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【診断士試験】経営情報システムまとめ①(基本テキストより)

こんにちは。なごみ地蔵です☺

本日は、「今年、中小企業診断士試験を受験予定だ」という方に向けての記事です。

これまでまとめを書いてきた「中小企業経営・政策」と「財務会計」は、上級講義の内容でしたが、苦手意識のある「経営情報システム」は、基本講義を受けたので、今回は基本テキストの重要論点に絞ってまとめていきます。

とはいえ、それでもなかなか量が多いため、今回は「情報技術に関する基礎的知識」の論点について取り上げ、他の領域については後日また別の記事で紹介します。


ハードウェア

1.記憶装置

【半導体メモリ】

ROM電源を切っても記憶情報を保持(不揮発性)
マスクROM製造時に一度データを書き込むと、後から一切書き込みができないメモリ
EEPROM…電気的にデータの消去が可能なROM。この一種にフラッシュメモリがあり、SDカードUSBメモリSSDなどのメモリに利用されている。
フラッシュメモリドライブ(SSD)記憶媒体としてフラッシュメモリを用いたドライブ装置SSDはデータの読み書きがHDDに比べ高速化されている消費電力も大幅に少ない

RAM電源を切ると記憶情報が失われる(揮発性)
DRAMリフレッシュが必要なため、処理速度は遅い主記憶装置に用いられる。SDRAMDDRSDRAMなどがある。
SRAM…リフレッシュが不要なため、処理速度が速い。キャッシュメモリに使われる。


【記憶装置の階層】

キャッシュメモリ…CPUと主記憶の速度差を埋める。
キャッシュ機能一度アクセスしたデータを主記憶よりも高速なキャッシュメモリに記録しておくこと
ヒット率データがキャッシュメモリに存在する確率

ディスクキャッシュ主記憶装置と補助記憶装置との速度差を埋める


【高速化技術および有効化技術】

仮想記憶装置補助記憶装置を利用することで、実装されている主記憶の容量を超える空間を作り出す方式
スワッピング当面使われそうにない内容を仮想記憶に追い出し、空いた領域に必要な内容を読み込むこと。ページングとも言う。
スラッシング主記憶の容量が少ないと、スワッピングが多発し、処理速度が低下すること。

ガーベージコレクション主記憶装置上の領域において、断片化された領域を集めて利用できる大きさにまとめる処理のことコンパクションメモリコンパクションとも言う。
デフラグメンテーションは、対象が補助記憶装置

2.インタフェース

【シリアル伝送を行うインタフェース】
USB…最大127台まで接続可能
IEEE1394デジタルビデオカメラ接続の標準規格で、最大63台まで接続可能
シリアルATA内蔵ハードディスクやDVD装置などの光学ドライブを接続
e-SATA外付けハードディスクや外付けブルーレイディスクを接続
mSATAケーブルを使わずにPCへ取り付けられるシリアルATAコネクタの規格
NVMeSSDを接続
DVI…液晶ディスプレイなどの表示装置を接続
HDMI音声の入出力
DisplayPortマルチディスプレイ環境を構築

【パラレル伝送を行うインタフェース】
SCSI外付けハードディスクやスキャナの接続
セントロニクス(IEEE1284)…プリンタ接続の古い規格
パラレルATA(IDE)内蔵ハードディスクなどを接続

【ホットプラグとプラグアンドプレイ】
ホットプラグ電源を切らずに接続の抜き差しができる機能
プラグアンドプレイOSがデバイスを自動的に検知して、最適な設定を行う機能


ソフトウェア

1.システムソフトウェア

【OS】
コンピュータシステム全体を管理するソフトウェア
マルチタスク…1台のコンピュータで同時に複数のアプリケーションを起動して並行的に実行できるもの
マルチユーザ1台のコンピュータを複数のユーザで共有できるもの
マルチウィンドウ…1つのディスプレイ上で複数のウィンドウを表示できるもの
ユーティリティOSの機能強化やアプリケーション機能を補う目的で使用される

【OSの機能】
ジョブ管理
タスク管理
ディスパッチング実行可能状態のタスクにCPUの使用権を与えること
入出力管理
デバイスドライバ各種機器を制御するためのソフトウェア
スプーリングプリンタの高速化に用いられている技術
記憶管理
ユーザ管理

【ミドルウェア】
OSと応用ソフトウェアの「中間的な」役割をもっているソフトウェア

2.データ形式

【代表的なマルチメディアのデータ形式】

静止画像データ
・BMP…フルカラー(約1,670万色、24ビット)に対応
・TIFF…可逆圧縮方式
・GIF…可逆圧縮方式。モノクロ2色から最大256色(8ビット)に対応
・PNG…可逆圧縮方式。約280兆色(48ビット)に対応
・JPEG…非可逆圧縮方式。フルカラー(約1,670万色、24ビット)に対応

動画像データ
・MPEG-1…ビデオCDなどに利用
・MPEG-2…DVD、デジタル放送などに利用
・MPEG-4…携帯電話向けの通信などで利用
・MPEG-7…XMLにてマルチメディアデータに情報を付加するための記述方式

音声データ
・WAVE…主にWindowsで利用
・WMA…米マイクロソフト社が開発。非可逆圧縮方式
・MP3…MPEG-1のオーディオ規格として開発。非可逆圧縮方式
・MIDI…電子機器の演奏データを機器間でデジタル転送するための世界共通規格


【静止画像の表現方式】
ラスタ形式画像を色の付いた点(ドット)の集合として表現する形式JPEGGIFTIFFPNGなど。
ベクタ形式画像を点の座標や図形などを数値化して表現する形式SVGなど。


データベース

1.SQL(Structured Query Language)

【グループ化】
GROUP BY句を用いる場合、グループ化されている列(GROUP BY句で指定している列)を必ずSELECTに含まなければならない
SELECTには集合関数を指定することもできる
グループ化されている列(GROUP BY句で指定している列)と集合関数が指定される
HAVING句を指定すると、条件を満たすグループのみを抽出することができる

【データの並びかえ】
ASCは昇順DESCは降順を意味し、省略した場合はASCが指定されたものとみなされる


ネットワーク

1.コンピュータネットワークの種類

LAN限られた範囲内でコンピュータや関連機器を接続したネットワーク
WAN地域的に離れたLAN同士を接続したネットワーク

2.LANの接続機器

【LANカード】
MACアドレスが付与されたカード
MACアドレスLAN内で端末を一意に識別する番号48ビット16進数で表される

【ブリッジ・スイッチングハブ】
MACアドレスフィルタリング機能を持つ
MACアドレスフィルタリングデータに付加された宛先MACアドレスを識別し、MACアドレステーブルに照らして必要なポートにのみデータを流す機能。これにより、衝突(コリジョン)を抑制することができるため、ネットワーク効率を向上させることが可能になる。

【ルータ】
LANとLANやLANとインターネットなど、異なるネットワークを接続するための機器で、ルーティング機能を持つ
ルーティング機能データに付加された宛先IPアドレスを識別し、ルーティングテーブルに照らしてデータを転送すべき経路を判断する

3.WANの通信方式

【VPN】
通信データの暗号化技術や認証技術、トンネリング技術などのセキュリティ技術を用いて、仮想の専用線のように「閉じたネットワーク」を構築し、安全に通信を行う技術の総称

VPNの用途
企業内の各拠点を結ぶ仮想的な専用線
社外から社内LANにリモートアクセスする際の認証

VPNの種別
インターネットVPN…インターネットを利用するため、相対的にセキュリティが低い一方、通信コストも低い
IP-VPN…通信事業者が提供するネットワークを利用するため、相対的にセキュリティが高い一方、通信コストも高い


【データ回線終端装置(DCE)】
DSU…デジタル回線で用いられる
ONU…光ファイバ回線で用いられる


インターネットの概要

1.インターネット接続の仕組み

【IPアドレス】
インターネットにおいて端末を一意に識別する番号
現在インターネットで用いられているのは、32ビット体系のIPv4
IPv410進数表記をし、ネットワークアドレス部ホストアドレス部からなる。サブネットマスクCIDRを使用することが一般化している。
IPv6128ビットのIPアドレス空間で、プレフィックスインタフェースIDからなる。

【IPアドレスの種類】
グローバルIPアドレスインターネットにアクセスするための世界中で重複することのないIPアドレス
プライベートIPアドレス企業などが自由に割り当てを行うことができ、世界中で重複する可能性のあるIPアドレス
NAT1つのグローバルIPアドレスに対して同時に1つのプライベートIPアドレスを割り当てる機能
IPマスカレード1つのグローバルIPアドレスに対して同時に複数のプライベートIPアドレスを割り当てる機能
ICANNインターネットで利用されるグローバルIPアドレス、ドメイン名などの標準化や割り当てを行う民間の非営利組織

【DNS】
インターネット上のドメイン名とIPアドレスを対応させるシステム

【DHCP】
IPアドレスをはじめとして、ホスト名や経路情報、DNSサーバの情報など、通信に必要な設定情報を自動的に割り当てるプロトコル

2.TCP/IP (Transmission Control Protocol / Internet Protocol) 

インターネットで標準的に使われる通信プロトコルの体系であり、4階層ネットワークインタフェース層インターネット層トランスポート層アプリケーション層)で構成されるプロトコル群

インターネット層のプロトコル
【ICMP】
IPのエラーメッセージや制御メッセージを転送するプロトコル
pingネットワーク上の特定のコンピュータが通信可能かを調べるためのコマンド
tracerouteあるホストから別のホストまでのネットワーク経路を表示するコマンド
【ARP】
IPアドレスからMACアドレスを取得するためのプロトコル

トランスポート層のプロトコル
【TCP】
コネクション型データの到着確認や誤り訂正などの通信制御を行う
【UDP】
コネクションレス型データの到着確認や誤り訂正などの通信制御を行わない
【ポート番号】
TCPやUDP通信において通信相手のアプリケーションを識別するために利用される番号

電子メール関連のプロトコル
【SMTP】
サーバ間でメールのやり取りをしたり、クライアントがサーバにメールを送信する際に用いるプロトコル
【POP3】
サーバからメールを受信するためのプロトコル
【IMAP】
サーバからメールを受信するためのプロトコル
【MIME】
画像や音声、動画など、テキスト以外のデータを電子メールで送信するための通信規格
【S/MIME】
電子メールの内容を暗号化したり、電子メールに電子署名を付加したりするための通信規格


セキュリティ対策

1.暗号化

シーザー暗号アルファベットを数文字横にずらして暗号化
共通鍵暗号方式暗号化および復号に同一の鍵(共通鍵)を用いる暗号方式
公開鍵暗号方式暗号化と復号に異なる鍵を用いる暗号方式受信者の公開鍵で暗号化し、受信者の秘密鍵で復号する。
セッション鍵暗号方式(ハイブリッド方式)…送信するデータ自体の暗号化を共通鍵暗号方式で行い、データの暗号化に用いる共通鍵を公開鍵暗号方式で暗号化して事前に共有する

2.認証

【SSL】
インターネットを用いた通信において、クライアントとサーバ間で送受信されるデータを暗号化して第三者による通信内容の盗聴を防ぎ、合わせてサーバのなりすましやデータ改ざんを防ぐセキュリティプロトコル
・データの暗号化…セッション鍵暗号方式
・サーバ認証…デジタル署名

【デジタル署名】
デジタル文書の正当性を保証するために付加される、暗号化された署名情報
送信者の正当性の確認公開鍵暗号方式送信者の鍵を用いる
・情報改ざんの検知…ハッシュ関数

【CA】
電子取引など公開鍵暗号技術に基づく電子署名を利用する際に、公開鍵が正当であることを保証する機関

3.アクセスコントロール

【ファイアウォール】
組織内部のLANと、その外部に広がるインターネットとの間に、外部からの不正なアクセスを防ぐ目的で設置されるルータやコンピュータ、またはその機能的役割のこと
パケットフィルタリング機能パケットの宛先(送信先のIPアドレスや送信元のIPアドレスなど)を調べて、通過させてよいパケットは通過させ、通過させてはいけないパケットは通過させない機能
プロキシサーバの機能インターネットとのやり取りを仲介する機能キャッシュ機能URLフィルタリング機能が備わっている。

【DMZ】
インターネットなどの信頼性の低い外部ネットワークと、社内ネットワークの中間に置かれる区域インターネットに公開しなければならないサーバは、DMZに設置するのが望ましい

【IDS】
不正アクセスを監視する侵入検知システム
IPS侵入防止システム対策を自動化している点が特徴


システム構成技術

1.クライアントサーバシステムの構成技術

3層アーキテクチャ…「どの層にどの機能をもたせるか」という論理的な概念であり、3層の物理的な構成を規定したものではない

2.システムの評価

【性能評価】
スループット…コンピュータシステムによって単位時間あたりに処理される仕事の量
レスポンスタイムコンピュータシステムに対して、端末からある処理の要求を出し終えた時点から、その応答が始まるまでの時間。主に、リアルタイム処理(OLTP)で用いられる性能指標
ターンアラウンドタイムコンピュータシステムに対して、端末からある処理の要求を開始した時点から、その結果の出力が終わるまでの時間。主に、バッチ処理で用いられる性能指標

【信頼性評価(RASIS)】
信頼性…平均故障間隔(MTBF)
可用性…稼働率
保守性…平均修理時間(MTTR)
平均故障間隔何時間に1回故障するか
稼働率ある時間のシステムの全運転時間に対する稼働時間の割合MTBF/(MTBF+MTTR)
平均修理時間1回の平均修復時間

3.障害対策の手法

【障害に対する考え方】

フォールトトレランス障害が発生した場合に、運転を継続できるシステムを設計しようとする設計概念
フェイルソフト障害が発生した場合、システムの全面停止を避け、機能を低下させても運転を継続させること、またはその設計概念
フェイルセーフ障害が発生した場合、障害による被害が拡大しない方向に制御すること、またはその設計概念

フォールトアボイダンス障害が発生した時に対処するのではなく、品質管理などを通じてシステム構成要素の信頼性を高める設計概念。障害そのものを発生させないようにするアプローチ

フールプルーフ…ユーザが入力ミスしても、そのミスをカバーするシステムを設計しようというアプローチ全般のこと


【障害対策の技術】

ミラーリングハードディスクを2重化することで、ハードディスクの障害に備える技術

RAID複数ディスクを用いて読み書きの高速化や障害に対する信頼性を高める技術読み書きの高速化にはストライピング信頼性向上にはミラーリングやパリティが利用されている
ストライピングデータを複数台のハードディスクに分散して書き込む技術
パリティデータ復旧用の冗長情報

デュプレックスシステム現用系と待機系の2系統のシステムから構成され、正常時は現用系でオンライン処理を行い、待機系でバッチ処理などを行うシステム構成

デュアルシステムシステムを構成する全装置を2重化し、各系統が同じ処理を行って、その処理結果を照合するシステム構成方式


プログラム言語

1.低水準言語と高水準言語

【高水準言語】
人間が理解しやすいプログラム言語
・手続き型言語…FORTRAN(科学技術計算)、COBOL(事務処理計算)、C(UNIX)、BASIC(初心者向け・インタプリタ型)
・非手続き型言語…Java
手続き型言語処理手順やアルゴリズムをひとつひとつ順を追って記述する
非手続き型言語処理手順やアルゴリズムを意識しないで作成できる。オブジェクト指向型言語など。

【Java】
主にインターネット環境で利用されるオブジェクト指向型言語
Javaの最大のメリットは汎用性の高さにあり、それを実現するのはJavaで記述されたプログラムの動作環境、JVMである。

2.スクリプト言語

JavaScriptクライアント側で動的なWebページが作成できるスクリプト言語
PerlCGIの開発やUNIX用のテキスト処理などに用いられる。インタプリタ型。
PHPサーバ側で動作するサーバサイドスクリプト言語。Webアプリケーション開発に特化。データベースとの連携も容易。
Rubyオブジェクト指向プログラミング。Perlと同等の機能を有する。
Python機械学習やディープラーニング(深層学習)で利用されている

3.マークアップ言語

マークアップ言語…データの構造を記述する言語。テキストファイル
SGMLHTMLやXMLのもとになった言語

【HTML】
Webページを記述するためのマークアップ言語。Web上で使用されるハイパーテキストを記述。
CSS…Webページのレイアウトを定義する規格
DHTML…動的表現が可能となるマークアップ言語

【XML】
ユーザが独自のタグを指定できるメタ言語。インターネットを介した不特定多数のコンピュータ同士のデータ交換やデータ形式の標準化などに用いられる。データ構造の変化に柔軟に対応でき、拡張性が高い。
Ajax…JavaScriptの非同期通信を利用して、WebブラウザとWebサーバとの間で通信を行い、XML形式のデータをWebサーバとやり取りすることで、画面の一部を動的に再描写する仕組み
XSL…XML文書のレイアウトを記述する言語
XBRL…各種財務報告用の情報を作成・流通・利用できるように標準化されたXMLベースの言語


最後に

ここまで、経営情報システムの学習領域のうち、「情報技術に関する基礎的知識」についてまとめてきましたが、いかがでしたか?

「システム・ソフトウェア開発」「経営情報管理」「統計解析」については、また別の記事でまとめる予定ですので、また見に来ていただけると嬉しいです。

そして、ご存じの方も多いかと思いますが、今年度の試験日程が発表されました!

第一次試験は、オリンピックの開催時期を考慮し、昨年度と同時期(7月の第2土日)になるかと思いきや、8月21日(土)22日(日)と、例年と比べても遅い日程となり、予想外の展開に驚かれた方もいらっしゃると思います。

今年度多く与えられたこの時間を味方につけて、ぜひ一緒に合格を勝ち取りましょう!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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「次のまとめ記事も読みたい」
と少しでも思っていただけたら、
「スキ♡」やコメントをいただけると嬉しいです☺

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