看護師ってどんな職業?その魅力から裏側まで解説します!


看護師は小学生、中学生、高校生を対象にしたなりたい職業ランキングで毎年上位に入る人気の職業です。近年の高齢化や感染症流行に伴い、看護師の需要は高まっています。
一度は看護師に憧れや興味を持ったことのある人も多いのではないのでしょうか。
赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年代の人々の命や健康、あるいは美容に関わる看護師の魅力とはどのようなものでしょうか。
本記事では私自身の経験も踏まえ、看護師の魅力だけでなく、業務内容や看護師に向いている人、看護師が辛いと感じることまで解説していきます。


看護師の魅力に迫る!具体的な仕事内容とは?


看護師の魅力について見ていく前に、まずは看護師の具体的な仕事内容を見ていきましょう。看護師の仕事内容は「保健師助産師看護師法」によって定められています。1つは医師の指示のもとに行う「診療の補助」、もう1つは看護師の判断で行う「療養上の世話」です。それぞれの具体的な仕事内容を解説します。

診療の補助

診療の補助とは、医師が行う医療行為(診察や検査)の補助のことです。

具体的には
・診察をスムーズに進めるための問診
・検査で使う薬や器械の準備
・医師の指示のもと、点滴や注射、採血、薬の投与
・血圧・脈拍などのバイタルサイン測定
・人工呼吸器の管理
・褥瘡の処置
・手術の準備や介助

などがあり、その仕事は多岐にわたります。医療行為は患者さんの身体に危害が加わる可能性がある行為なので、看護師には確かな知識とスキルが求められます。


療養上の世話

入院している患者さんは何らかの不自由をかかえています。食事や入浴、排泄など、私たちが普段当たり前に行っている日常生活を、患者さんにも快適に過ごしてもらえるようにサポートします。
患者さんが寝ているベッド周りの環境整備や、自力で動くことができない患者さんの移動介助や体位変換なども含まれます。また、患者さんの話を聞いて不安を取り除くといった精神面でのケアも看護師の大事な仕事です。

その他にも患者さんに最も身近な1人として、様々な職種を交えたカンファレンスへの参加、毎日の患者さんの記録、患者さんや家族への説明などもあります。

看護師でよかったと思う魅力を解説


病棟、手術室で勤務してきた私自身が看護師でよかったと思う魅力は主に3つです。

・やりがいを感じる場面が多い
・活躍の場が多い
・給料が高い

「なんとなく看護師がいいかも」と思っている人や看護師に興味がある人は参考にしてみてください。


やりがいを感じる場面が多い

看護師は大きなやりがいを感じる職業というイメージはないでしょうか。実際に私も看護師として働いていると多くのやりがいを感じる場面があります。そのエピソードも交えてご紹介します。

患者さんや家族に感謝されたとき

看護師は毎日患者さんのケアや処置を行い、コミュニケーションをとっています。その中で患者さんや家族に「ありがとう」、「あなたが担当でよかった」などと言ってもらえると看護師をやっていてよかったと思えます。自分が行った看護が患者さんにとっていいものだったと振り返ることができ、次につなげることもできるでしょう。
私自身も患者さんから「お話聞いてくれてありがとう、気持ちが楽になった」、「気にかけてくれてありがとう」などと感謝されてとても嬉しく思ったことがあります。

患者さんの変化にいち早く気づき、適切な処置や治療につなげられたとき

看護師は毎日、患者さんに最も身近な存在として関わります。バイタルサインの変化だけでなく、声のトーンや表情、顔色など、毎日関わる看護師だからこそ気づける変化があります。「何かいつもと違う」と変化に気づき、適切な処置や治療につなげられると大きなやりがいを感じますし、今後の自信にもなります。
その感じた変化を医師や先輩看護師にきちんと伝わるよう報告でき、薬の変更や必要なケアや処置が行われたときは大きなやりがいを感じました。

患者さんが回復していく姿を身近で見られるとき

リハビリで患者さんが歩けるようになっていく姿など、日々回復して元気になっていく患者さんを身近で見られるのは看護師の特権です。「今日は1人で歩けるようになったよ」「今日は管が全部抜けて身体が軽くなった」と話してくれる患者さんの姿や、「お世話になりました」と笑顔で退院される姿を見るのは大変嬉しく思います。看護師としての達成感や感動が生まれます。

手術がスムーズに終わったとき

手術室では、実際に手術に入って器械を医師に渡したり、必要な薬や器械を準備してスムーズに手術が進むようにサポートしたりします。緊急手術や長時間の手術が大きなトラブルなく終わり、無事に患者さんが手術室から退室した後の達成感は手術室ならではです。手術は1人ではできないので、チーム一丸となって取り組めた嬉しさも感じます。


活躍の場が多い

看護師には活躍できる場がたくさんあります。病院に限らず、介護施設や訪問看護ステーション、クリニック、保育園、一般企業など様々です。資格を持っていれば全国どこでも働けますし、ブランクがあってもそれまでのキャリアや経験があれば仕事が探しやすくなるでしょう。また、資格を活かして長く働き続けられるのも看護師の魅力です。
それぞれの職場によって看護師の仕事内容は異なりますが、どの職場で働く看護師にも確かな知識とスキルが必要です。

給料が高い

看護師は国家資格が必要な専門職であるため、給料が高いイメージがあるのではないでしょうか。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると看護師の平均月収は35万1600円(調査の対象者は平均年齢が40.7歳、勤続年数が9.1年、企業規模計10人以上の場合)なので、全職種の平均31万1800円と比べると、若干看護師が高くなっています。平均年齢と勤続年数が近い職種である飲食物給仕従事者は、25万5400円なので、看護師の月給と10万円ほどの差があることが分かります。
もちろん、地域差や夜勤回数での差はありますが、看護師の給料は景気に左右されづらく安定した収入が得られやすいのが特徴です。


看護師に向いている人の特徴とは?


看護師になりたいと思っても、

「看護師って大変そうだし自分でもなれるかな」
「自分は看護師に向いているのか分からない」

と考えてしまう方は多いでしょう。
実際私自身もそうでしたが、看護学生の時、そして看護師になってからも、キャリアに悩むものです。以下に示す看護師に向いている人の特徴は、看護師として働いていく上で不可欠なものになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

責任感が強い

看護師は命を預かる仕事なので、「これでいっか」「ミスしてもなんとかなる」という考えでは看護師として働けません。その妥協が重大な事故につながったり、最悪の場合は命に関わる事態に発展したりします。
また、医療現場ではチームで動くことが基本なので、その一員として自分が与えられた仕事に責任を持って果たすことが求められます。

身体的・精神的にタフ

看護師には夜勤があるので、不規則な生活になりやすいです。夜勤中に休憩が取れないこともしばしばあります。また、移動介助などの力仕事や立ちっぱなしでの仕事が多いので、ある程度の体力が必要です。

さらに、周りのスタッフや医師、患者さんとの関わりの中でストレスを感じることも多くあります。初めは落ち込んでしまうこともあると思いますが、気持ちを切り替えて、めげずにそれをはねのけるくらいの気持ちで望む精神力も必要です。
私自身、看護師になる前はメンタルが強いほうだとは思っていませんでしたが、看護師になってから精神力が鍛えられたと思っています!

協調性がある

先述した通り、医療現場での従事者はみな、チームで動いています。看護師や医師だけでなく、薬剤師や理学療法士などの専門職などとも関わる機会が多くあります。多職種が連携して治療にあたるので、患者さんの情報共有のためのコミュニケーション能力は不可欠です。また、スタッフの意見を聞く傾聴力や、自分がチームの一員として意見を言う提案力も必要です。さらに、患者さんやその家族と関わる機会も多いので、信頼関係を築くために寄り添うことも大切です。

向上心がある

医療は常に進化しているので、自分の知識や技術をアップデートし続けないといけません。仕事をする中で分からないことを勉強するのは当たり前ですが、それに加えて新しい知識や技術を学んでいく姿勢が必要です。
また、看護師には専門看護師や認定看護師、ナースプラクティショナー(NP)などのキャリアアップのための資格も数多く存在します。それぞれ自分が興味を持った分野に特化して取れる資格なので、資格を取ってキャリアアップを図りたいと向上心を持っている方なら、より看護師としてのキャリアが広がるでしょう。

【魅力の裏側】看護師が辛いと感じることと

その対処法



看護師の魅力をいくつかお伝えしましたが、辛いと感じる場面も多いのが看護師です。
職場によって、それぞれ辛いと感じる点は異なると思いますが、主に以下の3つがあげられます。 

  ・業務上の責任が重い
  ・業務量・勉強量が多い
  ・人間関係がよくない場合がある
辛いと感じることは誰でもあります。しかし、それを乗り越えると看護師として成長でき、長く働き続けられるでしょう。以下では、辛い場面と合わせて対処法も解説します。

業務上の責任が重い

先述した通り、看護師は命を預かる職業なので、抱える責任は重いものです。初めのうちは慣れない業務への不安や医療ミスへの恐怖があるのは当然ですし、何年働いていても不安や恐怖はあります。また、医療ミスだけでなく、スタッフへの伝達ミスや確認ミスも重大な事故につながりかねません。その責任の重さがプレッシャーとなり、「看護師は辛いな…」と感じてしまうことがあるでしょう。

このような局面に陥った際は、確認を怠らずに疑問を解消することが大切です。分からないことや曖昧なこと、初めてやること、慣れないことをきちんと先輩に確認しましょう。

また、自分で振り返りや勉強することでもその不安や恐怖は軽減できます。

私も新人の時は先輩に「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)が一番大事」と教わりました。きちんとホウ・レン・ソウができれば、責任が重くてもミスが起こるのを防げるので、責任が重くても安心して仕事に取り組めるでしょう。


業務量・勉強量が多い

看護師は職場や配属された部署によって、忙しさの程度が異なります。看護師1人で何人もの患者さんの対応をする場合や、緊急入院・緊急手術の受け入れがあると残業になることもあります。また、その日に受け持つ患者さんの情報収集などを行う前残業や、勤務時間外での勉強会への参加など、さらに業務量が増えるでしょう。

その他、患者さんが抱える疾患の勉強や手術室で行う各術式の勉強をする必要があります。美容クリニックでは、機械の取り扱いなども勉強することが多いです。

看護師は優先順位を考えながら、マルチタスクで仕事をしなければいけないので、その忙しさが辛いと感じてしまう人もいるでしょう。働いているうちに慣れてはきますが、体力的、精神的に辛くなってきたら、比較的落ち着いている部署への異動や転職を考えることも対処法の1つです。

勉強面は正直、自分で勉強することでしか解決できません。看護師として仕事をしていくうえで勉強は必要不可欠です。私自身もまだまだ勉強中ですし、分からないこともたくさんあります。ただ、働いていると学生時代のように1日何時間も勉強することはできません。その日の業務内で分からないことはメモを取っておき、その日のうちに解決する癖をつけておくとよいでしょう。


人間関係がよくない場合がある

看護師は1人で黙々と仕事をするわけではないので、医療チームの関係性が悪化するとチームの仕事の効率は下がります。ピリピリ、ギスギスした空気を感じることもあります。
また、看護師は女性が多いので女性社会特有の問題や先輩からの厳しい指導があるかもしれません。患者さんや家族から暴力・暴言などのハラスメントを受けたりと人間関係がよいと言えない職場もあります。

同僚や上司に相談することは対処法の1つとして有効ですが、自分の仕事、プライベートにも支障をきたす場合は異動や転職も1つの手です。しかし、異動・転職先が必ずしも人間関係がよいとは限らないので、可能であれば事前に情報収集しておくことをおすすめします。患者さんに対しては、真摯な態度で臨み、対処していくことが看護師の使命です。その方法については先輩や上司に相談してみましょう。


看護師には魅力がたくさん!


これまで看護師の具体的な仕事内容から魅力、その裏側の辛いことまでお伝えしました。
「看護師にもっと興味を持った」「看護師になりたいと思った」「やっぱり自分には無理かも」と色々な考えが出たのではないでしょうか。
看護師になるのは決して楽ではないですし、なってから苦労することもたくさんあります。私自身、実習でも、働くようになってからも辛い経験をしてきて、辞めたいと思ったことが何度もあります。しかし、あんなに辛い思いをして取った資格を手放したくない、やっぱり魅力がたくさんある看護師をやりたいと思って続けています。
強い意志があれば看護師になれますし、看護師を続けられます!ぜひ看護師業界へ足を踏み入れてみてください。


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