。入所が2015年ですから、本巣特別支援学校を卒業してもう6年になります。

娘の障がいはダウン症です。ダウン症といっても、その発達の状況はまちまちです。娘の場合は、言語能力が低く、自分の意志や気持ちを伝えられないことや、精神的に不安定になりがちです。職員や仲間のみなさんにずいぶんと迷惑やご苦労をおかけし、心苦しく思っています。

藤掛さん新01

また、ダウン症はその容姿から比較的判別しやすい障がいですが、今から思えば、当時の自分は全くのド素人(?)で、産院を退院後も、娘の障がいに気づかず、体重が増えないことから受診した長良病院で初めて知らされたほどでした。初めての子育てに戸惑いつつも、親バカになりかけていた矢先での宣告。毎晩、娘を寝かしつけながら、なぜ?どうして?と、悲嘆に暮れ、朝目覚めるとわが子が障がい児という現実に引き戻される。その瞬間が一番辛かったな~と記憶しています。

そんなある日、娘を寝かしつけながら、ふと気付いたことがありました。自分は毎日、娘の障がいのことを悩み、悲嘆しているけど、実は、障がいを持つ子どもの親になってしまった自分の境遇を悲嘆しているだけじゃないのかと。

もちろん、娘にとって障がいはとても重いハンディです。ですが、年老いて子どもの世話になることをあてにしない限り、子どもの障がいは、自分自身にとっては、決して不幸ではない。子育てで苦労するのは健常児も障がい児も程度や質の違いはあれ、変わらないと。苦しまぎれの無理やりな合理化だったのかもしれませんが、そう思うことで随分と気持ちが軽くなったように記憶しています。

とは言え、きれいごとばかりは言ってられません。娘が癇癪を起して泣き叫ぶのを聞くと、悪魔と天使が共存しているとしか思えない時もあります。特に、昼間は仕事で外に出ているわたしに比べ、妻の心労は計り知れないと思います。正月の神社での願いごとは娘より四十九日長生きすることですし(笑)。

藤掛さん05

そんな自分もそれなりの歳を迎え、いわゆる「親なき後」を真剣に考えなければならない時期に来てはいますが、日々に追われ問題を先延ばしにしてしまっています。
今後とも、施設、職員の皆さん、仲間との交流を大切に、現実的な課題にも向き合っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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