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イツノマインターン体験談『人口一万人の町との出会い、そこで学んだ大切にしたい生き方』

初めまして。
立教大学観光学部観光学科3年の日吉風花と申します。

この度、立教大学で秋学期に開講されている『ホテル運営論』を受講し、それをきっかけに株式会社イツノマ様のインターンに参加させていただくことができました。
立教大学の授業を通して得ることができた貴重な経験を、この記事を通してみなさんにもお伝えできましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

ライタープロフィール
立教大学観光学部観光学科3年。
国際交流に関心があり、国際交流シェアハウスに住んでいた経験がある。来年度はワーキングホリデーで海外に渡航予定。
さまざまな国や地域に足を運び、観光とリーダーシップを軸に学んでいる。

1.『ホテル運営論』授業内容

まず、私がイツノマに出会うきっかけになった『ホテル運営論』の授業について簡単にご紹介いたします。
ホテル運営論の授業は、隔週ゲストスピーカーの方が登壇してくださり、その翌週にゲストスピーカーの方を交えてディスカッションを行う、二週間1セット型の授業形態で構成されています。
そこで登壇してくださった企業の一社がイツノマでした。ご登壇いただいた背景などに関しましては、こちらの記事をご覧ください。

2.『ホテル運営論』での学び

イツノマがご登壇してくださった授業で、私が特に印象に残っているのは、イツノマの皆さんの心掴まれる雰囲気、まちづくりの多様なあり方でした。

「いきなり雰囲気なんて抽象的だなあ」と言われてしまうかもしれませんが、広大な自然をバックにzoomに映っていたイツノマの皆さんは、お一人お一人の笑顔が輝いていて、画面越しにも皆さんの信頼しあっている温かさがひしひしと伝わってきたのです。2回の授業を経て、「私もこんな雰囲気の会社でお仕事がしたい」「お一人お一人のことをもっと深く知りたい」と、心奪われていました。
仕事仲間同士であっても、立場や年齢の壁を全く感じさせない関係性、そんなコミュニティに集まるユニークで心豊かな方々のことを肌で学びたい、そんな気持ちがインターン参加の最大の動機でした。

まちづくりの多様なあり方について、私が最も惹かれたのは「キャリア教育」についてでした。まちづくりというと、古民家を再生したり、地元の特産物を販売促進したり、人を呼び込む観光施策を考えたり、そんなことを想像していました。そこで今回、イツノマ様の「キャリア教育」という取り組みを知り感銘を受けました。人が少ない町だからこそ、これからを担っていく子どもたちに環境や町に対する学びを手厚く提供するこの事業は、私の「まちづくり」に対する考え方を変えてくれました
また、「子どもたちに都農町に残ってほしいか」という質問に対し、

「むしろ一度町を出て外を見てきてほしい。外の世界から都農町を見ないとだめ。外に出た後にまた戻ってきたいと思える町にすることが大事。」

と話されているのを聞いて、イツノマの「人からはじまる、まちづくり」というミッションと、それを体現している取り組みに深く共感しました。

3.イツノマ『スタディーツアー』実施内容

ホテル運営論の授業でイツノマの皆さんに心掴まれた私は、インターンを企画されていると聞き真っ先に応募しました。その結果、実際に訪れて得られたのは、想像をはるかに超える濃い時間でした。スタディーツアーで体験させていただいた実施内容をご紹介したいと思います。

【一日目】
初日はホステルALAに到着後、まず代表取締役の中川さんから、都農町の現状について教えていただきました。この時伺ったお話が、この後の三日間で実際に見たり聞いたりした体験のベースとなり、より深い学びになったなと、振り返りながら感じています。

その後、ホステルALAにあるテントサウナを体験し、そこで出会った地元の女性の方から、都農町での生活を伺いました。都農弁を教えてくださったり、息子さんの都農町にまつわるエピソードをお話しいただいたりし、体も心もじんわり熱くなる癒しの時間でした。

夜はイツノマの皆さんと一緒に、地元の新鮮なお野菜や美味しいお肉のしゃぶしゃぶをいただきました。都農町出身若手起業家の河野さんや、現在起業を試みて走り出している方と同席することができ、地方で起業することの難しさや楽しさをリアルタイムのお話から体感させていただきました。
(とてつもなく濃い時間だった夕食の写真を撮りそびれてしまったことが、三日間で唯一の後悔です…。)

【二日目】
二日目は、美味しい朝食をいただいた後、都農町出身のイツノマ社員、黒木さんに都農町をぐるっと案内していただきました。都農町の主要スポットを巡り、イツノマが作った都農町の未来地図『まちなみデザイン』と照らし合わせながらお話を伺うことで、私の頭の中でも想像が膨らみ夢の広がるツアーでした。

その後、都農ワイナリーにお邪魔し、工場長の赤尾さんからワイン作りや都農ワインの魅力について伺いました。ワイン作りとは、代表格の有名な味、人気な味を目指して寄せていくのではなく”その土地ならでは”を生かすことが最大の魅力になることを学び、ワインにここまで深みがあることを知ると同時に、まちづくりにおいても大切な考え方を教えていただきました。

都農ワイナリーで昼食をいただいた後、今回のスタディーツアーのメインイベント、『南国プリン』TikTok企画会議に参加しました。私自身、企業でSNSマーケティングのインターンをしているため、そこで培った経験を最大限活用しながら南国プリンを売り出す企画を考えました。若手起業家の二川さんと日下部さんにお知恵をいただいたことで、南国プリンらしさを生かした持続可能性のある企画を立てることができました。

夕食は、都農町で活躍されている女性の皆さんをお招きし、『都農ワイン女子会』を開いてくださいました。都農町での生活を覗き、地方ならではの関わりの濃さ、お一人お一人の力強い生き方を知ることができました。もっともっとみなさんのお話を聞いていたいほどかっこいい都農女子のみなさんに強く憧れを抱いた時間でした。

【三日目】
最終日は、『南国プリン』TikTok企画のプレゼンテーションを行いました。とても短い時間ではありましたが、一緒にスタディーツアーに参加した古澤さんと力を合わせ、悔いのない発表をすることができました。
イツノマの中川さんやホテル運営論を開講してくださっている池尾さんなど、発表を聞いてくださった皆さんから、たくさんのアドバイスと激励の言葉をいただくことができました。

プレゼンテーション後は、イツノマの皆さんと最後の昼餐をいただきました。宮崎県名物のチキン南蛮を食べながら、イツノマの皆さんの人生を覗いたり、私たちの今後について温かいメッセージをいただいたりすることができ、イツノマの皆さんとの最後の一時を堪能することができました。

昼食の後、都農駅でイツノマの皆さんとお別れをし、フライトまでの時間で古澤さんと宮崎駅にある南国プリンの店舗に訪れました。ずっとネット上で調べていた店舗とたくさんの商品を実際に見ることができ、二人でとても盛り上がりました。初対面で三日間を共にした古澤さんと、プリンと一緒に思い出を振り返りながら、無事スタディーツアーを完走しました。

4.イツノマ『スタディーツアー』での学び

今回のスタディーツアーは、出会う場所、人、もの、全てが本当に濃くて、時間が経った今でも一瞬一瞬を鮮明に思い出せるほどの経験でした。
中でも私にとって最もインパクトのあった学び二つをご紹介したいと思います。

【一つ目の学び】
一つ目は、「地方の魅力は”可能性が無限大”であることだ」ということです。
このように考えたきっかけは、

「都会で当たり前のことも、地方に持ってくればものすごいイノベーションになる」

という中川さんの言葉です。この言葉は、私たちの最終プレゼンテーションの時にかけていただいた言葉でした。実際、今回の『南国プリン』TikTok企画で私がSNSマーケティングの経験を活かすことができたように、大学生の私にも力になれることがあるのだと体感することができました。
若手起業家の皆さんが、それぞれの持つ経験や得意なことを武器に都農町で活躍されているのを見ても、一人一人の魅力が凄まじい影響力となって広がっているのを感じました。
夢が叶う場所は必ずしも都会ではなく地方にあるのかもしれない、ふと環境を変えたら一人一人が社会にもたらせる可能性は無限大だということを学びました。
また、過疎化、少子高齢化のイメージが強く、衰退しているように見える地方ですが、可能性が無限大だからこそ、熱量のある生き様のかっこいい人が集まっているようにも感じました。これは一度足を運んでみなくては気づけなかった地方の今だと思います。都農町に限らず、地方のどこか関心のある場所に訪れてみる、人々と話してみることに、一人でも多くの人に挑戦してみてほしいと感じました。

【二つ目の学び】
二つ目は、既存の頂点を目指すのではなく自分の持っているものを最大限生かしてこそ、人を惹きつける唯一無二の価値になるということです。
かなり抽象的な表現になってしまいましたが、それには理由があります。それはこの学びが、ワイン作りにも、まちづくりにも、私たちの人生づくり、つまり生き方にも言えると考えたからです。
この学びのきっかけの一つは、先ほどご紹介した都農ワイナリー工場長の赤尾さんのお話です。

「ワイン作りに大切なのは『天地人』。天候、大地、作り手が揃ってその土地にしかないワインができる。ヨーロッパの有名なワインを目指してワイン作りをしてもうまくいかない。都農には都農にしかない環境があるからこそ、唯一無二のワインができる。」

ヨーロッパにはヨーロッパの天候、大地、作り手がいて、都農町にはありません。ヨーロッパで人気のワインの味を都農町で目指しても、ヨーロッパに勝つことはできないのです。でも、都農の天候、大地、作り手は、世界中どこを探しても同じ場所はありません。都農ワインの魅力はヨーロッパでは作り出せない、唯一無二のものなのです。
まちづくりも同じだと思います。初日に中川さんから、

「まちづくりをするときは”古民家の活用”など一つの事象で捉えるのではなく、全体を鳥瞰して考えることが大切」

と教えていただきました。都農には都農にしかない環境があり、たくさんの熱い人がいます。闇雲にまちづくりの成功例を模倣してもうまくはいかず、その地域の持つ魅力を掛け合わせていくことがまちづくりの理想的なあり方なのだと学びました。
最後に、人生づくり=生き方について、私の学びをお伝えしたいと思います。学びの一つ目で触れたように、都農町にはエネルギッシュで熱い方がたくさんいらっしゃいました。移住者の方々は、自分のこれまでの経験を活かし、輝ける場所として都農町を選ばれていました。私自身、現在大学3年生ですが、来年度からワーキングホリデーで海外渡航をする予定でおり、周りの大学生から道を外れることに不安を感じていました。その不安を皆さんにお話ししたとき、

「不安に思う必要はない。あなたのしてきた経験や人生に共感してくれる人たちと働けばいい。むしろそこがあなたの輝ける場所。」

と温かい言葉をいただきました。
皆さんの生き様、そして私の選択にかけてくださった言葉から、みんなが憧れる道をまっすぐ歩むのではなく、自分の経験や価値観を大切に進めば、共感しあえる仲間に出会え、輝ける場所を見つけられるのだと学ぶことができました。

【これらの学びを通して】
今回私は、都農町に出会えたことで、地方に対する認識が一転し、自分の生き方を考えるたくさんのエッセンスをいただくことが出来ました。
このような貴重な機会をくださった、イツノマの皆さん、ホテル運営論教授の池尾先生、学生スタッフの方々、都農町でお会いしたすべての皆さんに、心から感謝申し上げます。

ここまで読んでくださりありがとうございました。
この記事を通して、読んでくださった方にも新たな学びや背中を押す気づきがありますように。

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