看護師の転職面接は事前対策が攻略の鍵!内定をもらうコツを経験者が徹底解説


看護師として転職をする際、面接は避けて通れません。書類選考を通過しても見送りになることもあるので、面接の事前準備は重要です。
とはいっても、「どんな対策をしたらいいの?」「どう答えたら内定をもらいやすいの?」といった不安や疑問はあると思います。
本記事では、看護師が転職する際に受ける面接でよく聞かれる質問やその回答例、マナー、注意点などを解説していきます。これから面接を受ける方はぜひ参考にして面接を乗り切りましょう!


看護師の転職面接でよくある質問と回答例


看護師の転職面接でよく聞かれる質問は以下のようなものがあります。

・自己紹介
・志望動機
・退職理由
・長所と短所
・これまでの経験やスキル
・インシデントの経験

このような質問はどの施設でも聞かれる可能性があるので、自信をもって回答できるまで対策しておきましょう。

自己紹介

面接が始まって1番最初に聞かれることが多いのが自己紹介です。・「名前(フルネーム)」・「最終学歴」・「職務経歴」の3点は必ず含めて答えましょう。

<回答例>
「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。〇〇〇〇(名前)と申します。△△大学を卒業後、××病院の消化器外科で4年間勤務しました。「1人1人に寄り添った看護を」という理念がある貴院で今後のキャリアを築きたいと思い、今回応募させていただきました。本日はよろしくお願いいたします。」

最初に面接の場を設けてくれたことに対するお礼をいうとより丁寧です。志望動機や自分の強みを一言添え、最後は「よろしくお願いいたします」で締めましょう。

志望動機

志望動機は、数ある施設の中で「なぜ当院・当施設なのか?」を答える質問として重要です。応募先の理念や経営方針を織り交ぜながら、これまでの自分の経験と応募先がどうつながるか、どんな働き方をしたいのかを答えます。

<回答例>
「これまでICUで勤務してきましたが、日々の業務の中で、患者様1人1人にゆっくりと関わることができず、物足りなさを感じていました。貴院は地域に密着した病院であり、患者様1人1人に適切な看護が提供でき、地域医療にも寄与できると思い、志望いたしました。」

応募先の特徴を理解し、どんな魅力で応募したのかが分かるように答えましょう。


退職理由

退職理由を聞く面接官の意図は、転職者に「責任感があるか」、「同じ理由で辞めないか」を見るためです。人柄や仕事の価値観を知るうえでも、退職理由はよく聞かれる質問です。

<回答例>
「これまで総合病院で病棟勤務をしてきて基本的な看護師としての知識やスキルを学ぶことができました。前職よりもより専門的で高度な医療設備が整っている貴院で、キャリアアップしたい、看護師としてもっと成長したいと思い転職を決意しました。」

退職理由は「給料が少なかった」「残業が多かった」などのネガティブな回答になりがちです。面接官は転職者にできるだけ長く働いて活躍してもらいたいという想いを持っているため、「チャレンジしたい、成長したい」というポジティブな回答になるように心がけましょう。

長所と短所

長所と短所は、転職者の人柄を見ることはもちろんですが、自己分析ができているかも見られる質問です。
長所は看護師の業務内容と関連付けられると、どのようにその長所を活かせるのかアピールできます。短所は努力して改善できることを挙げ、それをカバーするために気を付けていることも伝えるとよいです。

<回答例>
「長所は協調性があることです。チームで動いていることを意識し、人手が足りない状況なら声をかけられる前に動くなど、常に周りを見て行動するように心がけています。一方短所は緊張しすぎてしまうことです。慣れていない業務や初めてやる業務など、緊張してミスを起こしてしまうのではないかと不安になります。ミスを起こさないために事前学習をするのはもちろんですが、業務の一つ一つをきちんと確認してから取り組むようにしています。」

これまでの経験やスキル

転職の場では、これまでの経験やスキルが応募先で活かせるかどうか、即戦力として働いてもらえるかが見られます。応募先の施設の特徴や配属先の特徴を踏まえ、活かせる経験やスキルをアピールしましょう。

<回答例>
「整形に強みのある病院で4年間勤務してきたので、整形の手術は一通り経験してきました。インプラントは何社も使っていたので、それぞれの使い方や手順は理解しています。
長時間の手術や、高リスクの患者さんの場合は、安全を第一にトラブルが起きないようアセスメントを行い対応しています。急変時も落ち着いて対応するよう心がけ、チームで協力し合いながら取り組んできました。」

自分の過去の経験を棚卸しつつ、応募先の施設がどんな人材を求めているのかを調べ、合致する点をアピールすると良いでしょう。

インシデントの経験

看護師として勤務していると、インシデントに遭遇することは避けられません。インシデントを起こした場合、どのように対応してきたのか、同じことが起こらないようにどのような取り組みをしてきたのかを答えることが大切です。仕事に対する意識の高さや、失敗を次に活かせるかどうかが見られます。

<回答例>
「以前、認知症の患者さんのそばから離れて戻ったところ、患者さんが転倒し、ルートを抜去していたというインシデントがありました。この経験から少しの間と思ってもきちんと安全を確保し、声をかけてからその場を離れるべきだったと反省しました。この経験を教訓として、患者さんのそばを離れる際は、自分がいた時と同じ環境になっているか、安全が守られているかを確認してから離れるように心がけています。」

その他聞かれる質問例としては

・「あなたの看護観を教えてください」
・「希望の勤務条件はありますか、夜勤や残業はできますか」
・「患者さんとの印象に残っているエピソードはありますか」

などがあるので、事前に考えておくとよいでしょう。


看護師の転職面接で好印象を与える逆質問3選


面接の最後に「何か質問や聞いておきたいことはありますか?」と聞かれる場合があります。そこで「特にありません。」と答えると、「興味がないのかな」「入職したいという意欲がないな」と思われてしまいます。そこで以下の3つのテーマから質問ができるとよいでしょう。

・入職前に取り組んでおくこと
・研修や教育制度
・職場の雰囲気

それぞれのテーマでの質問例を以下で紹介します。ぜひ参考にして好印象を与える逆質問をしてみましょう。入職前に即戦力で活躍したいという意欲のアピールができます。


入職までに取り組んでおくこと

・「入職までに勉強しておくべき手技はありますか」
・「最初に担当する業務はどのようなことですか」

研修や教育制度

・「入職してから研修などはありますか。その期間はどれくらいですか」
・「院内の勉強会はありますか」

職場の雰囲気

・「働いている看護師の平均年齢は何歳くらいですか」
・「どのような経歴の看護師が多く働いていますか」
・「1日に何人の患者さんを受け持ちますか」

逆質問では、給与面の条件交渉や、入ってみないと分からない人間関係に関する質問は避けたほうがよいでしょう。また、求人票や応募先のHPを見れば分かるような質問をしてしまうと「志望意欲が低い」と判断されてしまうので避けましょう。


看護師の転職面接で気を付けたいマナー


面接の30分程度の短い時間でも、社会人としての常識やマナーが見られます。看護師は医療職ではありますが、患者さんや家族と関わる接客業でもあるので、常識やマナーをわきまえておくことが必要不可欠です。

以下で面接前、面接中、面接後のマナーを解説しているので参考にしてみてください。


面接前

面接会場に到着するまでの確認事項です。第一印象はとても大切なので抜けがないようにしましょう。

時間・持ち物を確認する
面接会場へのアクセスや所要時間は必ず確認し、面接開始の5分前に受付ができるようにしましょう。遅刻は厳禁ですが、早すぎる到着もマナー違反です。万が一遅れる場合は、応募先に連絡を入れ、面接開始前に必ず謝罪をしましょう。

履歴書や職務経歴書、資格証のコピーなどの持ち物は応募先によって異なります。事前に必要なものをよく確認し、クリアファイルや筆記用具なども忘れないようにしましょう。

身だしなみを整える
看護師は清潔感が求められるので、直前まで確認をしましょう。

<女性の場合>
・スーツは落ち着いた色、ブラウスは派手な色や柄を避ける
・靴はヒールが高すぎないもの
・鞄はA4サイズの書類が入るもの
・メイクはナチュラルにして口紅やアイメイクは派手すぎない色にする
・髪は明るすぎないようにし、長い場合はまとめる

<男性の場合>
・スーツは落ち着いた色、シャツやネクタイは派手な色や柄を避ける
・鞄はA4サイズの書類が入るビジネスバッグ
・髪色は明るすぎないようにし、耳や目にかからない長さにする
・髭は剃り残しがないようにする

面接中

受付を済ませ、面接が終わるまでの確認事項です。マナーが1番見られる場面なので面接中のマナーは必ずおさえておきましょう。

態度に気を付ける
・入室時
ドアを3回ノックし「失礼します」と言ってから入室します。「〇〇と申します。本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。」と挨拶をします。この時、面接官に背を向けずにドアを閉めましょう。

・入室後
指示があるまでは座らず、指示があったら椅子の横の床に鞄を置いて座ります。案内係の方から「座ってお待ちください」と言われたら座ってもよいですが、面接官が来たときは立ち上がって挨拶をしましょう。書類を渡す際は両手で渡すのがポイントです。

椅子の背もたれには寄りかからず、姿勢よく面接を受けましょう。面接官の目を見て相槌を打ちながら話を聞き、ハキハキと答えることが相手に好印象を与えるポイントです。

言葉遣いに気を付ける
面接は会話形式で行われますが、「〇〇をやってて~」「〇〇だと思ってて~」などの話し言葉や、「えーと…」「なんだろう…」のような口言葉は避けるのが鉄則です。また、御社・貴院などの正しい敬称を使用しましょう。

面接後

すぐに気を抜かない
面接が終わると緊張が解けてしまうと思いますが、建物を出るまで気を抜かないことが大切です。面接終了後の退室時や建物を出る際は、必ず挨拶をし、すぐにスマホを触ったり、スーツのボタンを開けたりしないようにしましょう。


【看護師の転職】面接官が見ていることは?受かるポイントを合わせて解説


面接官は質問に対する答えの内容だけでなく、先述したマナーや態度なども見て総合的に評価しています。回答がどんなによくても、態度が悪いとマイナスの印象を与えてしまいかねません。以下では、面接官に好印象を持ってもらえる各ポイントを解説します。


表情、目線

「面接は緊張して、本来の力を発揮できない…」という方は多いですが、険しく暗い表情だとマイナスイメージを持たれてしまうので、笑顔を心がけましょう。また、目線がキョロキョロしていると落ち着きがない印象を与えてしまうので、面接官の目を見て、自分が言いたいことが伝わっているか確認しながら話を進めていくとよいです。


コミュニケーションスキル

看護師は患者さんだけでなく、様々な職種の人とコミュニケーションが必要になる職業なので、コミュニケーションスキルはとても重要なポイントです。

・質問に対する受け答えが明確で端的にできているか
・丁寧な言葉遣いであるか、
・ハキハキと話しているか
などが見られているので、鏡の前で上記項目ができているか確認し、面接対策を行いましょう。また、聞くことも重要になるので、適宜相槌を打ち、やや前のめりで面接を受けると好印象です。

社風に合った人材かどうか

施設には、それぞれの特色や雰囲気があるので、それに合った人材であるかが重要です。面接中の雰囲気から、スタッフと馴染めそうかも判断されます。
また、経験やスキル、志望動機がその応募先の特色や雰囲気と関連しているかもポイントです。

看護師の転職面接を受ける際の注意点


面接を受ける際、最低限おさえておくべき注意点があります。ここまで質問に対する回答例やマナーなどを解説してきました。さらに以下に述べる注意点も心がけておけば、面接官に好印象を与え、自信をもって面接に臨めるでしょう。

施設の情報収集を徹底する

施設のHPだけでなく、給与や休日、福利厚生など調べられることはきちんと調べておきましょう。HPでは経営理念や特徴を確認し、志望動機に織り交ぜると、「きちんと特色を理解している」「志望意欲が高い」と、面接官には好印象に映ります。調べても分からない看護師の年齢層や研修制度などは逆質問で聞きましょう。

回答の内容に注意する

回答の内容は事前に考えておくべきですが、回答する際は丸暗記したものでなく、自分の言葉で伝えることが面接攻略のポイントです。回答の内容には一貫性を持たせ、長々と話さず簡潔に答えます。長く話してしまう人は、結論から話すこと、面接は言葉のキャッチボールであることを意識しましょう。
また、ネガティブな理由での転職であっても、できるだけポジティブな言葉や理由に言い換えて答えることが大切です。ポジティブな言葉で、なおかつ前向きに堂々としていると、「入職後も前向きに長く働いてくれそう」と評価してもらいやすいでしょう。

働きたい思いを伝える

いくつかの病院やクリニックを併願する際、第一志望でなかったとしても、施設の情報収集は周到に準備するべきです。その上で「ここで働きたい」という思いがきちんと伝わるような回答を心がけましょう。面接中に他の施設を受けているか、内定をもらっているか聞かれることがあります。面接を受けている施設が第一志望の場合ははっきり伝え、第一志望でない場合は、迷っている旨を理由とともにはっきり伝えましょう。


【看護師の転職】

面接対策をして内定をもらおう


これまで面接の事前準備の方法やその内容について解説してきました。「緊張しすぎて言いたいことが言えなかった」、「堂々と答えられなかった」ということがないように面接の練習をしておくことが事前準備として有効です。

しかし、どんなに準備をしても緊張や不安は尽きないのは仕方のないことです。1回1回の面接が終わったら、まずは頑張った自分を褒めてあげましょう。その前向きな気持ちで、面接をきちんと振り返って改善点を見つけ、経験を積んでいくことが内定への近道です。

本記事の内容を参考にして、面接官に好印象を与え、「ぜひ一緒に働きたい」と思ってもらえるような対策を行いましょう。


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