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大事なもの捨てたら倍返しにあった

はじめに

あなたの手放したくないものはなんですか。







私が手放したくないもの

それは学生時代の資料。

部屋に入ると棚にみえる背表紙の一面。
揃えられて、同じ色のファイルが棚に並べられている。
そこには、学生時代の自分の葛藤、苦しさ、もどかしさ、が詰まっている。
自分の進路に何か違うと違和感を感じながらも、学校を卒業することは心に決めていた。
私に編入という選択肢はなく、親に相談しても、『退学→就職』か『卒業』の道のみだったからだ。
本試験前はテスト勉強しないという自分なりの小さな抵抗・反抗を繰り返し、点数が足りず再試験になった科目は数知れず。
多くの人はバカみたいな抵抗・反抗と思うだろう。でもあの時は、それが自分のこころに正直にいた結果で、背徳感もありながら、どこか晴れやかな気持ちがあった。(例外の時期あり)
再試験になった時は、進級のために資料に穴が開くほど目を通して狂ったように勉強した。
そうやって、毎回どうにかこうにか試験には合格し、進級していた。
最後には周りの人に救われて、無事卒業もできた。
学校を卒業した今、一つ一つ手に取ると困難を乗り越えた達成感に浸れる。
心地よい時間をくれる貴重な資料。

捨てないことで得られるもの

学校の資料一つ一つに触れるたびにそんなことを思い出していた。
いやいやながらにやりきったときの達成感。
これが厄介だった。
前進するためのおもりになっていた。
過去の頑張りに浸ることで、エネルギーが過去に向いていた。
前進する力を奪われていた。
今を認められていないということ。
今を過去とすり替え、錯覚させて安心感を得ていた。
今感じる心の痛みを封じ込めるカギをそばに置いておきたかったのかもしれない。

捨てられないのはモノじゃない?

やっぱり、捨ててみて思うのは自分への肯定が足りなかったということ。
自分を認めていなかったなって。
過去で今の自分を満たすことなんてできないのにね。
今の状況は今の自分が認めるしかないてわかってるはずなのに。
本当は、自分は今の状態を認めてあげたかったんだろうなって、考えるようになった。
捨てられないのは、一時的にでも自分を認められる時間。
それを生み出すものが、私の場合は資料だったんだなって。
そんなん、現状から目を背けているし、今の自分と向き合っていない。
退路を断つ。
それが自分へ向けた本当の優しさなんだろうな。
そうすることで、だって「今」動きたいと思った時に進む道は「前」にしかないもんね。

捨てた後に起きた変化

心がスッキリした。
なんでか考えると、やっぱり今の自分を認められたからかもしれない。

それに、自分の部屋がスッキリして、勉強が捗るようになった。
また新たに、新しい道に進む覚悟もできた。
今働いていないという現状の他にも、不思議と過去の感傷に浸る時間がグッと減った。
過去のことより、達成したい未来のために、今にフォーカスする時間が増えた。
後ろを振り返る時間が圧倒的に減った。

捨てるときはとても不安だった。でも、やってみると不思議な力に動かされ、捨てるときに感じた不安の何倍もの力で今、前進している。
手放すことで、新たなものが入ってくる感覚を身をもって感じた。




おわりに

あなたが捨てられないものはなんですか。
当たり前に、無意識に。毎日何気無く視界に入るもの。
それが、あなたの中にある本来のエネルギーを抑えているかもしれない。


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