愛犬の看取り Dog Doc. 2
病気が見つかった頃の ドタバタ パニック状態から 落ち着いて、あとは様子を見ながら対症療法を調整していく日々。
当初の、なんとかせねばのアドレナリン?による空回り的元気から抜けて
今度は逆に沈んで安定。先の不安の重苦しさに逃げたくなる時も。
本人の調子も波があり、嘘みたいに元気な数日や、やっぱりしんどーいという期間が交互にやってくる。 波型をたどりなだら徐々に坂を下っていくのだろう
覚悟はできているとは思っているが、気持ちが快晴になることがない毎日。
便を柔らかくする薬の量を毎日調整し、飲み薬を餌に隠し、お尻を拭いたり、汚れている時はお尻をシャワーで洗ったり。シャンプーしたいけど刺激がありすぎるのも心配。
毎日 便やお尻とにらめっこ。たまにふと、思ってはいけないことを思ってしまう。 ・・・いつまで続くのだろう・・・
本人がこの先元気になることが見えていると気持ちが前向きになるが、少しづつ大きくなる腫瘍 出にくくなる便 しんどそうに寝ている姿を見続けるのが・・・
便がいよいよ出なくなったら やわらかくする薬を増やしていき、それでも無理になったら 吸い出すしかないらしい。
朝目覚めるたびに傍のベッドで寝いきを立てているのを見て あ、今日も生きてたとホッとする。
そして こちらを見てくる目の感じで 今日は調子がいいか悪いか瞬時に分かる。
ステロイドの影響もあってか食欲はある
自分の親の最期のほうも だんだん坂を下りていくしんどさと、残りの日々を親にとって少しでもしんどくないものにしたいという思いが錯綜して気持ちがアップダウンしていた。
わがままを言うことができるのもまだ命の力が残っているからで、後半 母はそれを感じるために必死で欲求をひねり出していた感がある。季節外れの果物、それまでそんなに興味のなかったクラシック音楽、好きだった大皿、実際は食べる力もないさまざまな料理。緩和ケア病棟の特別病室に植木まで運び入れた。
あげくには 看病中の私に 外食して ランチでパスタを食べてこいという。私は 美味しそうなワンプレートランチを選んでしまった。母は病室にいるので見えはしない。戻ってそれを言うと こちらが引くほどがっかりして、熱々のパスタをツルツルっと食べてると思ってたのにーと言った。代理食?こうして食べたくもないご馳走をいっぱい食べた。病室の小さな冷蔵庫も変なこだわりのアイスなどでいっぱい。病棟の給湯室にはかき氷器やシロップが常備されていて、いちにち何回も食べていた。お腹が冷えるからと止めても。体の中に熱がこもるのだろうか。。栄養のある食べ物や飲み物はもう受け付けなくなってきていた。そうやって枯れていくのが一番苦痛が少ないと聞いた。
坂道はまっすぐではなく 少し登ったり また下ったり。
その分 こちらの気持ちも上がったり下がったり。
一喜一憂でバテてくると もう流れに身を任せて 低めに漂う。
イヌの病気からつい親の看取りの頃を思い出してしまった。
当時は悲しむこともできなかったなあ。
イヌの好物のトリの胸肉のボイルしたものに錠剤を埋め、アガリペットをふりかけその上から鳥の煮汁をかける。この方法がいいのかはわからないがとりあえず今のところ喜んで食べてくれている。
前から調子の悪い時もチキンで抜けてきたので、プラシーボ効果みたいなのがあるのかもしれない。チキンという言葉にすごく喜ぶ。
車に乗るのが大好き。駅への送り迎えに行く時もいつも一番に乗り込んでくる。
でも、少しずつ乗り込む時のジャンプが届かなくなってきている。
庭からデッキへのジャンプもコントロール失敗してデッキのはじに激突したりする。スロープを手作りで苦労して作ったが、全く無視。
家の階段も最上階から滑り落ちてきたこともあった。階段の滑り止めマットをつけ、床にコルクマットを敷く。イヌの介護仕様になってきた。
縁起が悪いかもと思いながらも せっせとスケッチをする。耳と肉球に力が入る。おでこにMのデザインがあるので名前もそれにちなんでつけた。
まだまだ心配の日々は続きそう。
これからだんだん大変になりそう。。
でも とりあえず今日も 好物の胸肉を食べて お散歩にも行けて
うんちもできた。