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2021が終わるに際しまして。

5シーズン、エンタメに支えられた1年。

 2021年が始まると、大学の友人と交流する機会が続きました。出会う人々の魅力を浴び続けて,こちら側からも開拓しようとしたりして、濃密な期間だったと思います。しかし、交友関係が広がっていくにつれて、避けられないのが人間関係の悩み。今になってはしょうもないと思うものばかりでしたが,自分に対する自信のなさゆえ、どう振舞っていけば良いのかという壁にぶち当たっていました。「飲み」にいくというのにも抵抗があった当時。zoom会などをしても,ラグがあって、上手く楽しめず、むしゃくしゃした日々が続きました。そんな時に私を変えたエンタメが、ボードゲームでした。

 兼ねてからボードゲームのお店に行くのが好きというからボードゲームオタクだった私はオンラインでもできるボードゲームのサイト、上京するときに持ってきた選りすぐりの15のボードゲームを駆使しながら,オンラインボードゲーム会というのをやってみたのですが、反響がよくて。ゲームするのは好きでしたが、荒野行動とかPUBGなどは何もできません。そんな人でも頭さえあれば楽しめるのがボードゲーム。その魅力を私自身再確認しながら、このエンタメを普及することを目的としながら、遊びたい人と時間を共有できる幸せな空間が生まれました。

 20歳になりました。今年の誕生日は紛れもなく2021年の中で最も幸せだったということは疑うまでもありません。その当時お付き合いしてくださった彼女さんがとてつもない時間をかけて大サプライズを行ってくれました。私は何かを計画する立場が多くて、計画されることが珍しかったのと、嬉しさが溢れてきて、20の大人が泣きわめいて、若干、当時の彼女さんも引いてたなあ…。けど、本当にすさまじい思い出です。別れてからも、この日のことはたまに思い出します。それは、つらいなあとか、悲しいなあとかではなく、こんな瞬間が1秒でもあった2021年は幸せな年だなぁと。未練ではなく、感謝です。そんな私の春を語る上で外せないのは「バイプレイヤーズ」です。

「バイプレイヤーズ 名脇役の森の100日間」ポスター

 田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一の4人をはじめ、日本を代表する名脇役たちが本人役で登場し、実際に撮影などを通して、役者たちの本音やトラブルを描くコメディ作品で、1-3月にはドラマが,4月には劇場版が公開されました。これまでのシリーズの大ファンだった私にとっては、お祭りのような出来事だったのです。ドラマの最終回には内容に号泣したのち、寝る前には終わってしまうことが悲しく、さらに号泣して眠れなかったんです(コメディのはずなんですけども)。こんな体験は初めてで、いつか終わることを惜しまれるようなコンテンツを創り上げたいなんて思いました。

 とうとうお付き合いしていた彼女さんとお別れを告げられることになります。ここで私の当時の感情を詳説したところで誰も興味がないと思うので、詳しく述べるつもりはありません。まあ、さすがにしばらくは、グッと落ち込みました。けど、それ以上に楽しいこともありました。思い描いていなかった「未来」が地平線上に広がっていく中で、今後どうなっていくのか全く予想がつかない。その状況を能動的に楽しんでいきました。これまでなら、何かに言い訳つけて、やらなかったことを積み重ねたり。そして、映画もたくさん観ました。幼稚園のころから映画オタクを続けて16年になります。映画は私を現実から逃避させてくれるもので、しんどいことがあっても、映画を観終わるとその感情は消え去ってくれます。そんな私が、夏の終わりに出会えた傑作映画、それは「サマーフィルムにのって。」です。

映画「サマーフィルムにのって。」

 映画部の隅っこにいる、時代劇をこよなく愛す主人公。彼女はキラキラ青春映画ばかり撮影する映画部に嫌気がさす毎日を送ってました。そんなある日、彼女の前に時代劇の武士の役にぴったりの男が現れて…というストーリーです。この映画では、恋愛、青春、SFなどの要素が凝縮されています。映画の「未来」、高校三年生にとっての「未来」、そして決まってしまっている「未来」。様々な「未来」を描きながら、「現在」を過ごす主人公の成長物語です。とにかく真っすぐで、当時の自分と重なるところも多かったのに加えて、大いに感動しました。「未来」ってめちゃくちゃ面白い。映画っていいなあと思わされた1本であり、自分の中でも特別な1本になりました。

 今年は、ほとんど秋がありませんでしたね。秋服と言うのを着た記憶がありません。秋は、サークル活動がとてつもなく楽しくなってきた季節でした。軽音をやって1年近くになりまして、ようやくギターを楽しみながら余裕を持って楽しく弾くことができ始めた気がいたします。他にも、夏に比べて、大学の友人と遊びに出かけることも増えました。「大学生してる…」とつぶやいてしまうことが急激に増えたと思います。そんな秋に衝撃的な出会いをした楽曲が星野源の「Cube」です。

 SAKEROCK時代から、星野源の大ファンを続けている私ですが、この曲を初めて聴いたときは、頭が真っ白になりました。聞いたことのないテンポと奇妙な、耳が快楽状態に陥り、気づけば音楽が終わっていくこの体験したことのない衝撃。この曲をイヤホンで爆音で鳴らしながら歩けば、信号が見えなくなってしまうと心配になり、周りが安全かどうかを確かめながら聞くようにしていました。この曲は未だにテレビ等で演奏されていません。いつかライブで生で観れる日が来るまでは死ねないなあと思ったエンタメです。

 そして、この冬。私の周りでは恋愛が盛んになっていました。人の恋愛にあまり興味を持たない私ですら、おいおい話を詳しく聴かせてくれと思う恋愛が多く、幸せを分け与えてもらっています。また、冬の到来と同時に、誰かと居酒屋で、いろいろと語り合う機会も増えてきました。それはパーソナルな話もあり、カルチャー愛についての話もあり。ひとりで、こっそりエンタメを楽しむのもいいのですが、好きな人と好きなことをひたすら喋るということは私にとっても必要不可欠なんだなと再確認しています。そして、冬に必要不可欠なもうひとつのエンタメは、スパイスカレーです。

スパイスカレー「まるせ」


 スパイスカレーは体の芯から温めてくれます。オールシーズンを通して,食べているのですが、冬になると、自分にとって特需状態になります。スパイスカレーというのは、大阪が発祥と言われています。型にはまらないアマチュアの人たちが料理を独学で学んだため、「カレーはこうでなければならない」という固定観念がなくなって、本当に店によって味、盛り付けが全然違います。営業方針も間借りで行われていたりと、本当に店主の自由さと遊び心が存分に楽しめるエンタメです。スパイスカレーにはかなり元気をもらっています。美味しいものって人を幸せにすると言いますが、それって本当なんです。辛い時にも、ご褒美にも、そしてただ、お腹が空いたときにも、自分を幸せにしてくれる味覚のエンタメです。そして、この味覚のエンタメを人に共有する瞬間も私の大好きな時間になりました。

 日本というのは四季だといいます。しかしながら、5シーズンな気がして、5ブロックにわけて、振り返らせていただきました。今年は本当に予想がつかない映画のような1年だったかもしれません。自分の生活すら、客観視したらエンタメになっているような気さえしてくるくらい。来年は…ああ、テーマは「今年」でしたね。来年のことは触れないでおきましょう。どんなエンタメと出会えるか、そして、生活にどんな変化が生まれるか、私が1番楽しみなので。何も定めないでおきます。それでは、良いお年を。

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