最年少・掛け持ちアルバイター(10月)

新しいアルバイトをはじめた。
バイトの人に対しても福利厚生が充実した会社で、会社のお金で買ったお弁当を食べながら顔合わせをするという会があった。

もちろん初対面の人が集まればすることはひとつ、自己紹介だ。

最近流行りのMBTI診断の最初の方の質問で「他人に自己紹介するのは苦手ではない」みたいな質問項目があった気がする、そしてわたしはたしかYESに寄った方の丸に色をつけた覚えがある。
名前と年齢、大学で学んでいること、休日にやるような趣味、好きな音楽…昔からプロフィール長を書くのが好きだったように、今も自分のことを話すのは好きな方だ。


しかし、この日最後に順番が回ってきたわたしは自己紹介を間違えてしまう。



名前のあとに年齢を言った瞬間、社員の人が合いの手を挟んだ。

「最年少なんだよね!」

あーーーーーー!!!!!!そうなんです、そうなんですけどね。
きっと社員の人からしたらそれを言うことで何かに引っ掛かればいいなという気持ちだったのかもしれないんですけれども、その一言はわたしの中の変なスイッチを押してしまいまして。そこからはもう…。

気付けばわたしはその場の中で「最年少・掛け持ちアルバイター」のレッテルを貼られてしまったのです。
発行したのは紛れもなく私です。嫌なら軽く流すなりなんなり、いくらでも出来たのに。


帰りの電車の中で、この先が不安になった。自己紹介が、プロフィール帳の提出で済めばこんなことにならなくて済むのになあ…。
この先も多分何回かは望まぬタイミングで自己紹介することになると思うけど、多分私はまた不本意なレッテルを自分自身に貼ることになるだろうからできるだけダメージを負わない当たり障りのない自己紹介をしようと決めた。
音楽とお笑いのライブを見にいくことが好きです…以外は余計なこと言わない方がいい。ゆっくり話せば人となりなんていずれ伝わるし、大抵の自己紹介は誰の記憶にも残らない。

私は自己紹介が苦手なんだ、そう気付いた日でした。



それから1年が過ぎようとしている今、私はアルバイト先でどんな人間だと思われているのでしょうかね。
嫌なやつだと思われていなければ良いな…。どんな人間と思われたいかを考えると、つまるところそれしかないから自己紹介なんて本当に結構どうでもいいんだなということに気付いたのが今でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?