アンダー・ザ・ウォーター

誰かの猿真似をおもいきりやってきたそのチョコレート、ぐずぐすの、わた、みず、みずからから、からから、から飛び出していく馬鹿ないちじくの魚たちのことを可愛がってやったが可愛がってやるというのは優しくてやる、やるやる、という洗練なのだからほんとうにみず、から、は生臭くならないと。うん、落ち着いて語った。貝が食べ頃なんだよ。貝か、なるほど。きみは貝を食べるのか。きみが食べるのはもっとこう、オレンジとか赤とか、そういう目玉状のライフポイントだと思っていたんだが、みずからが言うのならそうなのかもしれない。ここでみずからは語り終えぼくらを見た。みずからのふくよかな肉がひらひらとしていたはずなのにここではもうぐずってしまい、だれていて、みっともない、恥だ。はじ、知覚が濁るまえに死を迎える貝たちは食べられても問題ないのかもしれないが、この問題というのは人を選ぶ地縛霊の姿をしていて、みずからはそれを知らない。問題はかわいいが、ぼくらが問題に選ばれるとは限らないしなにしろ名前を呼べば一瞬で貝たちのもとへ帰ってしまうのだから丁重すぎるくらいでないとぼくたちはオレンジや赤のガンキュウポイントを食べることになる。それは困る。(みずからのことをなにも気にかけてやれないせいでこの間にもでろでろに腑抜けな果肉に変わり果てていくあわれっぽさ)そうですか、なるほど。ところでこのココア、大変美味しくいただきました。もう一杯お願いしても良いでしょうか。はい、すみません、ありがとう。ありがとう。

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