2023年12月21日〈朝〉[日報] 実家近所の二人の町高卒業生
🗒️ 古くからお付き合いのある地元の知人について記しております。🗒️
タケウチ以外にも、実家の近所には町高の卒業生が二人いらっしゃいます。
お二人とも、国際結婚をなさっているのです。
一人は、なんとドバイで知り合ったオーストラリア人の奥様をお持ちです。私が実家を離れる前の年にお子さんが生まれています。
さらに、この方のお母さまは、あのドローンの発見者です。
おじい様は、タケウチの父と同じ学校にお勤めでした。いつも笑顔で語りかけるおばあ様と違って、なかなか気難しい方でした。
あの家出から帰宅してすぐのことです。
おじい様がそろそろお亡なくなりになるかもしれないとお聞きして、そのお宅へ見舞いにお伺いします。おじい様の最期を見届けるため、居間の真ん中に介護用ベッドを用意して家族皆で囲んでいらっしゃいました。
おじい様は、見舞いに伺ったタケウチの手を握ってくださります。そして、最初で最後の笑顔を見せてくださったのです。
コロナ禍のリモートワークの合間、私はよく、そのお宅の小学一年生のお孫さんとお話をしていました。先の町高を卒業した方の姪っ子さんです。学校のことや、このお孫さんがお隣の方からいただいたオタマジャクシのことなど。
タケウチは、いずれ、あのおじいさまのことを語らねばならないとの思いから、彼女と親しくしていました。
ある時、町高生のお母さま、つまり、先の手を握ってくださったおじい様の義理の娘にあたる方が、おっしゃるのです。
「なおちゃんちの方で、黒い影が動くのが見えた。右上から左下へ。」
そのお母さまも、私と一緒に小一のお孫さんと遊んでいたときのことでした。
私も、やはり、同じ影を目撃しています。全く同じ場所で。目線がそちらへ向いたことで、アカメガシワの生垣に隠れたに違いありません。
おそらく、タケウチが、幼児虐待をする光景でも期待していたのでしょう。
さて、もう一人の町高卒業生も、なかなか優秀な方です。大手光学メーカーで内視鏡のエンジニアをなさっており、中国に赴任していらっしゃいました。
タケウチが受診した学会理事長もこの内視鏡で手術をなさるに違いありません。その道では、日本どころか、世界にもその名のとどろく方です。
この町高卒業生は、中国人女性と結婚なさっています。上海支社で通訳をなさっていたと思われます。
久方ぶりに、この町高卒業生と会話をしたさいの、その奥様のお気遣いにタケウチは心を打たれました。
駐車場で二人は会話をしていたのですが、彼はちょっとした段差の上に立っていらっしゃいました。奥様は、さりげなく彼を段の下へ降ろして立ち去ります。彼女が微笑んでいらしたので、タケウチもたしなめていらっしゃるとは気付きません。
のちに振り返り、彼女の内助の功に心をうたれた次第です。他の方にも知っていただきたかったので、その隣の奥様にもお話ししています。
ちなみに、お父様は NHK で物理の番組に出演なさり著書もおありです。
ふと、思い出したのが、その頃、リモート勤務していた会社の元官僚という社員のことです。
画面の向こう側のその方の斜め上に洗濯物がぶら下がっているのです。
タケウチは、我が目を疑います。
また、あるときは、その方の後ろで奥様が掃除機をかけていらっしゃいます。
最近になり、やっとその意図にタケウチも気付きます。仲見世商店街の生活百貨矢部で同じ物干しをみつけた時のことでした。
東大卒の官僚であるこの社員は、いわゆる秀才のエリートコースを進む方です。理屈っぽいと思われて会話しずらかったり、嫉妬されたりといった場面は多々あるはずです。
そんな旦那様への妬みを減らそうという奥様のお気遣いに違いありません。
タケウチは、いずれ、そのエリート社員を先輩の老舗店にお招きするだけでなく、矢部さんの店にもお連れすることを心に誓います。
もちろん、奥様や、可愛いお二人のお子さんもです。
しかしながら、いくら身内とはいえ、お子さんたちを「一号、二号」とお呼びになるのは、あんまりでしょう。
さて、未婚のタケウチですが、見合いのチャンスもあったのです。
あの母がある日、言うのです。
「あなた、太った女性は苦手でしょう。」
どうも、”ふくよかな” 女性を紹介されたものの、世間体に敏感な母は、勝手に断っていたのです。
「息子だけでなく、家族への気遣いを無下にしてはいけないんじゃない?」とタケウチは母に指摘します。昨年のことです。
これも、息子のタケウチが粛清されてしまった理由でしょう。
町高卒業生、川角さんのお父様の著書です。
タケウチも、サインをいただきました。
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