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花より団子より車

幼い子どもとの毎日のお散歩。
平日は大抵、朝の身支度が終了次第の出発なのだが
起床や出発の時間が微妙なときに生じるのが
お昼ご飯どうする問題


と、先般の あおいおそらに くるまとばなな に続き
最近の青空ランチについて綴ろうと思う。



花より団子より車


誰でも無料、待ち時間0分
全車両揃っていないときもあれば
出て行く/帰って来るところに立ち会えるときもある…
街の はたらくくるま の ショールーム、消防署。

幾度お世話になったことだろう。
そして、これからも幾度お世話になることだろう。
署内ではきっと、「あの親子来た!」と噂されているに違いない。
ブラックリストに載っているのでは?と思えてならない。


さほど近所ではないものの、子どもは道を覚えているようで
散々うろうろした後でも
真っ直ぐ進めば消防署という通りへ来ると
迷うことなく、早足で向かい始める。

滞在時間は気分次第であるものの
署の方から声をかけてくださり
各車両について教えてくださった際は
3時間弱ほどにまで及んだことがある。
もちろん、署の方とすごしているのは一部で、遠目で見ている時間も含めて3時間弱である。


回を重ねるにつれ、子どもも親も成長する。


その消防署から数十メートル離れたところには、いくつかベンチがある。
署の車両たちが一望できる、まさに夢の特等席。

それに気付いてからというもの。
青空ランチ を予測した際は
簡単に食べられるものを鞄にしのばせたり
近所のおにぎり屋さんで調達したりするようになった。

自宅での食事については、無理のない範囲で栄養バランスを気をつける
とすることで
以前より、私も心身ともに健やかでいられるようになった気がする。

また、何度か署の方から説明をお聞きするうちに
各車両についても詳しくなってきた。
「これ、たしかこの前納車したばっかりの消防車じゃなかったかなー。」
と、私が子どもへ話しかけているのを聞いて
「そうです!よくご存知ですね!」と答えてくださる方までいらっしゃる有様だ。


そうして、このたび
道中で様々な桜を見て、消防署前ベンチで青空ランチ
という、お花見(?)兼お車見(?)が実現した。

もっとも、子どもは食べるよりも消防署の様子を伺うのに
こちらはいつ走り出すかわからない子どもの様子を伺うのに、それぞれ必死で
ゆったりとはできないのだが…。

そういえば、消防車の赤と救急車の白を混ぜたら、桜たちの色になるかなー
あ、青みがかった色のもあるよなー
などと、春のひだまりの中でぼんやり考えながら
親子共々楽しくすごせればそれでよいか、と割り切っていた。


桜の一名所へ行ってから
子どもは、道やテレビで桜を目にするたびに
「ちゃくら ちゃいてる」
「まま と ちゃくら みた」
と言ってくれるようになった。

しかし、季節を問わず何度か訪れていても
その想い出スポットに、こどもの足は向かない。


ここまで読んでくださるような方はきっと
消防署近辺で腹ごしらえをしていたり
「しょうぼうちゃみるのー!」
「きゅうきゅうちゃみるのー!」
と泣き喚く子どもをなんとか抱いた親が、反対方向へ歩いていたり
といった風景を見ても
優しく微笑んで通り過ぎてくださるのだろうか。

もちろん
消防署の方々の仕事を邪魔しない
使った場所は綺麗にしてから去る というような
当たり前のルールを守る親子 が前提だが。



末筆ながら
人々の生死に関わる大変な仕事をされながらも
小さな一市民に対しても優しく接してくださる消防署の方々に
改めて、感謝の想いを伝えたい。

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