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雑音

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2023年1月の記事一覧

【詩】083

遠い昔に見たままの景色を いま目の前に再び見ている気がする これは幻想か もしくは果てしのない夢か 公園にあるブランコが赤色 その記憶は秋のなかで紅葉した 溶けるような熱気が充満する部屋の中で 香水を振りかけてみる それはすぐに実体を失って 空気中に逃げ去っていく 夕焼けを見つめていた犬は 自由を疑っていた 道端にある片足だけのスニーカーは まるでシンデレラを探すかのように 紐を投げ出しては魚釣りをしていた

【詩】015

粘ついた熱気と湿気に満たされた空間には 呼応する響きが断続的 あの工場に建っている煙突が 黒く、 一定のリズムをかき消すように踊っては 吸い込まれていく青空 僕の瞳はその瞬間を捉えきれず、 しつこく訴えかける この鼓動は痙攣し、 ひきつった微笑を沼地へと投げ入れる それはデジャブのように、 淀みない感情の奔流は 現実的な規範を逸脱し、 15年前の夏に僕を連れ戻す 記憶は陰り 現在は枝垂れながら その頭をもたげている