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子どもにイライラして当たってしまうあなたに伝えたいコト

新型コロナウイルスの感染が広がり、子どもは外遊びが減ったり、親はテレワークで自宅にいる頻度が増え、家族が一日中うちに引きこもることが多くなったのではないでしょうか。家族と長く接する機会が増えることで、ついちょっとした子どもの言動にイライラして怒鳴ったり、叩いてしまったり、「もしかして虐待しているのかも?」と自分を追い詰めている方もいるかもしれません。さらに、新型コロナウイルスの影響によって、これまで以上に周囲に人に悩みを相談しづらくなり、悩みを抱え込んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。


虐待の現状

児童虐待はここ1年で増加しており、全国の児童相談所が2020年に児童虐待として対応した件数が19万7836人(速報値、対前年比6%増)にのぼっていることが分かりました。新型コロナウイルスの影響で、先の見えない不安やストレス、周囲に相談したくても相談できない状況から、親と子どもの孤独感が増していることが少なからず影響していると考えられます。


虐待の主な種類


子どもへの虐待にはどういったものがあるのでしょう?以下に挙げてみます。

①身体的虐待
殴る、蹴る、激しくふさぶる、熱湯をかける、タバコを押し付ける、外にしめだす、異物をあたえる、溺れさせるなど。
②心理的虐待
「バカ」、「死ね」、「生まれてこなければ良かった」などの子どもの自尊心を低下させる言葉を言う。脅し、無視したり、脅迫的な態度をとる。他の兄弟とは著しく差別扱いをする。子どもの目の前で配偶者やその他の家族に暴力をふるうなど。
③ネグレクト
子どもを家に閉じ込める、重い病気になっても病院に連れて行かない、適切な食事を与えない、極端に不潔の中で生活させるなど。
④性的虐待
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、ポルノグラフィの被写体にするなど。

イライラした時の対処法は?

では子どもにイライラしたときにはどうすればいいでしょうか。

①ストレスに気づいて、自分を大切に
毎日の育児でストレスフルになっていると、お子さんの言動に寛容になれないなんてこともあるのではないでしょうか。まずは、ご自身のストレスに気づき、自分自身を大切にしてあげる時間を作ることが大切です。例えば、ストレスがたまったときの対策として、リラックスできる時間を日常生活の中にもつことも大切でしょう。ゆっくりと腹式呼吸をする、ぼんやりと窓の外を眺める、ゆったりお風呂に入る、軽く体をストレッチする、好きな音楽を聴くなど、気軽にできることをまずやってみましょう。
②考え方を柔軟に
ストレスを感じる時、私たちは物事を「〜しなければいけない」と自分自身の固定概念にとらわれ、それがうまくいかない時に自分自身を否定してしまったりすることがあるかもしれません。そんな時、ダメな点ばかりではなく、実際にできること、うまく行っていることに注意を向けてみましょう。考え方を少し変えるだけで気持ちが少し楽になることがあります。
③悩んでいることを相談してみよう
悩んでいるときに誰かに話を聞いてもらうだけで、自分の思っていることを整理できたり、今悩みを抱えていることを一歩置いて見ることができたり、少し気持ちが楽になることがあります。

身近に相談できるパートナー、友達などに相談できない場合、「あなたのいばしょ」で相談することも可能です。親子のかかわりで悩んでいることでもチャットでなら話せるかもしれません。お気軽に相談してみてください。24時間365日対応致します。


また、全国では児童相談所が窓口となり、子育ての相談を受けています。「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」」に電話をかけると、発信した市外局番からお近くの地域の児童相談所に繋がります。通話料は無料で、24時間365日対応しています。


どうか自分自身を責めないで

子どもの虐待は、親の精神的なストレス、親自身の養育環境、子どもの発達特性の問題、貧困など、心理的、社会的、経済的な様々な問題が複雑に絡んで影響しています。親が誰にも悩みを相談できず孤独に感じ、そのストレスを子どもに向けてしまうことは、決して特別なことではなく、誰にでも起こる可能性のあることです。自分自身を責めずにまずは、だれかに相談してみましょう。

参考
子ども虐待対応の手引き(厚生労働省)
児童相談所虐待対応ダイヤル189(厚生労働省)