看護師の転職で内定を勝ち取る!印象に残る志望動機の伝え方を解説


看護師に関わらず、転職では履歴書の提出や面接は避けて通れず、そこで必ずと言っていいほど、志望動機が聞かれます。明確な志望動機があれば難しくはないですが、転職がネガティブな理由であったり、志望動機が思いつかなかったりして、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

本記事では志望動機の書き方のポイントから注意点、志望する施設別の志望動機の例文などをご紹介します。志望動機は内定の合否を分ける重要なものになりますし、自分をアピールするためにも必要なものです。ぜひ参考にして転職を成功させましょう。


看護師の転職で意識したい!志望動機を伝える際のポイント4選


志望動機を伝える際は、「活かせる経験・スキル」「志望した理由」「志望先でどう働いていきたいか」を含めると、上手くまとめられます。よりよい内容にするためには、以下の4つのポイントを押さえることが大切です。

・自分の強みやアピールできるポイントを入れる
・看護観を入れる
・待遇や給与面に触れない
・例文やフレーズの使いまわしをしない

採用側に好印象を与える志望動機になるよう、一つ一つ確認していきましょう。

自分の強みやアピールできるポイントを入れる

中途採用では、現場での即戦力が求められます。未経験の施設への転職だと、「新人の気持ちで学びたい」「新たに勉強したい」などの受け身の姿勢が感じられるフレーズを入れてしまいがちです。それよりも、

・「〇〇の経験があるので貴院でもそれを活かしたい」
・「〇〇の経験があり、貴院の〇〇という理念に共感した」

など積極性が感じられるフレーズを入れたり、志望先の理念や方針に近い経験や価値観を入れ込むことが重要です。

看護観を入れる

志望先の医療方針や理念が自分の看護観と合致することが重要です。しかし、「自分の看護観がよく分からない」「看護観なんて考えたことがない」という人も多いと思います。その場合、これまでの実務で感じてきたことや得たことを挙げてみると、考えやすくなるでしょう。「常に患者さんに寄り添いながら看護をしたい」「冷静に何事にも対応できるようになりたい」など、看護観は人によって様々ですが、実際のエピソードを入れると説得力が増します。

待遇や給与面に触れない

「給料がいいから」「休みが取りやすそうだから」など待遇や給与面が志望理由だとしても、そのまま伝えるのは避けるべきです。採用側には「仕事への熱意が低いのでは?」「うちの他に条件が良いところがあればすぐに辞めそう」など、マイナス印象を持たれてしまうでしょう。

例文やフレーズの使いまわしをしない

本記事のように志望動機の書き方や例文を紹介しているサイトは数多くあります。例文やフレーズはあくまで参考程度にして、自分の言葉で伝えられる志望動機を考えましょう。使いまわしのものだと、採用側の印象に残りにくいだけでなく、「自分の考えや価値観はないのか」「仕事への意欲が低そう」という印象を与えてしまうでしょう。自分の経験や上記で述べた看護観を入れ込んだ志望動機にすることが重要です。


ネガティブな転職理由でも大丈夫!適切な志望動機例

転職は必ずしもポジティブな理由ではないと思います。不満やトラブルをそのまま伝えてしまうと「不満が多い人」「周囲と上手くやっていけなさそう」と、採用側も不安を抱くでしょう。本章では、ネガティブな理由をポジティブに変換するフレーズの例をご紹介します。


人間関係が良くなかった

人間関係が良くないために転職をする人もいると思いますが、それを志望動機で伝えてしまうのはNGです。採用側としては、「うちでもトラブルを起こすのでは?」「合わなかったらすぐに辞めてしまうのでは?」と考えてしまうでしょう。人間関係は入職してみないと分からないですし、合う・合わないの感じ方は人それぞれです。以下のように、ポジティブな伝え方に変換するとよいでしょう。

・一緒に働くスタッフと連携しながら働きたい
・チームワークを重視してチームで看護を行いたい
・スタッフ1人ひとりの意思を尊重して働きたい


業務量が多かった

業務量や残業の多さが理由の転職の場合、そのまま伝えてしまうと「仕事をしたくない人」という印象を与えてしまいます。大変な業務をこなすためにどのように努力してきたか、なぜ環境を変えたいと思ったのか、理由を入れるとよいでしょう。

・患者様1人ひとりに向き合いたい
・環境を変えて看護の仕事に集中し、新たなスキルを身につけたい
・仕事とプライベートを両立させて働きたい

給料が少なかった

給料が低いという理由で転職する人も多いでしょう。先述しましたが、志望動機では待遇や給与には触れないことが賢明な選択です。以下のような例文を参考にしてみてください。

・自分の経験やスキルを公正に評価してくれる職場で働きたい
・やりがいを感じて働きたい
・モチベーションを高めながら働きたい


転職を頻繁にしている

転職を数回している場合、「辞め癖があるのでは?」という印象を与えてしまいます。
「転職を数回経験している=経験値の高さ」をアピールできるようなフレーズに変換するとよいでしょう。また、長期で働きたいという思いを伝えましょう。

・経験を活かしたうえでぜひ貴院に貢献したい
・幅広い知識を身につけたジェネラリストを目指したい


【施設別】看護師の志望動機文を紹介


転職の際、いくつかの志望先に応募することがあると思います。それぞれの志望先の理念や特徴を含めて内容を考えることが必要ですが、主な施設別の志望動機の例文をご紹介します。

急性期病院

急性期病院では、スピード感のある判断力や重症患者とその家族と関わるきめ細やかさなど様々なスキルが必要です。急性期病院の果たす役割とその志望先の理念への共感を含めて伝えるとよいでしょう。

<例文>
これまで4年間、急性期病院の脳外科病棟で勤務してまいりました。看護師としては、緊急手術や緊急処置を優先する体制であったため、突然のことで混乱している患者様やご家族への対応が後回しになってしまう場面がよくありました。このような経験をしてきたからこそ、貴院の「患者様に寄り添った看護を」という理念に共感し、急性期であっても患者様とご家族に寄り添った看護をしていきたいと思い、志望いたしました。


慢性・療養型病院

慢性期や療養型の病院では、患者さんと長く関わることができ、認知症や生活習慣病などの疾患に関わる機会も多いです。これらの特徴を理解したうえで、慢性期・療養に興味を持ったきっかけを入れて説得力を持たせましょう。

<例文>
これまで急性期病院で5年間勤務してまいりましたが、日々の業務に終われ、患者様1人ひとりにゆっくり関わる機会を持てませんでした。退院までの短い間で、自分は患者様に個別性のある適切な看護ができているのかと感じるようになり、患者様1人ひとりに長く・深く関わることができる慢性期の看護に興味を持ちました。また、これまで認知症の患者様と関わる機会が少なかったため、今後は認知症の看護も経験していきたいと思い貴院を志望いたしました。

訪問看護

訪問看護は近年需要が拡大しています。訪問看護に興味を持ったきっかけや、貢献できるスキル・経験を含めた内容にしましょう。

<例文>
これまで総合病院の血液内科病棟で従事してきました。日々勤務するなかで、多くの患者様が「家に帰りたい」と訴える場面があり、その様子を目の当たりにしてもどかしさを感じていました。この経験から患者様が望む場所でその人らしく生活が送れるようサポートしていきたいと思い、訪問看護に興味を持ちました。長期療養の方が多い病棟でしたので、これまでの患者様のサポート経験や、看護スキルを活かしていきたいと思い志望を決意いたしました。

クリニック

「日勤だけだから負担が少なそう」という理由もあると思いますが、志望先の特徴や専門性を把握したうえで、活かせるスキルをアピールしましょう。

<例文>
これまで総合病院で4年間勤務し、幅広い知識とスキルを身につけてまいりました。その中で、透析看護に興味を持ち、もっと深く透析看護を学び、患者様と関わっていきたいと思うようになりました。地域の信頼が厚く、患者様により近い距離で関わることができる貴院で、地域医療に貢献したいと思ったのが、志望した理由です。

介護施設

介護施設は高齢者の方々との関わりがほとんどなので高齢者の方々と関わっていきたいと思ったきっかけや、どのような特徴の施設なのかを把握することが重要です。

<例文>
これまで総合病院で勤務してまいりました。患者様の中には高齢者の方も多くいらっしゃったので、その関わりの中で学ぶことが多くありましたが、「治療の場」である病院では高齢者の方1人ひとりと深く関わることができませんでした。「生活の場」となる介護施設では、高齢者の方々とより深く・長い期間関わることができ、自分の理想の看護ができると思い志望いたしました。

美容クリニック

美容クリニックは待遇面がよいことが多いので、その理由で転職する人の声もよく聞きます。志望動機を伝える際は、美容業界に興味を持ったきっかけや、自分が美容クリニックを利用した経験を含めるとよいでしょう。

<例文>
私自身、現在美容外科で肌の施術を受けています。自分が患者として、スタッフの方にコンプレックスや悩みの相談にのってもらい、とても安心した経験があります。そこで、同じような悩みを持った方や、自分を変えたいと思っている方を支えたいと思い志望いたしました。また、接遇やマナーも身につけ、社会人としても成長したいと思っております。


企業

企業への転職といっても、一般企業の産業看護師や、治験コーディネーターなど様々です。どのような業務内容なのかを知っておかないと、ミスマッチになる可能性が高いので、十分に下調べしたことを含めた内容にしましょう。

<例文>
これまで化学療法を行う患者様と多く関わってまいりました。その中で、患者様の心理的サポート、治療に対する説明補助などの経験を通し、患者様と医療スタッフ・製薬会社の間に立ち、スムーズに治験を進めるサポートができる治験コーディネーターに興味を持ちました。また、新薬の開発に関わるやりがいも感じられると思い志望いたしました。


看護師の転職で志望先の情報収集をする際のポイント


志望動機の内容を考える際、志望先の理念や方針を調べることが重要です。十分にリサーチをすることで効果的なアピールができ、また自分の理想とのミスマッチも防げます。情報収集の方法は、志望先のHPや口コミ、転職エージェントからの情報、実際に見学するなど、様々です。

本章では、志望動機に活かすために、志望先の情報収集で見るべきポイントについて解説します。

理念や方針

「患者様1人ひとりに寄り添った医療を」「地域の皆様に笑顔と健康を提供します」など志望先のHPには理念や方針が書かれています。また、看護部のページがある場合、看護部の基本理念などが書かれていることが多いです。その理念や方針と自分の価値観が合致する点を見つけておくと考えやすいでしょう。理念や方針に共感して、貢献していきたいという思いと、自分の経験を入れるとより説得力が増します。

看護体制、病床数

病床数や、1日の来院患者数、企業規模なども調べておくべき情報です。例えば、業務量が多いという理由で転職する場合、看護体制が7:1から10:1のところへ転職するのはミスマッチになる可能性が高いです。理想の働き方を叶えるには知っておくべき情報です。

力を入れている領域、専門性

がん看護、精神看護、美容など、転職の際は自分が興味のある分野に転職するはずです。志望先がどんな領域の看護に力を入れているか、どんな分野に特化しているのかを調べておくことは基本になります。なぜその分野に興味を持ったのか、その分野でアピールできる自分の経験やスキルは何かを考えるために情報収集しておきましょう。


待遇面

給料や休日数などの待遇面は志望動機の中では伝えませんが、自分の希望する給料や休暇、福利厚生が整っているかは確認しておきましょう。「どんな条件でもいいからその志望先に入職したい!」というなら待遇面はそこまで重要視しなくてよいかもしれません。しかし、待遇面が理由の転職や、プライベートも充実させたいと思う人は情報収集しておく必要があります。


志望動機が転職成功の鍵!ポイントを押さえて内定を勝ち取ろう


これまで看護師の転職における志望動機の伝え方について、解説してきました。志望動機が思いつかないという人でも、転職の決断や志望先を選んだのには、何かしらの理由があるはずです。その理由を箇条書きで整理してから、言い回しを変えていくことで、印象に残りやすい志望動機の文章が完成するでしょう。

繰り返しになりますが、志望動機は内定の合否を分ける重要なものです。施設ごとにきちんと内容を変えることはもちろん、回答する際には履歴書と一貫性を持たせ、自分の言葉で伝えましょう。

以上のポイントを押さえ、転職を成功させましょう。


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